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ボディメイクのためのトレーニングと回数の関係 -挙上回数の中身について-

みなさんいつもご覧いただき有り難うございます。
SBDコラムニストの佐名木宗貴です。

前回のコラムから少し間が空いてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
今年の夏は特に暑かったのではないかと思いますが、私の住む大阪も連日猛暑で大変でした。
お盆の前に息子の合宿の応援で長野県の菅平高原に3日ほど行ったのですが、向こうは日差しは強いもののかなり涼しく、蒸し暑い大阪に比べると天国のように感じられて「もうこのままずっとここにいたい・・・」と帰るのが嫌になってしまいましたが、そういうわけにもいかないので、また大阪に戻ってきてセッセと働きました。

そんな暑さにやられていた夏ですが、今年もいくつかのボディビル・フィットネス関係のイベントのお手伝いをさせていただき、選手のみなさんから元気をいただきました。

7/9の大阪クラス別ボディビル選手権、大阪マスターズボディビル選手権、大阪ジュニアボディビル選手権。
7/30に奈良県大和高田市で開催された関西クラス別ボディビル選手権、関西クラシックフィジーク選手権、関西ジュニアボディビル選手権。
8/11に開催された、関西男子ボディビル選手権、関西女子フィジーク選手権、関西男子マスターズボディビル選手権、大阪男子ボディビル選手権、大阪女子フィジーク選手権、大阪クラシックフィジーク選手権。
9/3に京都で開催された日本クラス別ボディビル選手権。

これらの大会には、私が監督を務めます関西大学学生S&C(以下関大SC)のメンバーとOB・OGが私と共に大会実行委員として運営に加わってくれました。
そして8/13の関西学生ボディビル・フィジーク選手権(以下:関西学生)では関西学生ボディビル連盟に所属する各大学の理事のメンバーと、関大SCのメンバー8名、OG1名が運営に参加し、大阪ボディビル・フィットネス連盟(以下JBBF大阪)の協力を得て大会を作り上げてくれました。



今年の関西学生は数年ぶりに声を出しての応援が解禁され、学生大会特有の熱い声援が飛び交いステージと観客席が一体となった素晴らしい大会となりました。
用意していたパンフレットも早々に配りきってしまい、座席も予定していた席数では足りず、大会途中で何度もパイプ椅子を出しては並び換え観客席の拡張を行いましたが、それでも立ち見が出てしまうような大盛況でした。
数年前、コロナ禍の中で出場できる選手も少なく、無観客で大会を実施していた頃は「関西学連は潰れてしまうんじゃないか」と不安になった事を思い出し、今年は胸が熱くなってしまいました。

また今年の関西学連は関西大学商学部4回生の福田孔明が理事長としてJBBF大阪と共に大会を開催し運営してくれました。
学生大会は通常のJBBFの大会とは異なり、学生が自分たちで大会を作り上げ運営します。
福田は選手としても出場していましたが、同時に理事長としての業務も立派に勤め上げてくれました。
今後もJBBF大阪と協力しつつ、学生主体というスタイルを守り、日本で一番盛り上がり、学生たちが成長する大会を作っていきたいと思います。
関西圏の高校生・大学生で「関西学連の大会に出場してみたい!」という方は是非、関西学生ボディビル連盟までお問い合わせ下さい。
https://pando.life/kansaigakurenbody

また私個人の活動としては、8/3に東京ビッグサイトで開催されたスポルテック2023にて、恩師である東海大学の有賀先生、株式会社PHYSIOFLEXの井上涼上馬さん、東京巨人軍のトレーニングコーチでボディビルチャンピオンでも有名な鈴木雅さんと共に「本当に世界で闘える身体とその作り方」という内容でセミナーに登壇させて頂きました。
トレーニングやコンディショニングという共通項はあるものの、立場や業態の異なる一流の方々との交流は大変刺激的で、セミナーをさせていただきながらも学びの多い1日でした。

その翌日の8/4はスポルテックカップのビキニフィットネス部門に関西大学S&CのOGである国田海月さんが出場することになっていましたので、セミナー後は国田さんと合流し(というかコンテストの前日なのにお母さんと一緒にセミナーを受講してくれてました)、ポージングの最終調整を行いました。

国田さんは昨年ジュニアカテゴリーで世界大会に参加し3位に入賞していたものの、今年からは一般の部で再スタートです。
ジュニアで優勝しているとは言え、そうそう簡単に上位に進出できるものではないので「勝ち負けは気にせず、挑戦者なのでやり残しの無いように出来ることを全部やろう」と大会の直前まで徹底的にトレーニングとダイエットを追い込みました。
そして、結果はなんと大健闘の準優勝でした。

優勝には届きませんでしたが、非常にハイレベルな選手達の中での準優勝は大きな自信になりました。
また今回は若干仕上がりが遅れていたため、最後の数週間で多少無理なことをさせなければならなかったり、最終調整でもリスクを負ってチャレンジしなければならない状況でした。
そんな中で100%では無いにしても今出来る選択肢の中から効果的な選択をし、評価される身体に間に合わせることが出来たので、私もコーチとして自信に繋がりました。
続く9/10のオールジャパンでも158cm以下のクラスで4位に入賞し、

今後ますますの活躍が期待されます。

さてさて久しぶりのコラムでいつも以上に前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ本題に入ります。
今回はトレーニングのレップスの中身についてのお話です。

近年トレーニングの科学的な研究が進み、方法や効果について明らかになってきていますが、ウエイトトレーニングにおいて強度を決定する重要な要素である反復回数の内容については、細かく解説するのが難しくなかなか細部までは触れられていないように思います。
そこで今回はトレーニングの上級者なら無意識に「操作」しているであろう反復回数の中身についてマニアックに解説していこうと思います。
今まで「10回5セット」と聞いて「あぁ11回は出来ない重さに毎セット設定して5セットとも最大努力して丁度10回で終わったんだろうな」と真面目に考えていた人にとっては混乱させてしまう話しかも知れませんが、分かりやすく解説しますので最後まで諦めずに読んで下さい。

【10回5セットの中身】

皆さんは例えば
「10回5セット」
と聞くとその内容についてどのように考えるでしょうか?
一見すると普通のストレートセットのように聞こえるので
10回」を
11回反復できなかった」と捉え
11回反復できない重さを10回挙上するセットを5セット行った」と解釈するかも知れません。

例えば完璧にウォームアップを済ませた状態で100kgのベンチプレスがギリギリ10回あがる人がいるとします。
1セット目は実力通りのパフォーマンスを発揮してギリギリ10回
3分ほど休憩して
2セット目は2.5kg下げて97.5kgにセットして10回を狙い、これもギリギリクリアしました。
そして3セット目も2.5kg下げて95kgにセットして挑戦しなんとか10回が出来ました。
4セット目も2.5kg下げて92.5kgで10回に成功。
5セット目も90kgに下げて10回なんとかできました。

おそらくこの様な回数固定型のディセンディングセットを想像する人がほとんどではないでしょうか?

逆にこのケースで言うと「100kg10回5セット」が本当にそのままの重量で同じ10回が出来たという人は
1セット目、100kg10回・・・ホンマはあと4回いけたけどやめた。
2セット目、100kg10回・・・ホンマはあと3回いけたけどやめた。
3セット目、100kg10回・・・ホンマはあと2回いけたけどやめた。
4セット目、100kg10回・・・ホンマはあと1回いけたけどやめた。
5セット目、100kg10回・・・ホンマにギリギリ10回ピッタシだった。

というように1~4セット目は余力を残して終了していたということになります。
※あくまで分かりやすくするための例です。

しかしコンテストレベルのボディビルダーなど、トレーニングの上級者と思われる人、特にボディメイク目的のトレーニングを行う人の中には、上級者であっても同じ種目で、同じ重量で、複数のセットをこなしている人がいると思います。
ではその人達は1~4セット目を「手抜き」して終えているのでしょうか?

【効かせる技術を段階的に解除するディセンディングセット】

もちろん全ての上級者がそうだというわけではありませんが、ボディメイクの上級者が「100kg10回5セット」を行った場合は、
最後の1セットだけ本気だった」なんてことは無くて、むしろ
5セット全部10回しか出来ないように調整した」と見る方が自然なのかなと思います。
つまり数字だけを見ると記録上は「100kg10回5セット」だけれども、中身を調整することでしっかり全セット追い込むことが出来ているのです。
つまり前記した
「ホンマはあと〇回いけた」
この部分をレップスの中身を変えて調整しているので結果は全セット100kg10回で終えているのですが、その中身が毎セット違うということです。

その中身の一例を文字で書くとこんな感じです。
1セット目、
1~5回目まではポンポンあげて(2秒で下ろして1秒であげるぐらい)
6~8回目まではゆっくり効かせながら(5秒で下ろして1秒で挙げるぐらい)
9回目は更にスピードをコントロールして丁度「残り1回あがるかどうか」の状態を作り出す。
10回目は全力であげる。

2セット目、
1~6回目まではポンポンあげて(2秒で下ろして1秒であげるぐらい)
7~8回目まではゆっくり効かせながら(5秒で下ろして1秒で挙げるぐらい)
9回目は更にスピードをコントロールして丁度「残り1回あがるかどうか」の状態を作り出す。
10回目は全力であげる。

3セット目、
1~7回目まではポンポンあげて(2秒で下ろして1秒であげるぐらい)
8~9回目まではゆっくり効かせながら丁度「残り1回あがるかどうか」の状態を作り出す。
10回目は全力であげる。

4セット目、
1~8回目まではポンポンあげて(2秒で下ろして1秒であげるぐらい)
9回目でゆっくり効かせて丁度「残り1回あがるかどうか」の状態を作り出す。
10回目は全力であげる。

5セット目、
1~9回目まではポンポンあげて(2秒で下ろして1秒であげるぐらい)
9回目が終わった時点での残りの力を計算し10回目は下ろすスピードをコントロールして挙げる方は全力であげる。

こんな感じです。
これはあくまで一例であり、この「効かせる」という当たり前のように使われるワードについても、その手法は細かく分類すれば無限に広がるでしょう。
調整する変数も色々あって、スピードやテンポ、可動域は勿論のこと、呼吸や使用筋群への部位意識、各筋群や関節の連動性、チーティングの有無など反復回数に関わる様々な要素を調節し、組み合わせ、意図的に10回目で反復不能となる状況にお膳立てするのです。

「そうそうそんな感じよね」と思う人もいれば
「そんなの本当の10回5セットちゃうやん」という人もいるでしょう。

飛行機の飛び方に例えると
全レップスを全力で挙上するという方法は
エンジン全開で飛んで10回という地点で丁度燃料が切れ不時着した」という感じで
調整する方法は
エンジンをコントロールして飛んで10回という地点に燃料空っぽで着陸するよう調整した」という事です。

セットの途中で主観的に「あと5回いける」と感じたところから、確実に「あと5回」を完遂することも重要なテクニックですが「あと5回」いける状態から意図的に調整し「4回分の力を2回に集約」する事が出来れば「5回を3回に纏める」ことが出来ます。
これも重要なテクニックです。

また補助者の助けを借りる場合も
行けるところまで行くから潰れたら頼む!」というスタイルだけでは無く
こういう風に消耗させるから残りをこういう風に絞り出してくれ」というリクエストも存在します。

ボディビルダー同士で補助をし合う時、気心の知れたパートナーなら
最初はガツガツいくけど潰れる3回ぐらい手前から効かせるからさ、潰れたらフォースド3発でネガはプラス押し有りでよろしく!
このようなラーメン屋のスペシャルトッピングのような注文を一発で汲み取り
了解!」って対応出来るのが良いパートナーです。

【重量を伸ばすことのメリットとデメリット】

ウエイトトレーニングにおいて「筋力の向上」と「筋肥大」は、その効果が互いに影響し合う事は間違いないと思いますが、どちらを主目的とするかでレップスの中身が変わってきます。
先に記したボディメイクの上級者のような、レップスの中身を「調整」する方法は、言い換えると「もっと沢山の回数を反復できるのに意図的に反復回数が減るように工夫する」と言えます。
もっと簡単に言うと「軽いものを敢えて重く挙げる」とも言えます。
一方で筋力を伸ばすということは「重いものを軽く挙げる」ためのトレーニングですから、やっていることは真逆になります。

筋力を向上させてより重い重量をトレーニングで使用することが出来るようになる
これはある意味、筋力トレーニングの原則である「漸進性過負荷の原則」に則ったトレーニングをするためには基本となる考え方です。

筋肉が受ける刺激・負荷量を漸増させるためには筋力の向上が最も有効であることは間違いが無いことだと思いますし、物理的に筋力を向上させる手段としては重量を挙上する事に対して最大の努力を行い、力を発揮するべきです。
しかし筋肥大を狙うボディメイカーにとっては使用重量というのは極めて重要なファクターである事は間違いないものの、筋を肥大させるという目的を果たすために必要な刺激の強さや負荷量を決定するうえでは、一要因でしかないことも間違いないことです。
つまり筋肥大と筋力の向上を「目的と手段」という側面から見れば

筋力の向上を目的としたトレーニングからすると
筋力の向上に必要な反応(適応)として筋が肥大した」であり
筋を肥大させるという手段により更なる筋力の向上という目的が達成される」と言えます。

筋肥大を目的としてトレーニングをする場合は
筋を肥大させるために必要な反応(適応)として筋力が向上した」ということになり
筋力を向上させるという手段により更に筋を肥大させるという目的が達成される」と言えます。

これは他のスポーツ選手が筋力トレーニングに取り組む場合も同じようなものでして

例えば女子バレー部が「私太ももが太くなるの嫌なんです~」と言いながらも高い打点でスパイクを打つためにスクワットとジャンプのトレーニングを繰り返していたら、その刺激により大腿部の筋群が肥大してしまい周径が太くなってしまった。

似たようなことを逆に「競技力向上のために大腿部を太くしたい」と願う競技ボディビルダーにあてはめると、「重いスクワットをやると腰が痛くなるし強くなりすぎるとプレートが増えて準備も大変だからやりたくないな~」と思っていたが、やはり最も効果が高いのでスクワットを繰り返していたら、大腿部が筋肥大する過程で筋力も向上してしまいスクワットの使用重量も増加してしまった。
結果、かなりの高重量で無ければ刺激が足りなくなりフォームを崩すことでの腰痛のリスクは高まり、プレートの付け替えなどにかかる時間も増えてしまった。

ということになります。

ボディメイク競技ではバランス良く筋肉が発達していることが必須ですが、ステージ上で「君めちゃええ脚しとんな~スクワット何キロ挙がんの?」とは聞かれませんし、200kg挙がろうが300kg挙がろうが加点も減点もありません。

いわゆる「コスパ」のような表現をするならば
スクワットが140kgしか挙がらなくても200kg挙がる人の大腿四頭筋と同じぐらいの太さに見えれば、トレーニング中のリスクやウォームアップと片付けに要する時間を考えると140kgしか挙がらない方が「コスパ」が高い大腿四頭筋であると言えます。

したがって「太くする」「太く見せる」という主目的を達成するためには、ある程度のレベルに達したならば、最大挙上重量と最大反復回数を更新しまくることが、必ずしも効率の良い方法とは言えなくなるわけです。

【まとめ】

ウエイトトレーニングに限らず、どんなトレーニングでも「何を目的とするか?」によって同じトレーニングの同じ種目でもやり方が異なります。
ウエイトトレーニングは単純なように見えてやり方は様々です。
プランAで効果が出なくなればプランB・C・D・・・と色んなやり方を組み合わせ、プラトーを攻略するのが楽しいところでもあります。

ウエイトトレーニングでは「〇kgを〇回挙げる」というと、それは「1回でも多く反復することを目指した結果」という事が前提である場合が殆どですが、今回の例のような「反復回数を伸ばすことを意図的に制限し低回数で反復不能となる状態を作り出す」事も、安全に狙った筋に負荷をかけオールアウトに達するための1つのトレーニング手法なのではないかと考えます。

この様な場合はトレーニングの「負荷量」を数値化するための重量×回数×セット数の「回数」があてにならなくなるため、総負荷量を評価するのが難しくなります。
100kg10回5セット=5000だったとしても、その10回の中身が実は前半の5回と最後の1回だけが挙上する事に対して最大努力で行っていて、間の4回は「10回目でオールアウトするために調整された4回」だったとしたら・・・
本当の実力は14回・13回・12回・11回・10回で総負荷量は6000になっていたものが記録上は5000になっているわけです。
こうなると総負荷量についてもあまりあてになりません。

RPE(Rating of Perceived Exertio)やRIR(Repetition In Reserve)といった主観的なスケールも、そもそも自分で調整してオールアウト状態を作っているので、例えば最大値を10としたスケールにした場合、7~8ぐらいが「あと2~3回出来たんじゃね?」とならない可能性が高いのです。
というよりは主観的に10を作り出すためにやっているので、調整が上手くいけば10、最後にしくじったら9ぐらいしか回答が無いのではないかと思います。

このように想像を巡らせると、トレーニング上級者の総負荷量や実際の強度について数値化することは非常に難しいのではないかと思います。
速度を測るデバイスを使ったところで、そもそも速度をコントロールして効かせたりするわけで、その挙上速度自体が純粋なものでは無く調整されたもので、まだまだ出来るくせに敢えて工夫して自分で自分を苦しくしているわけなのであてになりません。

一方でトレーニング経験の短い人の場合は、上級者のような「調整テクニック」が不十分であるため普通に全力で効率良く最大反復回数を目安にしたプログラムを行う方が得策でしょう。
まだまだ筋力を伸ばし、筋肉に与えられる刺激の最大値を引き上げる必要があるでしょう。
大は小を兼ねると言いますが、やはり筋力はあるに越したことはありません。
100㎏があがる人は上達すればいずれ0~100㎏の幅で効果的にトレーニングする事が出来るようになりますが、80㎏しかあがらない人はどんなに上達しても0~80㎏の幅でしかトレーニングできません。

少し話が脱線しますが、私が普段トレーニングを指導しているのは、トレーニング歴が1年~7年程度の大学生や高校生が殆どです。
とは言え格闘技やコンタクト系球技の選手が多いので、使用する重量はその辺のボディビルダーと変わらないか少し強いぐらいです。

しかしそんなアスリートでも
「限界まで反復してくださいよ」と言って1セット目を行わせて8~10レップスで終わった選手に
2セット目は、4~5人のチームメイトを集めて完璧に補助が出来る状態で
「はい!」「もう1回!」
とメチャクチャ大声で盛り上げてメンタルをプッシュすると15回を超えたりすることは珍しくありません。

彼らはジュニア期のアスリートですが、恐らく一般的にはウエイトトレーニングの初心者とは呼ばれないレベルです。
また競技レベルのパワーリフターであっても「〇〇ジムでトレーニングしたら雰囲気で回数伸びたわ」とか「試合でしかMAXは更新できない」といった経験がある人もいるでしょう。
つまり何が言いたいかというと、最大挙上重量も最大反復回数も常日頃から正確に発揮することは、かなりの熟練であっても難しいという事です。

話を戻しますが、今回はボディメイクのためのトレーニングにおける回数の中身について考えてみました。
上記のようにウエイトトレーニングにおける「質」を図ることは非常に難しく上級者であればあるほど、トレーニングが上手であればあるほど数字に表れない「負荷」のかけ方をしている可能性があります。
逆にウエイトトレーニングはその特性上「量」は目で見て分かるので指標にしやすいと言えます。
しかしその「量」ももしかしたら正確ではないかも知れないし、トレーニーの練度によって膨らんだり萎んだりするものかも知れません。

あなたのジムにもボディメイクの上級競技者がいたら観察してみてください。
単なる10回ではなく様々な調整が施された「20回を濃縮した10回」を繰り返している人がいるかも知れません。

文:佐名木宗貴


ベスト記録(ノーギア)
スクワット 245kg
ベンチプレス 160kg
デッドリフト 260kg

戦績
パワーリフティング
・全日本教職員パワーリフティング選手権 90kg級 優勝
・2009~2012年 近畿パワーリフティング選手権 4連覇 75・82.5・83・90kg級4階級制覇
・ジャパンクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 準優勝
・アジアクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 優勝
・東海パワーリフティング選手権大会 93kg級 優勝
・世界クラシックパワーリフティング選手権大会マスターズ1-83kg級 5位
・ジャパンクラシックマスターズパワーリフティング選手権大会83kg級 優勝
・香港国際クラシックパワーリフティング選手権大会マスターズ1 83kg級 優勝
・世界クラシックパワーリフティング選手権大会マスターズ1 93kg級 6位

ボディビルディング
2000~2001年 関東学生ボディビル選手権 2連覇
2000年    全日本学生ボディビル選手権 3位
2011年    日本体重別ボディビル選手権70kg級 3位
2011年    関西体重別ボディビル選手権70kg級 優勝

指導歴
・ZIP スポーツクラブ チーフトレーナー
・正智深谷高校ラグビー部 S&Cコーチ
・埼玉工業大学ラグビー部 S&Cコーチ
・正智深谷高校女子バレーボール部 S&Cコーチ
・正智深谷高校男子バレーボール部 S&Cコーチ
・トヨタ自動車ラグビー部 S&Cコーチ
・関西大学体育会 S&Cコーディネーター
・比叡山高校柔道部トレーニングコーチ

資格
・日本トレーニング指導者協会認定 特別上級トレーニング指導者
・NSCA認定 CSCS
・日本パワーリフティング協会公認2級審判員

社会活動
・日本ボディビル・フィットネス連盟 アンチ・ドーピング委員
・大阪ボディビル・フィットネス連盟 理事
・関西学生ボディビル連盟 会長

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