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国体、世界クラシックへ向けて行っているピーキングについて

今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

今回は、国体、世界大会へ向けて行っていたピーキングや練習内容について書いて行こうと思います。これから大会を控えている選手の方のご参考になれば幸いです。


<目次>
・国体の中止、世界クラシック出場辞退について
・ピーキング方法について
・現在のピーキング状況
・まとめ

国体の中止、世界クラシックの出場辞退について

まず初めに、ご存知の方も多いかと思いますが、今年予定されていた三重とこわか国体は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて急遽中止が決定しました。

パワーリフティングは公開競技として正式競技の前に実施される事から、当初は実施するとの発表があった矢先の中止で競技者の立場からは大変残念ですが、現在の感染拡大状況を鑑みると致し方ない事も十分に理解しています。

そして、9/23-10/3にスウェーデンで開催される世界クラシックパワーリフティング選手権大会へも出場予定でしたが、感染状況など様々な事を考えた結果辞退する事にしました。
ご声援を頂いておりました皆様、本当にありがとうございました。

日本代表として世界大会へ出場する事がパワーリフティングを始めた時からの大きな目標だったので、とても残念です。ですが、更に強くなった状態で来年こそは世界の舞台に立ちたいと思います。

ピーキング方法について

さて、上記の通り国体、世界クラシックと主要な大会がなくなってしまいましたが、ピーキングは継続中です。(9月3日時点)

今回の様に予定していた大会が直前でなくなってしまった場合は、個人個人で判断は異なると思いますが、可能であれば私はしっかりとピーキングを継続し1RM測定をした方が良いと考えています。(*次の出場予定大会などとの兼ね合いを見て)

理由としては、今まで予定していた大会日に合わせて全てのトレーニング計画を立てているので、その効果測定としてしっかりと結果を出す事で現状の把握と実施してきたトレーニング内容の良し悪しを精査する事ができると考えているからです。
*大会とは詳細の条件が異なりますが、一定の成果は出せます。

今回のピーキングブロックは、4週間+1週間の調整週を入れた合計5週間です。
1週間での各種目の実施回数は、スクワット2回、ベンチプレス3回、デッドリフト2回です。

細かな重量設定などの説明は省きますが、各種目メインの高重量の日とサブの低重量の日に分けて行っています。個人的にとても重要視している事は、この高重量と低重量にどの程度差を持たせて行うか、です。

ここは個人差がとても大きく影響するので大会事にトライ&エラーを繰り返して自分に合った割合などを見つけていく事が大切です。

この様に、1RMを伸ばしていく事を目的にする時、ピーキングに限らず「自分にとってどの程度の割合(パーセンテージ)の重量と回数を選択するか」が大切になってきます。

一つの基準として、ピーキング時の高重量の日は初心者であれば1〜3回でおおよそ90%以上、中級者から上級者であれば同回数で85%以上の重量を扱う事が必要かと思います。

その重量に対して軽めの日を設定している場合は、マイナス何%すれば調子が上向いて行くのかを考えてプログラムや計画を組んで行くと、自分に最適な重量でトレーニングを進める事が出来ると思います。

現在のピーキング状況

記事を書いている現在(9月3日時点)は、ピーキング3週目です。
現在の各種目の進捗状況は下記の様になっています。

【スクワット】
推定1RM 1週目:275.6kg 2週目:296.3kg 3週目:285.4kg

【ベンチプレス】
推定1RM 1週目:188.6kg 2週目:184.6kg 3週目:186kg

【デッドリフト】
推定1RM 1週目:262.6kg 2週目:284.7kg 3週目:284.9kg

私の場合はTop singleという重い一発を必ずメインのトレーニングの日には持ちます。
その一発の重量の挙がる感覚をRPE(自覚的運動強度)で評価し、その日の推定1rep Maxを算出しています。

上記の記録を見てもお分かり頂けますが、1rep maxはその日その日で変化します。
1rep maxは体調や様々な要素によって変動するものなので、先程の様にして推定1rep maxを算出し、その数値を元にその日によってメインセットの重量をコントロールし、オーバーシュート、オーバーワークをしない様に常に強度などをコントロールする事を心がけています。

RPEベースのトレーニングでは、その様にコンディションに合わせて重量を決定していけるので、怪我のリスク低減やピークアウトを防ぐ事に繋がったりと利点が多くあります。まだ取り入れていない方はぜひ一度検討しても良いと思います。

私が提供しているオンラインコーチングのコースでも、全て上記の様にRPEベースでトレーニングの強度などをコントロールして行って頂いています。

ピーキングの進捗状況に話を戻すと、私の現在の試合ベストがスクワット290kg、ベンチプレス185kg、デッドリフト275.5kgとなっています。そして、今回のピーキング目標はスクワット295kg、ベンチプレス190kg、デッドリフト280kgに設定しています。

先程のピーキング状況を見ると、今日時点ではスクワットとデッドリフトは目標達成確率は60%程度、ベンチプレスは50%程度の感触と行ったところです。

このまま大きな問題なくピーキングが進めば、今よりも出力は上がっていくはずなので、目標達成確率も上昇してくるはずですので油断せずコンディションを維持していきたいと思います。

ピーキングの進捗状況や練習の内容、動画などは主にInstagram(アカウント名:hirokurihara)に投稿しているので、もしよろしければフォローして頂けると幸いです。

1RM測定の日は国体試合予定だった9月19日なので、もうひと頑張りしたいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は私の行っているピーキング方法の概要をお伝えさせて頂きました。

大会初出場の方や経験が少ない選手の方などはどの様にメニューを組んだ方が良いかわからない、迷っているという事も多いと思います。少しでも今回の内容が参考になれば幸いです。

また、オンラインコーチングでも個人個人に合った内容でプログラムの提供もしておりますので、ご興味のある方は一度ご検討頂けますと幸いです。
Master Mindオンラインコーチング

最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

文:栗原 弘教

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Master Mindではパワーリフティング競技に興味がある方や、BIG3の使用重量を伸ばして行きたい方、身体のコンディションを向上させたい方のご体験ご入会、施設利用をお待ちしております。ビジターパーソナルトレーニングも可能です。

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◉高重量スクワットの為に必要な踏み圧、床反力を得る為に重要になる臀部、足部のコンディショニング方法
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東京都 Training-studio”Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
公式大会ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  290kg
ベンチプレス 185kg
デッドリフト 275.5kg
トータル   745kg

シングルベンチプレス 180kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 出場6回 最高位 優勝
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場2回 最高位 8位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
   *スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立(当時)
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位
2021 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
2021 東京都パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
   *スクワット280.5kg、デッドリフト275.5kg  東京都記録樹立

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