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ベンチプレスで痛めやすい腕や肘の原因と改善方法

今月もご覧頂きましてありがとうございます。

SBDコラムニストの栗原弘教です。

 

今回は、主にベンチプレス時に頻発する腕や肘の痛みについてその原因として考えられる事や改善方法をご紹介していきたいと思います。

 

 

<目次>

・ベンチプレス動作で使う部位

・腕や肘を痛める原因

・特にケアすべき重要な筋肉

・有効なケア方法

・まとめ

 

 

ベンチプレス動作で使う部位

 

読者の多くの方も、日々ベンチプレスを行なっているかと思います。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、先ずはベンチプレス動作中に関節や筋肉がどの様に働いているのか?という事を簡単に説明しようと思います。

(*:下半身は割愛します。)

 

 

*肩甲骨・・・・・・・内転+下制、下方回旋

*胸椎・・・・・・・・伸展

*上腕骨・・・・・・・外旋

*前腕(橈骨+尺骨)・回内

*手関節・・・・・・・背屈

 

 

以上の様に各骨や関節は動いて行きます。

 

それに伴い、使用される筋肉は

 

大胸筋、小胸筋、僧帽筋(中部、下部)、三角筋、菱形筋、前鋸筋、広背筋、脊柱起立筋群、多裂筋(胸部・腰部)、上腕三頭筋、上腕筋、円回内筋、回外筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、尺側手根伸筋、長短橈側手根伸筋、インナーコアユニット

 

などが主たるものでしょうか。

 

前腕部の筋肉などは普段聞きなれない物が多いと思いますので、気になる方はお調べ頂くと良いかもしれません。

 

 

腕や肘を痛める原因

 

ベンチプレスを好きで行なっている人は、多かれ少なかれ肩や腕、肘に痛みや違和感を感じた経験があるのではないでしょうか?

 

原因はその方の骨格、筋力、筋肉量、フォーム、柔軟性、疲労度、など多岐に渡るので、1つに限定する事は出来ません。

しかし、多くの場合で先に記した各部位の動きと逆の動作が強くなっていたり、可動域が十分ではなかったり、出力のタイミングなどが崩れる事で局所に少しずつ疲労が蓄積していった結果、「痛みや違和感」として顕在化するものだと思います。

 

今回はその中の一例をご紹介しようと思います。

自分に当てはまると思った方は改善方法までぜひお試しください。

 

 

ベンチプレス中に、肘は屈曲伸展の動作を行います。

加えて、前腕は回内位を取る形となるのですが、この肘関節の屈曲+回内の動作がとても重要になります。

 

肘関節の屈曲と前腕の回内に対して作用する筋肉は

 

◉腕橈骨筋(わんとうこつきん)

 

◉橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)

 

◉上腕筋(じょうわんきん)

 

◉円回内筋(えんかいないきん)

 

◉長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)

 

◉短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)

 

◉上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)

 

などになります。

 

端的にいうと、これらの筋肉がオーバーユースになったり、拮抗筋や協働筋のバランスが崩れる事によって痛みや違和感などに繋がって行きます。

 

 

 

特にケアすべき重要な筋肉

 

上記に挙げた筋肉の中で、特に大切になるのが

 

◉上腕筋

◉腕橈骨筋

 

 

です。

*個人差はあります。

 

 

特に上腕筋は腕橈骨筋や円回内筋などと比べてケアをしている人は少ない印象です。

上腕筋の作用は純粋な肘関節の屈曲であり、前腕の回内位だとより強く働きます。

 

ベンチプレス動作では、初心者程に前腕の回内が過剰になるケースが多く見受けられ、腕橈骨筋、円回内筋と共に非常に疲労しやすい筋肉だと言えます。

 

そして、ベンチプレスの受け(下ろし)動作中に前腕が地面に対して常に垂直である事が理想的ですが、多くの場合曲げ過ぎていたり、お腹側へ倒れ過ぎていたりします。

このどちらの場合でも、上腕筋に対して過剰なストレスがかかる事になるので、痛める事が多くなります。

 

特に、お腹側へ流す軌道を取るベンチプレスフォームの方は、軌道が安定しないと前腕と肘に掛かる負担が大きくなるかと思います。ここはベンチプレスが不調の原因の一つにもなる重要なポイントだったりもします。

 

 

同様に、腕橈骨筋も肘関節の屈曲筋であり、回内位でより強さを発揮する筋肉なので上腕筋と合わせて痛みや違和感を感じやすいです。

 

上腕筋、腕橈骨筋を痛めている場合は、三角筋中部の下あたりから上腕の外側面、肘や前腕の外側に痛みや違和感、強い張り感などを感じる事があります。自分で押してみると思いの外痛みを感じたりするので、ぜひ一度チェックしてみてください。

 

 

 

有効なケア方法

 

 

◉上腕筋

ストレッチ

 

 

写真の様に、床に座り肘を軽く曲げた状態から完全に伸ばす動作を繰り返す。

反張肘、猿手など関節が緩めの方はあまり強く伸ばし過ぎない様に注意してください。

 

10〜15秒を3〜5回程繰り返すのが目安です。

シンプルな方法ですが、上腕筋が硬くなっている方はかなりストレッチ感が強く感じられると思います。

 

 

写真の様に四つん這いの状態になり、手を肩幅よりやや狭くします。

腕を回外+外旋位、掌をしっかりと床につける様にしてから肘を完全に伸ばしていきます。この時体重はややお尻側へかける様にして強さを調整します。

 

10〜15秒を3〜5回程繰り返すのが目安です。

肘や手首に痛みや違和感がある場合は無理をしないで出来る範囲で行なってください。

 

 

◉腕橈骨筋

 

ストレッチ

 

上腕筋と基本姿勢は同様です。

腕橈骨筋のストレッチの場合は、軽く肘を曲げて手の甲を地面につけやや内旋位の状態を作ってから肘を伸ばします。この時体重はややお尻側へかける様にして強さを調整します。

 

 

手首が硬く手首に痛みを感じる方は以前ご紹介した「こちらの記事」をご参考にしてみてください。

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

ご紹介したストレッチ方以外にも、ハイボーラーを使用したり、コンプレフロスやFCM(ファンクショナルカッピングメソッド)などを使用する事もとても有効かと思います。

後々それらの方法もご紹介できればと思っています。

 

可能な限り痛みや違和感なく、長く楽しくトレーニングを継続していける様に今回の記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。

 

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

また次回もよろしくお願い致します。

 

 

栗原 弘教

 

 

 

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ベスト記録(ノーギア)

105kg級

スクワット  270kg

ベンチプレス 165kg

デッドリフト 260kg

トータル   695kg

 

シングルベンチプレス 170kg

一般男子105kg級東京都記録保持者:スクワット265kg、トータル685kg

 

93kg級

スクワット  240kg

ベンチプレス 150kg

デッドリフト 250kg

トータル   635kg

 

戦績

ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高5位

2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位

2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝

*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立

2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会  105kg級 5位

 

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