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パワーリフティング大会初出場時に気をつけたい事

今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

コロナ禍ではありますが、パワーリフティングの大会が各地で開催され、初めての大会を控えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんな公式大会初出場の方向けに、大会での注意点などをご説明していこうと思います。

<目次>
・練習はいつまですれば良い?
・大会に必要な物
・当日の試合までの流れ
・まとめ

練習はいつまですれば良い?

さて大会前の練習ですが、いつまで行えば良いでしょうか?
多くの方は大会直前まで行う事が多いのではと思います。

結論から申しますと、「最終調整の方法は個人差が大きいので何回も大会に参加し、自分に合った方法を確立していく」という事が必要です。

しかし何も分からずに、というのは非常に難しいのも現実です。
ですので、今回は一つの基準になればという形でお伝えします。

大会の何日前まで練習をするかですが、大会前3日程度は完全に疲労を抜く為に何も練習は行わない方が良いです。

不安な気持ちからここでも練習をする方が多いですが、個人的には良い結果に繋がらないと思います。理由としては、その数日で劇的に技術や筋力が伸びるという事はほぼありえないと考えているからです。

それよりも、今までに溜まっている疲労を取る為にしっかりと休養し、コンディションを整えて自分本来の力を発揮出来る状態へ持っていく事の方が重要だと思います。
もし試合前に過度に不安になる様であれば、普段の練習が足りなかった、やり残した事などが多かったという事の表れだと個人的には思います。

しかし、それはマイナスな感情ではなく、次の大会への糧になる事ですのでしっかりと受け止める事が重要です。故に、大会前に自分のメンタルがどの様になるのかも非常に重要だと思います。

大会に必要な物

大会に必要な物リストにはどういった項目があるでしょうか?

絶対に必要だろうという物を以下に書き出したので、ご参考にしてください。
JPAルールブックリンク(服装の項目をチェックしてください。)

・シングレット
公認製品でないとコスチュームチェックで弾かれてしまい、出場出来ない事もありますので事前に確認が必要です。(SBD製品は全てIPF公認品です)

地方大会ではシングレット無しでも出場可能な事もありますので、大会要項の服装欄をよく確認しましょう。

・Tシャツ
1〜2枚程度用意しておくと無難です。
こちらも襟付きや滑り止め付きなど使用不可の物もありますので、JPAのルールブックで確認しておくと良いでしょう。(SBD製品は全て規定に準拠しています)

・ベルト
ベルトは大会で使えない物を普段使っている方も多いのでは?と個人的に思う項目なので、やはり一度ルールブックで確認されると良いかと思います。(SBD製品は全てIPF公認品です)

ルールブックにも記載がありますが、地方大会では許可されているベルトもあるので、大会要項と合わせて確認出来ると間違いないかと思います。

・リストラップ
使うか使わないは各々個人の考えがあると思いますが、私は必需品ですね。(SBD製品は全てIPF公認品です)

・ニースリーブ
こちらもほとんどの方が使用するかなと思います。
まずはやはり公認品かの確認を。(SBD製品は全てIPF公認品です)

・ソックス
滑り止め付きは不可なので注意。

・ハイソックス
デッドリフトでは必ず履かなければいけないルールです。

・シューズ
スクワットシューズやフラットシューズで普段使用している物。
こちらもルールはあるので念の為確認を。フラットシューズの足袋靴(*指先が別れている物)や5本指シューズなどは不可なので要確認です。

・液体チョーク
3種全てで使用した方が滑り止めになり、しっかりと力がバーに伝わります。
様々なメーカーで販売がされているので、一度調べて頂くと良いかと思います。
よく使われているイメージは、マムート、べアールなどの主にクライミング用製品ですね。

・ベビーパウダー
デッドリフトの際に太ももなどにつけてバーと身体の摩擦を軽減させる為の物です。
かなり体感は変わるので、個人的には絶対に使うべき物です。(デッドリフトの試技画像などを見ると、太ももが真っ白だったりすると思いますが、あれはベビーパウダーです。)
市販の物であればどれでも問題はないかと思いますが、会場を汚す恐れもあり注意される事もあるので、つける時や取扱などに充分配慮してください。
特につける時は、タオルや新聞紙の上でつける様にして、床に粉が絶対に落ちない様にすべきです。

・タオル類
汗を拭く用、手を拭く用など数枚あると良いです。

・水、軽食類
水は会場近くのコンビニなどだと、他の選手が買ってなくなっている事が多いので、事前に買っておく事がおすすめです。
軽食は検量後のリカバリー食(食べ過ぎ禁物です)、試合中に摂取する物。
おすすめはエネルギーゼリー系や塩分のタブレットなどですね。試合中に固形物を入れると気持ち悪くなる事もあるので、私はあまりおすすめしません。

・コンディショニングツール類
普段使用しているストレッチ器具類(フォームローラーやボールなど)。
チューブやミニバンドなど。

・マット類
体育館で行われる事が多いので、床が硬く冷たいので疲れます。 ストレッチをする時も、ミニマットなどがあるととても便利ですね。
ヨガマットも良いですが、より小さめの携帯し易い物があればなおよしですね。

・ボールペン
試技重量を申請する時に、「試技カード」に重量を記入して運営に出す時に使用します。
試技カードは検量時に渡されます。Lot No.(ロットナンバー)と階級、名前を全部のカードに事前に記入しておかないと試合中に大変なので、検量後直ぐにそれらを記入しましょう。

当日の試合までの流れ

当日は、まず会場入りし検量です。
検量は階級順、ロットナンバー順に指定の時間からスタートします。
呼ばれた時にいない場合は、グループの最後に回される事もあるので、余裕を持って検量室にいきましょう。

検量後、または検量までに時間がある場合は、コスチュームチェックを済ませましょう。
試合で使用する物一式、全てをコスチュームチェック受付でチェックしなければいけません。

ベルト、シングレット、Tシャツ、リストラップ、ニースリーブ、シューズ、ソックスです。
複数使う物はそれも全てチェックが必要です。コスチュームチェックに通っていない物は試合で使用出来ないので、注意が必要です。
(*エルボースリーブは公式大会では使用不可です。念の為。)

無事に検量、コスチュームチェックが済んだら、試技カードに名前、階級、ロットナンバーを全て記入しましょう。先にも書きましたが、これらを事前に書いていないと、試合では試技後1分以内に次の重量を申請しなければいけませんので、とてもバタバタして大変です。

これらが終わったら、軽食を取り、ストレッチとアップをし、試合開始時間まで過ごします。

アップ開始の目安時間ですが、各自でどの程度アップにかけるのかで変わりますが、私の場合は試合開始30〜40分前から始めます。

アップ場では複数人で数台のラックを順番に使用するので、思いの外時間がかかる場合もあります。プレートの付け替えやラック高の変更も原則全て自分でやらなければいけませんので、その点も事前に頭に入れておくと良いですね。

試合開始5〜10分前までには、アップをしっかりと終えられるのがベストかな、と個人的に思いますので目安にしてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
初出場は分からない事だらけだと思いますが、少しでもお役に立てていれば幸いです。

また、先日公開したnote記事

【初心者〜中級者の為のパワーリフティング大会用ピーキングプログラムと試合1週間前の調整方法】という物もありますので、これから大会を控えていたり今後しっかりと大会へ向けてピーキングを行ってみたいという方は、ご参考にして頂ければ嬉しいです。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

次回もよろしくお願い致します。

文:栗原 弘教


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公式大会ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  290kg
ベンチプレス 185kg
デッドリフト 270kg
トータル   745kg
シングルベンチプレス 180kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 出場6回 最高位 優勝
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場2回 最高位 8位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立(当時)
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位
2021 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット280.5kg、デッドリフト275.5kg  東京都記録樹立

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