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肩関節可動域改善の為のコンディショニング

今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

今回は、肩関節の可動域や機能を改善させる為のリリースとエクササイズについて書いて行こうと思います。

<目次>
・リリースした方が良い筋肉
・肩関節周辺のエクササイズ
・まとめ

リリースした方が良い筋肉

肩関節の動きを悪くする筋肉は大変多くあるので、この一つの筋肉を伸ばしたり緩めたりするだけで全てが改善する、という事はなかなか望む事ができません。

しかし、特に重要で動きに制限をかけやすく、硬まりやすい筋肉もあります。
今回は私の経験的にも重点的にケアをした方が良い筋肉についてご紹介します。

【小胸筋】

小胸筋は大胸筋の奥にあり、肋骨から肩甲骨(烏口突起)に付着します。
機能は肩甲骨の下制や下方回旋と外転、肋骨の挙上です。

肩甲骨の下制や下方回旋はBIG3を行う際にとても重要な働きになります。
特にベンチプレスではその動きが適切に出来るかどうかでフォームの精度が変わり、使用重量の変動に繋がります。

故に、小胸筋が硬くなる事で「上手くフォームが作れない→無理なポジションでトレーニングすることになる→関節や別の筋肉に過度な負担を強いる→痛みや違和感に繋がる」といった事になって行きます。

その様な事を事前に防ぎ、より適切に対象の筋肉に負荷を乗せられたり、動作を円滑に行える様にする為にストレッチやリリースを必ず取り入れて見てください。

ストレッチ方法

壁や柱の横に立ち、肘が耳の横にくる程度の高さに手を挙げます。
その状態から写真の様に手を壁につけ、支点を作り身体を捻ります。

この時、身体は斜め下方向に捻るようにします。
また、力で捻るのではなく、上手く体重をそちらへかけていくようにすると、力みが少なくストレッチ感も感じやすくなります。

これを1回10〜20秒、3〜5回程繰り返すと良いです。

【肩関節後部】

次に、肩関節の後部です。
肩関節の後部周辺には、ローテーターカフと呼ばれる外旋筋群や広背筋、上腕三頭筋など多くの筋肉が密集しています。

それ故、各筋肉のバランスが崩れやすかったり、先記の小胸筋や大胸筋などの拮抗する筋群の過剰収縮によって引き伸ばされた状態で硬まってしまい、上手く機能しない事も多く見受けられます。

従って、こちらも一度しっかりと緩める事で筋バランスを整える事が必要になります。

リリース方法

写真の様に横になり、腕を90〜120度程度の位置に置きます。
次に、テニスボールやトリガーボールなどを肩関節後部に当たるように置きます。
やや半身の状態を作り、硬さを感じる箇所や普段痛みや違和感を感じている箇所を探し、痛気持ちいい程度の圧をかけていきます。

強く圧をかけすぎて痛みが強い場合は逆効果になりますので、その点はくれぐれも注意してください。どうしても圧をかけると痛い場合は、タオルなどをボールと身体の間に挟んで緩衝材として利用すると圧の調整が可能ですので、お試しください。

1箇所約30〜60秒程度リリースしたら少し場所をずらし同じように硬さが強い部位を探し、それを繰り返すといった感じです。

もちろん同じ箇所を数回に分けてリリースすることも良いと思います。

肩関節周辺のエクササイズ

◉ウォールスライド

ローテーターカフと言われる肩の後ろのインナーマッスルのトレーニングになります。
まず、写真の様に壁を背にして立ち、肘を90度に曲げ、手の甲や指を壁につけます。

その状態から、手の甲や指が壁から離れないようにして腕を上へ伸ばして行きます。
出来る所まで伸ばしたら、元の高さまでやはり手の甲や指が壁から離れない様にして戻します。動きはシンプルですが、見た目以上に辛い方も多いと思います。

注意点はなるべく首を長くして肩をすくめる動作が出ないようにする事です。
また、肩関節の外旋が弱い、硬い方は手の甲や指を壁につける際に腰を反ってやろうとするので、お腹に力を入れて過度に腰が反らないように注意してください。

回数は10回2〜3セットが目安です。

◉プローンショルダープレス

このエクササイズはローテーターカフに加えて、肩甲骨周辺の筋肉も多く使います。

写真のようにタオルやチューブ、棒などを持ちうつ伏せになります。
スタートポジションはおでこを床につけた状態でバンザイの姿勢を作ります。

スタートの状態からタオルやチューブが緩まないように気をつけながら写真のように動きます。

肩甲骨の間や肩関節後部の筋肉の動きを意識して行うと効果的です。
よく起こるエラーは首や肩をすくめる動作なので、首を長くする意識を持ちながら出来るだけ気をつけましょう。

硬さが強い方は、手幅を広げて無理せず行うようにしてください。
回数は10回2〜3セットが目安です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
肩に痛みや違和感を抱えている方は勿論ですが、よりコンディションが整った状態でトレーニングに臨みたいといった方もぜひ取り入れて頂くと良いと思います。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

栗原 弘教

お知らせ

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◉高重量を扱う為、競技スポーツに役立つ肩甲帯コンディショニング方法- Mobilityドリル編
◉高重量を扱う為、競技スポーツの為に役立つ肩甲帯コンディショニング方法 -ケア編-
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東京都 Training-studio“Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
公式大会ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  300kg
ベンチプレス 192.5kg
デッドリフト 285kg
トータル   770kg

シングルベンチプレス 190kg

戦績
世界クラシックパワーリフティング選手権大会 出場1回
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 出場7回 優勝2回
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場3回 最高位 8位

2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立(当時)
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位
2021 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
2021 東京都パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット280.5kg、デッドリフト275.5kg  東京都記録樹立(当時)
2021 東京都ベンチプレス選手権大会 105kg級 優勝
2022 東京都パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット300kg、デッドリフト285kg  東京都記録樹立
2022 世界クラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 16位

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