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ジュニア期にボディメイク競技に出場する人へ ~発育発達過程の個体差アドバンテージが薄まってからが勝負です~

皆さんこんにちは。SBDコラムニストの佐名木宗貴です。
コンテスト続きで忙しかった夏がようやく終り、気がついたらもう11月です。
つい先日まで毎週真っ黒に日焼けした人達に囲まれていたので、外に出て涼しさを感じ、普通の人が長袖を着ていることに何故か違和感を感じてしまいます。

さてそんな感じでコンテストシーズンが終りちょっと気の抜けたような感覚ではあるものの、この夏ボディメイク系競技に多く関わり、心の中に思っていたことを今月も少し文章化してみようと思いますのでお付き合いのほど宜しくお願いいたします。

【関西学生ボディビル・フィジーク選手権・全日本学生ボディビル・フィジーク選手権】
まずは振り返りなのですが、9月16日(敬老の日)に大阪の住吉区民ホールにて第59回関西学生ボディビル選手権・第5回関西学生メンズフィジーク選手権大会を開催いたしました。
今年も大阪ボディビル・フィットネス連盟(以下「JBBF大阪」と略す)の皆様の多大なるお力添えと、多くの学生が運営に協力してくれたお陰で無事に大会を開催することが出来ました。
この場を借りて深く御礼を申し上げます。
有り難うございました。

関西学生ボディビル連盟(以下「関西学連」と略す)の大会は、JBBF大阪と共同で大会を開催していただくことで成り立っております。
そのため、午前中はJBBFの関西高校選手権大会、そして午後が関西学連主催の関西学生選手権大会と一日を通して高校生⇒大学生という流れで大会は実施されました。

午前中に大会に出場した高校生が午後の関西学生選手権大会を観戦して「あぁ大学に入ったら関西学連の大会に出よう!」と思ってもらえたならば、この取り組みは成功と言えるでしょう。
また関西学連の選手達も「お世話になったJBBFの大会に社会人になってもチャレンジしよう!」と思ってくれていれば大成功です。

今大会に参加した関西学連に所属する大学は、関西大学・阪南大学・京都先端科学大学・岡山大学・岡山商科大学・環太平洋大学・広島経済大学・松山大学の8校です。
これに加えて今年は紹介校として大阪体育大学・大阪学院大学・近畿大学の3校が参加しています。

もしこのコラムを読んでくれている高校生、あるいはボディビルやフィジークに興味のあるお子様をお持ちのご父兄の方がいらっしゃいましたら、是非上記の大学を受験していただき、関西学連の大会に参加していただきたいと思います。
またその他の大学でも、将来的に関西学連に加盟する意思があれば紹介校制度で出場できる可能性もありますので、ご興味のある方は関西学連までお問い合わせください。
お問い合わせ|関西学生ボディビル連盟《Pando》

学連の大会に参加する意義については以前のコラムでも紹介しておりますので、興味のある方はこちらも合わせてご一読ください。
学連の大会に出よう! (全日本学生ボディビル・パワーリフティング連盟について) | SBD Apparel Japan コラム

因みに大会にはボディビル23名、フィジーク25名の選手がエントリーし、ボディビルでは大阪学院大学の本多虎之介選手が優勝、メンズフィジークでは松山大学の出海凛人選手が優勝しました。
団体優勝は岡山大学、準優勝は環太平洋大学、3位は関西大学でした。
※関西学生選手権の団体戦表彰は加盟校のみを対象としました。

9月29日に東京都の福生市にて開催された全日本学生選手権大会でも大阪学院大学の本多虎之介選手が見事に優勝し、2年ぶりに関西学連の代表選手が日本一となりました。
ボディビル・フィットネス競技界では近年、ジュニア世代の活躍が著しく、一般の部で活躍する選手の中にも20代の選手が目立つようになってきました。
本多選手の今後の活躍にも注目していきたいと思います。

さて、そんなジュニア期の選手の活躍が目立つ男子ボディビルを今シーズン、ステージ裏から眺めながら私が考えていたことを今回のコラムでは一部文章化しようと思います。

【ジュニア期にボディビル競技にチャレンジする人へ】
一般的なスポーツ、例えば球技や格闘技においては「年齢」というのは競技力に関わる大きな変数であることは間違いないと思います。
プロ野球選手でもプロサッカー選手でも、オリンピックに出場している選手でもおそらく年齢が30代に入ると「ベテラン」と呼ばれるようになり競技生活の後半に差し掛かると思います。

一方で卓球や女子の体操競技、フィギアスケートなど競技パフォーマンスに体格の大きさや筋力よりも技術や表現力といったフィジカル以外の要素が大きく関わるような競技は、競技パフォーマンスがピークに達する年齢も比較的早く、10代の選手が日本一になり世界大会の一般の部でも活躍することもよくあることだと思います。

では、ボディビルはどうかというと、以前のコラムでも書いたとおりですが
(移行期という考え方 ~ナチュラル=ライフタイムナチュラルが完成するまで~ | SBD Apparel Japan コラム)
昨年のMr.日本の出場者の平均年齢は43.35±12.85歳、決勝進出者の平均は38.42±12.46歳、昨年の日本クラス別選手権の男子の出場者の平均年齢は42.08±11.61歳、決勝進出者の平均は42.27±11.18歳でした。

今年のMr.日本では平均年齢は38.87±13.25歳、決勝進出者の平均は35.25±9.11歳、12位以下の選手の平均は39.95±14.18歳でした。

これを地方のブロック大会で見てみると、今年のMr.関西では出場者の平均が37.03±12.24歳で決勝進出者の平均が37.42±12.08歳、12位以下選手の平均は38.67±12.63歳でした。
出場者のトレーニング歴は平均11.32±9.20年で、決勝進出者の平均は11.17±7.67年、12位以下の選手の平均は12.52±10.53年でした。

これらの数字から単純に考察するならば、ボディビル競技は30代中盤~後半あたりに競技力がピークに達してそのピークが40代前半頃まで維持されるというのが標準的なのではないかと考えられます。
またMr.関西の上位進出者のトレーニング歴が平均11年ほどであることから、20代中盤からトレーニングを開始した人が30代中盤~後半にブロック大会で戦えるだけの競技力に達した、あるいは維持しているというパターンが多いのではないかと考えられます。

つまりボディビルという競技は他の競技に比べて、開始する年齢が遅い傾向にあるということ、そして他の競技では引退するような年齢になってからでも競技力を高めることの出来る競技であると言えると思います。

さてこのような前フリから今回私がどんな話をしたいかというと
「ジュニア期に勝ったからといって傲らず」
「ジュニア期に負けたからといって腐らず」
一般の部でも競技を頑張ってくださいよ!
ということです。

【発育発達過程での個体差>ボディビルトレーニングでの効果】

どんなスポーツでも同じですが、全国中学生大会で優勝できるのは中学生の間だけです。
インターハイや高校選手権で優勝できるのは高校生の間だけで、大学選手権に優勝できるのは大学生である間だけです。
ですのでジュニア期の成績というのは期間が限られている
「◯◯歳までにどれだけ強く上手くなったのか大会」
とも言い換えられます。

生まれてから◯◯年間、という期間が限られている中での勝負ですので一見、公平で平等な勝負をしているように見えます。
しかしながらジュニア期にスポーツをそこそこハイレベルで行っていた人なら分かると思いますが、実際には人間は発育発達の過程で身体の成熟度に大きな差が生まれます。

小学校の時に既に成長が止まり、早くから大人のような身体になっていた人もいれば、高校3年生ぐらいから身長が伸び始めるような人もいたはずです。
3月生まれと4月生まれでは小学校の時は1学年分身体の成長度合いが違っていたはずですし、小さいときからスポーツをするような環境に生まれた人と運動とは縁のないような環境にいた人では、小学校や中学校時代の体育の授業ではパフォーマンスがかなり違っていたはずです。

早熟型もいれば晩熟型もいて、遺伝的な資質や生活環境なども加味すると、同じ国の同じ地域に住む同じ人種であっても身体の成長度合いというのは完全に横並びの平等なんて事はありません。

であれば生まれてから年数が同じか近いからといって人間の持つ身体能力が横一列にそろっているというわけではなく、むしろ年齢が若ければ若いほど「まだそろっていない」「まだ追いつけない」「追いつくだけの時間が経過していない」
「元々の個体が持つ差がトレーニングによる効果の差よりも大きい時期」
であるとも考えられます。

というわけでジュニア期の身体の大きさや筋力、瞬発力や俊敏性など様々な体力要素には個体差があり、むしろジュニア期の差のほうが
「生まれ持った資質」や「環境」
による差である可能性が高く
「努力」や「頑張っているかどうか」
の差ではない可能性があると私は考えます。

【ボディビルの持つ競技特性とジュニア期での差】

例えば20歳の時点でコンテストに出場する人で、16歳からトレーニングを開始した人と18歳からトレーニングを開始した人がいたとします。
前者のトレーニング歴は4年、後者のトレーニング歴は2年です。
つまり20歳の時点ではトレーニング歴でいうと前者は後者の倍(200%)で後者は前者の半分(50%)ということになります。

しかしこの2人が40歳まで競技を続けた場合は前者がトレーニング歴24年で後者が22年ということになりますので、前者は後者の109.09%で、後者は前者の91.67%となり、その差は10%未満となります。

つまり何が言いたいかというと、どんなスポーツでも言えることですが、ジュニア期であれば
「何歳から始めた」
というのは大きな「差」を産む要因であるのは間違いないのですが、年齢が上がるにつれてその「差」がもつ「効果」は徐々に薄れていきます。

特にボディビルのような
「競技力を向上させるために長い年月を要する」
「30代後半で競技力がピークに達するのが一般的」
という特性を持つ競技においては、ジュニア期の競技力の差が将来的な「完成時の差」に与える影響はそこまで大きく無いのではないかと私は考えます。

しかし、残念ながらどの競技でもジュニア期に好成績を収められなかったことで
「俺には才能がない」
「負けてばかりで楽しくなかった」
と、競技生活を終えてしまう人が多いと思います。

ですので、これはボディビルに限らず全てのスポーツでジュニア期に思ったような成績を残せなかった人に言いたい事ですが

あなたが今、競技を始めてわずか数年で同い年の子や1~2学年下の子に負けてしまったのは、あなたが努力不足であったり、才能がないわけではなくて、ただ単に
「先に始めましたアドバンテージ」や「良い環境に生まれましたアドバンテージ」の差を埋める時間が無かっただけかも知れませんよ。

ということです。

特にボディビルのような、競技力を向上させるために時間がかかる特性を持つ競技であれば尚更です。
※もちろんナチュラルの話ですが。

【経験競技アドバンテージ】

ボディビル競技において競技を開始する前の「環境」「経験」が、その後の競技力に与える影響は様々ありますが、最も大きいと考えられるのはボディビル以前に行っていた競技による影響でしょう。

例えば自転車競技やラグビーのフロントロー、ウエイトリフティング、スピードスケートなど下半身に高負荷がかかる競技特性を持つ競技アスリートの中には、Mr.日本クラスのボディビルダーよりも太く立派な脚をしている選手がいます。
また体操競技の選手やボート競技の選手、柔道選手など「引っ張る」力を必要とする競技特性を持つ競技アスリートの中には、翼のように広がる立派な背中をしている選手がいます。

私も実は中学・高校と柔道を囓っていた関係で、大学でウエイトトレーニングを始めた当初、ロッカールームで師匠に背中の広がりを褒められてボディビルの世界へ足を踏み入れるきっかけとなった、という経験があります。
当時は柔道をやめてウエイトトレーニングを開始したばかりで、体重は90kg無いぐらいでしたが、懸垂は反動を使えば50回ぐらいなら連続で出来ましたし、ベンチプレスも最初から100kg程度は挙がりました。

これは中学・高校である程度のレベルでスポーツをした経験がある人は分かると思いますが、全く特別なレベルではありません。
私は東海大学の体育学部でしたので、色んなスポーツで高校時代までに全国大会の上位に入賞している選手が沢山いました。
ウエイトトレーニングなどやったことはなくとも、競技練習内で受ける過負荷によって、信じられないような筋発達を遂げているアスリートを沢山観察することが出来ました。

「彼は腕だけならMr.日本でも通用するな」
「Mr.日本でもなかなかお目にかかれない脚だな」
「カーフだけならオリンピアクラス」
「あと5kg絞るだけで日本クラス別の予選を通るんじゃね?」
「生まれて初めてのデッドリフトで220kgをめちゃくちゃなフォームであげる奴」
「120kgのスクワットで潰れた人のバーをそのままフロントレイズのように振り上げてラックに戻す奴」
「練習サボってラーメン食って酒ばかり飲んで煙草を吸ってパチンコに溺れているのに腹筋は常に渓谷のように深い6パック」
こういう羨ましすぎるナチュラルなモンスターが沢山いたわけです。

ですので他競技経験によるアドバンテージを持ってボディビル界に入ってくる、言わば
「侵略者」
がどれほど恐ろしいのかよく知っています。
小学校や中学校から全国大会が用意されているようなメジャーな競技で、子供の頃から競い合い鍛え上げられ、地区大会から全国大会まで続く競争の中で育ち、場合によっては国際大会まで経験しているような選手は、いくら年齢が同じとはいえ普通に体育の授業とサークル程度の部活動をしているようなレベルの人とは筋肉量に大きな差が生まれています。

また肉体的な「苦痛」に対する耐性も備わっていることからウエイトトレーニングを開始した初期段階でも
「追い込む」
事に対してハードルが下がっていることも事実でしょう。
こういった経験競技による初期アドバンテージが色濃く影響するのもジュニア期の特徴と言えます。

ジュニア期の競技力の優劣は
「そこまでどのように育ったのか?」
による元々の差が大きく反映されている場合があるため、例え負けてしまったとしてもそれは
「ボディビルダーになってからの差」
「ウエイトトレーニングでの量や質の差」
「栄養管理や生活の中で己を律した差」
だけではない可能性が高いと私は思います。

【内面的な資質】

ボディビルダーとしての資質は様々あり、いわゆる内胚葉型・外胚葉型というような体型・体質的な話から身長や手足・鎖骨の長さなど骨格的な話、そして前述したとおり育った過程でのスポーツ環境など色々と考えられますが、実は勉強が出来る人はボディビルも向いているという話もしてバランスをとっておこうと思います。

このコラムを読んでくれているような皆さんは既にお分かりだと思いますが、ボディビルとは科学です。
自分自身の身体を駆使した膨大な実験データを収集し続けた末に、たった1人の自分自身のための結論を導き出す研究活動に他なりません。

もちろんフィジカル的な資質を持ち合わせて強度の高いトレーニングを実施する「瞬発力」も大切ですが、それよりも計画を実行し、やり抜く「持久力」も必要です。
そしてその「持久力」を支えるのは「我慢強さ」「忍耐力」「信念」といった非常に体育会っぽいメンタル面の強さだったりします。

計画を立てて、やると決めたことを最後までやり抜く力は確かにスポーツでも身につきます。
必ず毎日居残り練習でシュートの練習を100本するとか、ゴールキックが10本入るまで続けるとか、毎朝5km走る、毎日寝る前に腕立て伏せを300回やる、部活が終ってから追加でジムやスクールに通って個人練習をするなどなど、当然忍耐力が鍛えられその中で自己管理能力や生活習慣も身に着くでしょう。

しかしそれは毎日必ず単語を100個覚えるとか、過去問を3問解いてから寝るとか、毎朝電車の中で必ず1時間リスニングの問題を解くとか、参考書を覚えるとか、学校が終ってからも予備校に通ってライバルと競い合いながら成績を上げるとかでも同じことで、目標に向かって計画を立てて継続して実行していくことは同じです。

例えば学生ボディビル界において、東京大学B&Wは名門中の名門として知られています。
もちろん東大にもフィジカルが優れた状態で入学してくる学生はいると思いますし、勉強しなくても合格できたという別次元の個体も存在するとは思いますが、多くは義務教育から始まり全国民が等しく機会を与えられた「勉強」を最後までやりきり受験で勝ち上がった、勉強版のトップアスリートだと思われます。

そのため、彼らは内面的にはトップアスリート以上にボディビルに向いている資質があり、淡々とトレーニングと栄養摂取を妥協無く積み上げた結果、3~4年次には頭角を現してくるのではないかと思います。

 【まとめ】

ジュニア期の勝敗は
「◯◯歳までにどれだけ競技力を向上させられるか?レース」です。
しかし発育発達の過程で生まれる成長の個体差から、必ずしも「同じ◯◯歳」だからといって生じた競技力の差が「頑張ったかどうかの差」だけではないと私は思います。
また「持って生まれた才能の差」「与えられた環境の差」だったとしても、その差は年齢を追うごとに薄まってゆきボディビルダーとしての完成を見るころには、ほぼほぼ無くなってしまっている差かも知れません。

さらにいうとジュニア期のボディビル界は非常に参加者の少ないマイナーな競技のマイナーな区分であることから、たとえ勝ったとしても他競技には自分よりももっと素質に優れたタレントがいて、そいつらはいつ筋トレに目覚めてボディビル界に「侵略者」として乗り込んでくるかも知れません。

以前は情報が少なかったぶん、他競技のアスリートにはボディビルダーほどの栄養管理やトレーニングの科学的な情報が伝わりづらかったと思います。

私が学生の頃などは他競技アスリートに対するトレーニングセミナーや栄養セミナーは、おおよそボディビルダーからすれば「当たり前じゃん」「月ボとアイアンマンとM&Fを定期購読しておけばそれぐらいわかるだろ」ぐらいの内容でしかありませんでした。
しかし現在は他競技アスリートもインターネットを使ってそれらの情報に簡単にアクセスし身体づくり・コンディショニングのための「正しい食事」「正しいトレーニング」「正しい生活習慣」を知ってしまっています。

アスリートにとって正しい情報を得やすい世の中になったぶん、どの競技も昔ほど「いい加減なスタイル」で勝ち残れないレベルになっていると思います。
つまり「侵略者」に対して「知識」という部分ではボディビルダーが持っていた優位性は既に失われ、差が出るのは「実行力」に移行しているわけです。

話を元に戻しますと、ジュニア期に好成績を収めた人は、これに満足することなく今後現れるであろう他競技から参戦してくるタレントたちに対して「純度の高いボディビルダー」として立ち向かって欲しいですし、ジュニア期に思うような成績を残せず悔しい思いをした人も、粘り強く続ければその差が埋まり逆転する日が来るのもボディビルの面白いところではないでしょうか?

ボディビルでいうところの学生選手権やジュニア選手権は、長い競技生活をマラソンに例えればスタートから競技場のトラックを何周かしてから競技場を出て一般道に入っていくつかの集団が形成される、最初の4~5㎞ぐらいの距離感だと思います。

「全日本ジュニア優勝」「全日本学生優勝」はもちろん素晴らしいものですが、それはマラソンで例えると最初の数キロをトップで通過したに過ぎず、初期アドバンテージと言える「お前スタート位置良かったやんけ」がまだ効いてる距離と言えます。
学生の間に、あるいは23歳までに勝てなかったとしても続ければ続けるほど初期アドバンテージの差は埋まっていきます。

ボディビルはスタートダッシュで逃げ切れるような短い勝負ではないですし、スタートダッシュだけが評価される世界でもないのです。
後方から1つずつ集団をかわし折り返し地点に差し掛かった頃には意外とトップまでは遠くないことが分かったりします。また途中でリタイアする人も多いため普通に頑張っているだけで気が付けば上位にいるかも知れません。
もちろん後ろから新規参入したスーパーカーのような速さの人に追い抜かれることもありますが、スーパーカーはペース配分がわからずエンストして先に止まってしまったり、止まった後のスピードは並みより遅かったりします。

この奥の深い面白い競技を是非長く楽しんで欲しいと願って今回は終わりにします。
今回も長文を最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

※選手の平均年齢やトレーニング年数などは、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)サイト(https://www.jbbf.jp/#gsc.tab=0)に掲載されております資料を参考に算出いたしました。

文:佐名木宗貴


ベスト記録(ノーギア)
スクワット 245kg
ベンチプレス 160kg
デッドリフト 260kg

戦績
パワーリフティング
・全日本教職員パワーリフティング選手権 90kg級 優勝
・2009~2012年 近畿パワーリフティング選手権 4連覇 75・82.5・83・90kg級4階級制覇
・ジャパンクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 準優勝
・アジアクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 優勝
・東海パワーリフティング選手権大会 93kg級 優勝
・世界クラシックパワーリフティング選手権大会マスターズ1-83kg級 5位
・ジャパンクラシックマスターズパワーリフティング選手権大会83kg級 優勝
・香港国際クラシックパワーリフティング選手権大会マスターズ1 83kg級 優勝
・世界クラシックパワーリフティング選手権大会マスターズ1 93kg級 6位

ボディビルディング
2000~2001年 関東学生ボディビル選手権 2連覇
2000年    全日本学生ボディビル選手権 3位
2011年    日本体重別ボディビル選手権70kg級 3位
2011年    関西体重別ボディビル選手権70kg級 優勝

指導歴
・ZIP スポーツクラブ チーフトレーナー
・正智深谷高校ラグビー部 S&Cコーチ
・埼玉工業大学ラグビー部 S&Cコーチ
・正智深谷高校女子バレーボール部 S&Cコーチ
・正智深谷高校男子バレーボール部 S&Cコーチ
・トヨタ自動車ラグビー部 S&Cコーチ
・関西大学体育会 S&Cコーディネーター
・比叡山高校柔道部トレーニングコーチ

資格
・日本トレーニング指導者協会認定 特別上級トレーニング指導者
・NSCA認定 CSCS
・日本パワーリフティング協会公認2級審判員
・健康学修士

社会活動
・日本ボディビル・フィットネス連盟 アンチ・ドーピング委員
・大阪ボディビル・フィットネス連盟 理事
・関西学生ボディビル連盟 会長

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