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産後から全国大会出場への道のり(標準記録取得編)

読者の皆様、こちらのコラムに足を運んで頂きありがとうございます。
SBDコラムニストの福田彩です。

暑い日が続きますが皆さまいかがおすごしでしょうか。
今年の夏は娘が家プールのデビューをしました。
始めは怖がっていましたが、今ではホースを見ると自ら水をかぶりにいく位好きになっています。そのはしゃいでいる姿をみて癒されています。

今回は産後から全国大会出場への道のり(標準記録獲得編)のお話を書かせていただきたいと思います。

産後のトレーニング再開時期

◎産後~2ヶ月
出産時に会陰切開しているのと、骨盤がまだ安定しておらず歩きづらく、外出もあまりしない状態でした。こんなにも動けなくなるのかと自分でも驚きです。前みたいに動きたいという気持ちや、前のように戻るのかなという焦りも出てきましたが、この期間は、今までの自分の体力や筋力のことは忘れて一からやろうという気持ちで行いました。
寝ながらできる産褥体操から始まり、ストレッチ、骨盤底筋群、お尻回り、腹筋、の筋肉をゆっくりと動かしていくことを意識しました。
骨盤ケアは出来るだけ早くしたほうがいいということだったので、産後から骨盤ベルト、接骨院は1ヶ月経過してから通い始めました。

◎2ヶ月~
・スクワットやデッドリフト
自重→シャフト→重量つけて、痛みがないかチェックしながら、抱っこ、授乳、育児で膝と腰を酷使しているので無理ない範囲で行っていきました。
・ベンチプレス
妊娠前によく手首が痛くなっていたこともあり、81cmラインに人差し指での練習ではなく、しっかり腕から肩甲骨にかけて重さの乗る81cmライン中指で。
自力をつけるため、トレーニング時間を設けるのが難しいので極力時間を短く済ませるため足上げで。

産後初大会(標準記録取得)


◎産後9ヶ月で産後初大会
久しぶりの大会なので、まずはベンチプレス大会で標準記録をとり、その後体力が大丈夫であれば全国大会へ出たいなと思っていました。全国大会へ出ると仮定すると8月の埼玉県ベンチプレスか、11月のパワーリフティング大会のどちらかへ出場することにしました。
8月はまだ産後6ヶ月で気持ちも体力もまだ大会で出る気力が出ず、11月頃には産後11ヵ月で産後のチャレンジで出てみようかという元気さも出てきていたのでエントリーしました。

◎階級の選択
妊娠ピークの59kgから産後少しずつ体重は減りましたが、51kgからなかなか減らないのと、完全母乳なので急激な減量はしたくないということで、今回は47kg級ではなく52kg級で出場することにしました。

◎練習内容
・スクワット&デッドリフト
[産後ストレッチする時間をほとんど設けなかったこと]
[トレーニングがしたい気持ちがまさりストレッチの時間を省いたこと]
[子供の抱っこやお世話での動作で尻・ハムストリングを使わず四頭筋を酷使した動作をしたこと]
これらが重なり、四頭筋が階段の登り降り、屈伸だけでも膝周りに激痛が走るようになってしまいました。このようなことが起きたので下記のようなメニューの組み方をしました。

【メニュー】
●トレーニングではなくストレッチを優先
●練習は週1回にしてその時できる重量
●大会1か月前から徐々に重量を上げる

*大会4週間前
 予定第1試技-20kg重量×3rep×3set、補助トレ8rep×2set
*大会3週間前
予定第1試技-10kg重量×3rep×3set、補助トレメイン-10kg×5rep×1set
*大会2週間前
予定第1試技重量×2rep×2set、補助トレなし
*大会1週間前
 予定第1試技重量×1rep×1set、補助トレなし

・ベンチプレス
足上げベンチの練習はブリッジをそこまで組まないので腰が痛くならなかったり、足上げベンチの調子が良いのもあり、基本は81cmライン中指足上げベンチのトレーニングで、大会に近づくにつれてグラデーションの様に足上げからパワーフォームのボリュームを増やしていき、押しの強さも残しながら、足の連動性をつなげて仕上げていきました。

【メニュー】
●練習は週4回
*MAX重量持つ日&セット行う日1回
*セットしっかり行う日2回
*重量軽くする日1回
●大会1か月前から中指、足上げナローからパワーフォームへ徐々にシフトチェンジしていく
*大会4週間前~3週間前
MAX重量の時のみパワーフォーム、その他足上げナロー
*大会2週間前~2日前
全ての練習パワーフォーム

◎試合当日
久しぶりの大会だったのですが大会前日まで、大会のことより当日の娘の食事や授乳をどうしようかなということで頭がいっぱいだったので、試合のことを考える暇がなくそこまで緊張せず翌日に。
大会会場に到着し、アップが始まってから久しぶりのあの大会の緊張感が来ました。懐かしい。
試合が始まると緊張はしましたが、いつものように集中して試技に挑めました。
娘がいるので、
SQアップ→SQ試技→授乳→BPアップ→BP試技→授乳→DLアップ→DL試技
という感じでノンストップだったので疲れるかなと思いきや、楽しくてテンションが上がっていたのか疲れは感じず試合を終えることができました。

◆試合結果
52kg級(bw50.4)
SQ 80kg-85kg-90kg
BP 70kg-75kg-80kg
DL 80kg-90kg-100kg

大会の試技の様子
スクワット 90kg 第3試技
ベンチプレス 80kg 第3試技
デッドリフト 100kg 第3試技

産後11ヵ月での試合結果は、まだまだ自分の自己ベストには程遠い結果ですが、9試技成功や久しぶりの試合なのでまずは出場、そして“楽しむ”ということをクリアできてよかったのです。

さいごに

コロナや妊娠出産で長い期間大会へ出ていなかったのですが、自分を表現できたり、パワー、ベンチを愛する仲間に逢えたり、個人競技だけどみんなで試合している感じが、やっぱり大会は面白く楽しい!と感じました。
試合までの練習時、娘の子守を助けてくださった皆様、試合中ずっと娘の子守をしていた主人、周りの方々に感謝でいっぱいです。いつもありがとうございます。

◆コラム執筆者

福田 彩
埼玉県ストロングライン所属
B.T.S.L FITNESS

ベスト記録(ノーギア)
・スクワット 102.5kg
・ベンチプレス 82.5kg
・デッドリフト 137.5kg
・シングルベンチプレス 82.5kg

戦歴
【2017年】
さいたま市パワーリフティング選手権大会 47kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 47kg級1位
【2018年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級2位
世界クラシックベンチプレス選手権大会 47kg級5位
世界クラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級9位
【2019年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級2位
アジアパシフィック大会パワーリフティング部門 47kg級2位
世界クラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級9位
【2020年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級3位

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