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自宅で出来るベンチプレス練習(1)

読者の皆様、こちらのコラムに足を運んで頂きありがとうございます。SBDコラムニストの福村彩です。

今コロナウィルスで私達の当たり前と思っていた生活が一変し始めています。
皆様、心身の体調は大丈夫でしょうか。

日々の状況の変化

ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会(以下「JCB」)が終わり5月に予定していた世界大会に向けて練習をしていた時に、コロナウィルスにより世界大会が延期になりました。

状況は日々かわっているので、今を把握し必要以上に心配にならず出来ることをするのが行動としてはベストだと思います。頭ではそれを十分わかってはいるのですが、心の中では心配しすぎてはいけないと思ってしまっているのか、なかなかその様には思えない自分がいました。

色々考えていると、私達は近くには家族、大きく見れば地球という家族がいて、自分そして相手の事を想うと、心配な想いというものは無くせるものではなく、自然に湧き上がってくるものだと感じました。

そしてその想いは、その人を心配しているというより、人という存在を想っている気持ちが大きいことから出てくるものだと思いました。

少し想像してみました。もし私に子どもがいたとしたら、子どもという存在はありのまま全てを信頼しているけど、子供を想う自分の気持ちが心配という表現になっているのかもと。それは子どもでなくても、どの人でもその様なことが言えるのかもしれないと思いました。相手への信頼、自分への気持ち、両方に寄り添える感じがし、その様に捉えると何故か心が落ち着き、冷静になって現状を把握し今出来る行動が見えてくる気がしました。

今出来るトレーニング

冷静になったところで、トレーニングという面を見ると今は自宅トレーニングをすることに努めたいと思いました。
この状況を頂いたのは、今だからこそ出来ることが自分にとって後々活きてくるために与えてもらった環境と感じるのと、普段と違う環境でトレーニングするのは新鮮で楽しいので、自重や家にある道具で出来る事が良いなと思いました。

ベンチプレスのフォームと意識の強化

今回は現在おこなっているトレーニングの中でベンチプレスの“ブリッジ強化”“意識の練習”を紹介します。

◆ブリッジ強化

(目的)
胸の高さ、肩甲骨の位置の安定、肩甲骨全体で重さを受けるというより点で受けやすくなります。

(道具)

①ストレッチポールを利用

(ポイント)
・ストレッチポールを腰の部分に入れるというより、背中の上部に入れ胸骨や肋骨を立てる意識で行います。
・胸骨や肋骨を立てる意識として、息を大きく吸ってゆっくり吐く動作の時に顎を胸に近づけ肩を床につけるとより立ちやすくなります。
・力が入っていると体を柔らかく使えないので、極力力を入れず筋肉をリラックスさせるような意識で行うとよいと思います。

②棒を利用

(ポイント)
・背中の上部に棒を入れて支えている手で背中を押す意識でブリッジを作っていきます。
・腕を狭めて持つより、広げて持つ方が行いやすいと思います。

◆意識を感じる練習

(目的)
高重量になればなるほど、小さな意識の違いが大きな怪我につながると感じたので意識をより繊細にするために。

(道具)

①肩甲骨と背中の意識練習

(ポイント)
・重さを受けてからボトムにいくまで、肩甲骨がどの位置に動いているのか、背中の筋肉の使い方に意識を向けます。
・重量がないので重さより動きに意識を向けます。
・肩甲骨を動かしながら背筋と胸をラットプルダウンやチンニングの時の様な動きをすると肩甲骨の動きも分かりやすくなると思います。

②フロントランジで脚の蹴りの意識練習

(道具)


▲上記の写真は自重での実施例

(ポイント)
・重さを足に効かせるというより、プレスがかかった時に足で蹴るという意識を強くします。
・前に足を持っていくときに極力、前に壁があるとイメージし力が前に逃げない様に意識します。
・プレスする瞬間をイメージしながら蹴る時に、足の裏のどの位置に力が入るのかを繰り返し探ります。この形だと踵より爪先に力を入れた方が蹴る感覚が強くなると思います。

 

こちらは今私の中ではしっくりきている方法なのですが、これが正解なのかはわかりません。
ご覧の皆様にとって、しっくりくると思える一つとしてお役に立てれば幸いです。

最後に

「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」 は、「人生の幸不幸は予測できないものだ」ということを例えたことわざです。
古代中国の『淮南子(えなんじ)』という書物の中にある故事が由来となった言葉みたいです。私はこの故事が好きです。昔の人も今の様な事があったのでしょうか。
今は色々想い悩みますが、大きな視点でみて、この言葉の様にすべてはうまくいくための出来事と感じられたらなと思っています。

■コラム執筆者

福村 彩
埼玉県ストロングライン所属
B.T.S.L FITNESS

ベスト記録(ノーギア)
・スクワット 102.5kg
・ベンチプレス 82.5kg
・デッドリフト 137.5kg
・シングルベンチプレス 82.5kg

戦歴
【2017年】
さいたま市パワーリフティング選手権大会一般47kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス大会一般47kg級1位
【2018年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
世界クラシックベンチプレス大会一般47kg級5位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2019年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
アジアパシフィック大会パワーリフティング部門一般47kg級2位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2020年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会一般47kg級3位

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