このエントリーをはてなブックマークに追加

筋肉界の二刀流‼ パワービルダーのススメ前編(ボディビルダーこそ冬はパワーの試合に出よう!!)

【はじめに】

読者の皆様、いつもご覧頂き有難う御座います。

またFacebookなどのSNSを通じても沢山のご意見や感想を頂き、本当に有難う御座います。今年の夏から秋にかけては特に仕事が慌ただしく、なかなか落ち着いて記事を書く時間もとれず、コラムを休載させていただこうかと悩む事もありましたが、皆様からの応援で何とか続ける事が出来ています。

実は今回でこの拙いコラムも40回目を迎える事が出来ました。

飽き性なもので一つの事を継続していくのは本当は凄く苦手なのですが、お陰様で何とか続けてくる事が出来ました。

2015年7月から開始して3年4ヶ月間、見返してみると「なんでこんな事書いたんだろ?」と思うようなつまらない記事も沢山あり反省ばかりですが、今後も自分の力の続く限りは執筆を続けてまいりたいと思いますので、今後ともお付き合いいただけますよう宜しくお願いいたします。

【ご報告①】

それでは毎月恒例となりつつありますご報告からです。

先月末の10月30日-31日の二日間、私が監督を務めます関西大学S&Cクラブが主催するベンチプレス大会が学内の中央体育館内ジムにて開催されました。

この大会は主に学内施設にてウエイトトレーニングを普及させる事で、一般学生の健康増進・体力向上のための意識向上に寄与し、また一般学生と体育会学生との交流の場を作る事で体育スポーツにより興味を持ち、母校を代表する体育会クラブやアスリートを応援する風土を醸成する事を目的として行われています。

非常に小規模な大会ではありますがSBD Apparel Japanにも御協賛いただき、学内トレーニー達にとっては年に一度のイベントとして親しまれております。

先月のコラムでもご紹介させていただきました、学生S&Cクラブ主将の藤井

を中心に準備を重ね、学生主体でイベントを企画し実行してくれました。

昨年までは体重別で競技を行いましたが

佐名木流オフからの復活

今年度はカテゴリーを学年別に変更し

一般学生男子1~2回生の部

一般学生男子3~4回生の部

 

体育会学生男子1~2回生の部

 

体育会学生男子3~4回生の部

 

一般学生女子1~4回生の部(※体育会の非選手マネージャー・トレーナー出場可)

 

体育会学生女子1~4回生の部

(※1:女子は例年参加者が少ないので学年別は廃止。今後女子学生にも広めていきたい)
(※2:関東の大学では1年生・2年生…と呼ぶが関西では1回生・2回生と呼ぶ)
の6クラスで争われました。

また参加者のなかで希望者にはお勧めのトレーニングプログラムを作成し、継続してサポートしていくなど、学生主体のクラブが、このような取り組みを行っている大学は日本ではなかなか少ないと思います。

勿論本業である体育会クラブに対するStrengthやConditioningのサポートも行っています。今後も彼等の活動をサポートしていきたいと思います。

大会参加者の皆さんお疲れ様でした、また来年さらに強くなって挑戦してください!
SBD Apparel Japan、今回もご協賛頂き有難う御座いました。

 

【ご報告②】

続きましてフィジーク大会への出場報告です。

学生S&Cクラブ所属で政策創造学部4回生の山本竜誠が昨年に引き続き「オータムオープンOKINAWAコンテスト」に出場しました。ピックアップには残りましたが残念ながら決勝には進めず7~12位という結果になりました。

昨年のこの大会で4位と入賞し、今年は更なる上位を狙いましたが、春先の就職活動期間に少し脂肪を乗せ過ぎてしまい若干調整が間に合いませんでした。

しかし諦めずに最後まで挑戦する姿勢は皆が認める程ストイックで、クラブの誰もが一目置く存在です。そのストイックさは就職活動でも発揮され、一切の妥協を許さず頑張り続けた結果、希望していた難関業界で内定を勝ち取りました。

沖縄出身で普段はのんびりとした性格ですが、一度トレーニングを開始すると鏡に向かい集中して黙々とターゲットとなる筋肉をパンプさせ続け、また着替えたら優しい笑顔に戻ります。

このようなオンオフの切り替えがしっかり出来るところが彼の良い所です。残り少ない学生生活ですが、コンテストや就職活動に取り組む中で得た知識と経験を後輩達に伝えてやって欲しいと願います。

 

【ご報告③】

最後にベンチプレス大会への出場報告です。

11月18日に行われました大阪ベンチプレス大会にて関西大学学生S&Cクラブ所属で社会学部3回生の若林康平が一般男子74㎏級で2位。

 

社会安全学部1回生の宮本佳樹がJr男子66㎏級で2位という結果をおさめました。

若林は今年から大会に出場し始め、大阪パワー⇒近畿パワー⇒近畿ベンチ⇒国体⇒大阪ベンチと既に5試合に出場し経験を積んでおります。階級も今回から74㎏にあげ、減量から解放された事もあり急成長を遂げております。

非常に研究熱心な男で学業やサポート活動の合間を縫って兵庫や東京、名古屋までセミナーを受けに行ったり有名選手のパーソナルを受けに行ったりと積極的に知識や技術を吸収しようと取り組んでおります。

来年2月のジャパンクラッシックパワーへ向けて更なる進化を期待します。

宮本は最近部に加入したばかりの1回生ですが、元フィギュアスケート選手という珍しい経歴と非常に柔軟性の高い身体を持つベンチプレッサーです。今回も初出場にもかかわらず135㎏をあげ見事にジャパンクラッシックベンチの標準を突破しました。トレーニング歴自体が浅いので、今がどんどん強くなる時期です。来年のジャパンクラッシックベンチへ向けて強化を続けていきたいと思います。

 

【目指せ‼筋肉界の二刀流‼ パワービルダーのススメ】

今月も大変長いご報告で申し訳御座いませんでした。

それでは今月の本題に入ります。

先月のコラムが掲載されてから、今現在このコラムを書き始めるまでの半月ほどの間に、私の思っていた以上の反響がありました。このコラムはSBD Apparel JapanのWEBサイトコラムですので当然読者層もパワーリフティングや重量挙げに興味がある方が多いのだろうと思っていたのですが、どうやらボディビルダーやその他のボディメイク系競技を行っている方々も沢山読んでくれているのだなと認識するに至りました。

そこで今回も私の拙い経験からではありますが、ボディビルディングやフィジーク等のボディメイク系競技者の方々へのご提案とさせていただきます。

テーマは二刀流‼

メジャーで新人王を獲得した大谷選手の話ではなく、筋肉界の二刀流。つまりボディビルやフィジーク競技とパワーリフティング競技の二刀流のお話です。

ご存知の方も多いかと思いますが、私はボディビルダーからノーギアパワーリフターへと転身をしました。その経験をもとにボディとパワーの両方にチャレンジする利点をボディビルダーからの目線で私の経験談を交えてお話ししたいと思います。
毎度の事ながらかなり文量が多くなることが予想されますが、お付き合いの程宜しくお願いいたします。

 

【私とパワーリフティングとの出会い】

では話を進める前に、私とパワーリフティングとの…正確にはノーギアパワーリフティングとの出会いについて少し触れたいと思います。

私がボディビル競技に出場しだしたのは1999年が最初でした。そこから2001年までの3年間は学生連盟の大会へ出場し、2002年はお休みして2003年と2004年は大阪を拠点に社会人大会へ出場しました。

しかし2005年~2007年は生活の拠点を埼玉県深谷市に移し結婚もして子供も産まれた事でボディビルのコンテストからは遠ざかってしまいました。

「ボディビルやりたいな~」と思いながらも仕事も家庭もイッパイイッパイで、どう考えてもコンテストに出場するほどの減量や日焼けに時間もお金も費やす事が出来ませんでした。

「いつかはボディビルにカムバックしてやる」そう思いながらも徐々にやる気が薄れ「もうこのまま普通の人になってもいいか」と自分のトレーニング自体にも興味が無くなっていくのを何とか奮い立たせて「最低限バーベルの基本三種目の重量だけはキープしよう」とスクワットとベンチプレスとデッドリフトだけは気が向いた時にやるようにしていました。

そんなやる気を失っていた時期(2005年~2006年)に不注意から2回ほど大きな怪我をしてしまいます。1回目は仕事中に足首の靭帯を部分断裂してしまい、2回目はストレス発散とダイエット目的で近くの柔道場に稽古に行った際に足の親指を脱臼してしまいました。

2回ともウエイトトレーニングとは全く関係のない所での怪我でした。

そして足を引きずりながら大学や高校のジムで学生達を教えている時に「俺はもしかして本当にこのまま終わってしまうんじゃないか?」「やれる時にやれるだけの事をやっておかないと本当に二度とステージに立てなくなるのではないか?」「なにもチャレンジしないまま時間だけが過ぎていくのは嫌だ」このような恐怖感が頭を過りました。

しかしボディビルにチャレンジする余裕は流石にありませんでしたし、通える範囲に連盟のジムもありませんでした。

当時のボディビルは連盟の登録ジムに所属しなければ大会に出場する事は出来ませんでした。(JBBF以外の団体なら出れるがJBBF以外に出るつもりはなかった)

そこで考えたのがパワーリフティングでした。

パワーリフティングなら個人での登録が可能だからです。

私は学連ボディビル出身ですので、同じ部の中には当然学連のパワーリフティング大会に出場する仲間もいました。

というよりは私がいた東海大学(湘南校舎)のボディビル部はどちらかというとボディビルダーはあまりいなくてパワーリフターの多い部員構成でした。

活動拠点である東海大学湘南校舎の最寄駅は小田急本線の東海大学前駅、そのまま新宿方面に25分行けば相模大野駅です。

相模大野と言えば、言わずと知れたパワーリフティング界の名門アサマトレーニングジムがあります。

そんなわけで東海大学ボディビル部はパワーリフティングに熱を入れる傾向がありました。

そんな中にいましたので当然私も仲間の応援でパワーの試合も何度も見た事がありましたので、パワーリフティングの試合やルールに対して全く知識が無いわけではありませんでした。

ただギアにもの凄くお金がかかったり、自分一人では練習が出来ないというようなイメージが強かったため自分には関係の無い世界だと思っていました。

しかし調べてみると吊りパンとリストラップだけで出場できるノーギアの部というものがあるという事を知りました。(当時はニースリーブは無しでした)

そして仕事との兼ね合いで出場出来そうな大会を探してみると車で1時間ぐらいで行ける、さいたま市で全日本教職員パワーリフティング選手権というものがあるという事を知りました。

「いきなり全日本か…予選とか出てないし無理なのかな?」そう思いましたが問い合わせてみると初めてでもオッケーだというので申し込みをしました。

当日会場に行ってみて気が付きましたが…なんとこの大会は(当時は)フルギアのみでノーギアの部はありませんでした。

なので当然フルギアの中に素人ノーギアが一人という状態で出場してしまいました。

道具もメチャクチャでシューズはバスケットシューズ。

見るからに素人の私を見兼ねて、補助員としてチームで来られていた浅間先生が色々と教えて下さり何とか試合をする事が出来ました。

階級は90㎏級であったと記憶しています。

これもトレーニング不足や、やる気の低下からブクブクと95㎏ぐらいまで太っていた自分に90㎏級でエントリーする事で強制的に5㎏のダイエットをさせようという思いからでした。

結果的にこの大会で優勝してパワーリフティングの楽しさを知ると同時に、トレーニングと規則正しい食生活を取り戻した私は「もう少しダイエットしてみよう」というボディビルダーとして失いかけていた気持ちが湧いてきて、その年の埼玉県パワーと実業団パワーに82.5㎏級でエントリーする事で更に7.5㎏のダイエットに成功します。

こうして再び活動拠点を大阪に戻しボディビルコンテストに復帰する2008年までは主に埼玉県内の大会に出場し、トレーニング意欲と、ある程度の体重・体型をキープするのに役立っていました。

 

【ボディビルダーがパワーリフティングの試合にも挑戦するメリット】

2008年にボディビルコンテストに復帰する為にダイエットを開始してすぐに2004年までの自分にとって弱点だった胸と脚が大きく改善されている事に気が付きました。

特に胸は厚みが無くダイエットするとすぐにペラペラになってしまう傾向にあったのですが、主に大胸筋の外側下部が発達しボテっと重量感がある胸に変わったという手応えがありました。

しかし4年のブランクの間、私がしていた事と言えばベンチプレスだけです。

この2008年も仕事を変えたことで更に忙しくなり、実際には全然ボディビルのコンテストに出場するレベルのトレーニングは出来ていなかったのですが、それにもかかわらず胸が良くなっているのは、パワーリフティングのお陰なのだろうと考え、自分が細々と続けてきた事が無駄ではなかったと思えました。

結局この2008年のコンテストは仕上がり不足で全然駄目だったので、このまま手ぶらで年を越したくなくて近畿ノーギアパワー(もしかしたら大阪パワーだったかも?記憶が曖昧ですが岸和田だったことは覚えています)にも出場して82.5㎏級で2位でした。

このようにボディビルの成績が駄目でも秋にパワーの試合に出て一応表彰状をもらって帰る事で自分の気持ちを納めると共に、75㎏や82.5㎏、90㎏級でエントリーする事でコンテスト後に馬鹿食いして太り過ぎてしまい、翌年の減量がきつくなるという事を多少は予防できました。

またスクワット・ベンチプレス・デッドリフトという基本三種目の重量を年間通して意識する事で、ボディビルコンテストへ向けての苦しい減量中でもこの三種目だけは重量に拘ったトレーニングを継続するようになり、その結果、筋量をキープしながら減量を進める事に役立ったように思います。

ボディビルのトレーニングはターゲットとなる筋肉に「効かせる」という目的を果たすために様々なテクニックを駆使するため、扱う重量も挙上テンポや角度によって変わってきます。

勿論コンテストは見た目が全てですので筋力が無くても扱っている重量が軽くてもステージ上での勝ち負けには関係無いのですが、効かせるトレーニングしかしていないと減量中に純粋な筋力がキープ出来ているのかどうかを計るメジャーとなる種目が無くなってしまいます。

減量中に筋力をキープ出来ているかどうかを知る事はボディビルダーにとって一番大事な筋量をキープ出来ているのかどうかを知るための良い判断材料となります。

つまり減量中の自分のコンディションを知るために役立つのです。

話を戻しますと、最終的には2010年秋の近畿パワーに82.5㎏級で出場し年末までを85㎏以内で過ごし、年始から減量して2011年春の大阪パワーには74㎏級で出場。

ここから2ヶ月間はボディビルのトレーニングに切り替えて6月の大阪クラス別には74㎏程度のコンディションで75㎏級に出場。

更に1ヶ月絞って7月の日本クラス別には70㎏級(72.5㎏から2.5㎏水抜き)で出場し、良い成績を収める事が出来ました。

ボディビルダーにとってオフの過ごし方は重要です。筋量を増やすための試みを行いながらもコンテストシェィプから遥か彼方に遠ざからないようある一定の規制はしておかねばなりません。

規制の仕方は人それぞれで「腹筋の上2段まで薄っすら見えるようにしておく」「縫工筋の上半分が埋まらないようにしておく」という人もいれば「仕上がり体重+10kgまで」「体脂肪率+5%まで」など規制のために設ける基準は様々です。

私の場合は自分に甘い人間ですので見た目の基準では「これぐらいはいいかな?」と妥協してしまい上手くいきませんでした。

毎日身体を見てくれる人がいれば可能だったかも知れませんが、社会人になってからの私はトレーニングパートナーを固定するタイプではありませんでしたし(学生時代は素晴らしいトレーニングパートナーに恵まれていました。またその話は別の機会で)どちらかというと一人で淡々とやるタイプでしたので、ジムでもあまり会話などしないタイプでした。

勿論「脱いでや!」と言われることもありましたが、そもそも人前で脱ぐのが嫌いなのであまり見られたくなかったですし「ボディビルダーはどこでも脱ぐ変な人」と思われるのも嫌だったのでコンテストやポージング練習以外で簡単に脱ぐ選手を見ると「やめてやぁ~俺までそういう人やと思われるやん」と本気で嫌でした。

話を戻しますが、見た目の基準ではなくて明確な数字で「ここまでOK‼これ以上は駄目‼」と線を引く方がコントロールしやすかったのです。

体脂肪計は自宅にも何個かありますが、どれも完璧に正確ではなく結局体重で縛るのが一番簡単で納得がいくのです。

しかしいくら体重で規制すると言ってもコンテストが終わってから1ヶ月2ヵ月と経過すると徐々に初心を忘れ「もう1㎏ぐらい」と甘さが出てしまいます。

またトレーニングもマンネリ化して1年後の目標に向けてなかなか高い意識を保てなくなってきます。

しかしパワーリフティングの試合にエントリーしておけば嫌でも検量体重を超えないように食生活と運動量をコントロールするようになりますし、コンテストへ向けての減量生活でヘロヘロに低下してしまっていた筋力にフォーカスする事で筋力と筋量を増加させながら高いトレーニング意識を保つことが可能となりました。

 

【高重量に挑戦する事で改善が期待される部位】

先に断っておきますとパワーリフターの実践するトレーニングの全てが高重量トレーニングではありません。

むしろ計画的に軽い重量から段階的にフォーム固めをしていく場合が多いのですが、それでも最終的に扱う重量は個々の筋肉をパンプアップさせる事を重視するボディビルダーのトレーニングに比べると高重量であると言えます。

ここでは高重量に挑戦するトレーニングで改善が期待される部位について考えていきます。

私の経験上、パワーリフティングを取り入れる事で最も改善されたのは、前記した大胸筋です。

近年はフリーウエイトだけでなく様々なマシンが設置されているジムが多いのでボディビルダーも大好きな胸を多角的に様々なバリエーションを持って刺激する事が出来ています。

その結果非常に丸みがあり見栄えの良い胸を獲得するビルダーも増えてきました。

しかし一方で昭和の時代に活躍した先輩ビルダー達のようなボテッとした重量感のある胸。

ポージングをしている時に映えるというよりは、普通に突っ立っている時に電話帳でも入れているかのような「うぉっ!」と驚いてしまうような胸は減っているように思えます。

むしろベンチプレッサーの方が迫力のある胸をしている場合すらあります。

私の場合はそもそもトレーニングを始めた切っ掛けが肩や肘のリハビリが目的でしたのでウエイトトレーニングを始めてからベンチプレスを高重量で行うまでに2年ぐらいのロスがありました。

パワーリフティングに取り組むことで自然と高重量を扱う事の出来るフォームが身に付き、春夏はボディビル的なフォーム秋冬はパワーリフティングのフォームで行う事で胸が改善されたのだと思います。

私と同じように胸の発達が遅れている人は、まずはベンチ大会に参加するだけでも良いと思いますので是非検討してみて下さい。

その他にも改善が期待できる部位があるのでご紹介いたします。

 

【背中の厚みと臀部・ハムストリングスの筋量とカット】

ボディビルダーであれば誰もが翼のように広がる広背筋に憧れるものですが
同時に中央部に刻まれた渓谷のような脊柱起立筋からはその選手の生き様を伺い知る事が出来ます。

背中を見せるポーズと言えばバックダブルバイセップスとラットスプレッドと思われるかも知れませんが、一番エゲつない背中をしている選手はステージに歩いて現れた時に分かります。

つまり普通に横を向いて歩いているのに大胸筋が前に飛び出しているのと同じように背中全体が弓のように後ろに盛り上がり、まるで亀の甲羅を背負っているように見えるのです。

このような背中を手に入れたいのであれば高重量のデッドリフトは外せません。

より強い刺激を効率良く得ようとパーシャルレンジでのデッドリフトを行っているボディビルダーは多いでしょう。

床引きのデッドリフトよりも腰痛のリスクは低いのでコンテストの直前等は賢い選択と言えると思います。

しかし床引きのデッドリフトから得られる恩恵は背中の厚みだけにとどまりません。

床引きのデッドリフトをパワーリフティングのフォームで行えば臀部やハムストリングスにも強い刺激を与え発達させる事が出来ます。

現代のボディビルでは絞れているのは当たり前の事です。

コンテストを審査する審査員はどこであなたの絞りを評価するでしょうか?それは勿論、臀部とハムです。

何故ならば最も脂肪が厚く仕上げるのが難しい場所だからです。

コンテストに勝利したいのであれば、臀部やハムストリングスにカットが入らないようでは勝負になりません。

しかしそもそも殿筋が小さくハムが薄っぺらい人はいくらダイエットをしてもカットが見えず「ケツハムを切らなきゃ!」と躍起になり無理なダイエットをして他の部位のサイズまで失ってしまします。

バルクを保ったままケツハムを仕上げたいのであれば床引きのデッドリフトをオフに行う事を推奨いたします。

 

【ボディビルダーがパワーリフティングの試合に挑戦するうえで注意すべき事】

それではボディビルダーがオフにパワーリフティングに挑戦するうえで気を付けなければならない事は何でしょうか?

それは勿論怪我です。

怪我をしないために大切なのは、急に高重量を持つような計画を立てない事です。

徐々にフォームを作り段階的に体を慣らしていくようにしなければなりません。

実はこれはボディビルとは真逆の取り組みとも言えます。

ボディビルの上級者であればトレーニング歴も長く、既に色んな引き出しを持っていますので身体がトレーニングの刺激に慣れてしまわないように、マンネリ化を防ぐために色々工夫をしながら刺激を変えて成長させ続けようと試みるものです。

しかしパワーリフティングは重量を漸進的に増やしていく事で刺激を増やすので、あまり短期間で挙がる挙がらないに一喜一憂するのではなく、ある程度中長期的な計画を立てて実行していく事が必要です。

私も最初は「俺はボディビルダーなんだから自分流で行く」という感じでやっていましたが、すぐにオーバーワークになり怪我をしてしまいました。

最初の目的を見失わず、怪我も防ぐために段階的に重量を伸ばしていく計画を立てましょう。

またボディビルダーはその競技特性からパワーリフターだけでなく他競技のアスリートとも決定的に違うトレーニング感を持っています。それが「どこに効いているか?」です。

つまりトレーニングから得られる刺激がどのパーツに効いてるのか?という事を常に意識してトレーニングを行っていると思います。

そのため3種目に限定すると「大腿四頭筋と大胸筋と脊柱起立筋しか鍛えていない」と誤解してしまいます。

しかしパワーリフティングでは一旦その考えは捨てて逆に「スクワットだけで全部鍛えよう」或いは「全身の筋肉を総動員してデッドリフトを引こう」という考え方を持ちましょう。

例えば「スクワットをやったのに背中も筋肉痛になってしまった。背中の日に影響するやないか」と嘆くのではなく「スクワットに背中の筋肉も動員する事が出来た!両方鍛えられてラッキー!」と考えるようにしましょう。

勿論本業はボディビルですので補助種目として課題のパーツに効かすトレーニングを行うのは問題ありませんが、パワー三種目に関しては可能な限り多くの筋肉を協働させる事で全身に負荷をかけましょう。

 

【本職のパワーリフターになるかどうかはまた別問題】

どんなスポーツでも特異性はあります。

前述したようにボディビルとパワーリフティングは非常に練習環境の近い競技ではありますが、同じトレーニング種目を行っていても、その目的は全く違います。

今回のご提案はあくまでボディビルディング競技に役立てるためにオフシーズンにパワーリフティングのトレーニングを取り入れ、競技会にも参加する事ですが、その延長線上で私のように本職のパワーリフターに転向してしまう事をお勧めしている訳ではありません。

またボディビルダーがパワーリフティングのテクニックを習得し高重量を扱う事は大きなメリットがありますが、あまりにも動きの経済性が追及され過ぎてしまうとボディビルに活かせなくなる事もあります。

あくまでボディビルダーとしてパワーリフティングを行い、細かなテクニックの面では本職パワーリフターから見れば少し下手ぐらいが丁度良いと思います。

 

【まとめ】

如何でしたしょうか?ボディビルディング競技がゴールデンウィーク以降から秋までの約5ヶ月間に集中している一方で、パワーリフティングは春夏秋冬と色んな季節に全国色んな所で大会が開催され、自分の住んでいる都道府県でなくともオープン参加でどこでも出場する事が出来ます。

選手登録も個人登録でOK。

初出場の選手は会場全体でサポートして盛り上げてくれるのでボディビルの殺伐とした雰囲気に慣れている人なら「なんてアットホームなんだ」と驚くと思います。(私はそうでした)

オフシーズンのモチベーション維持や体重のコントロール、また筋力・筋量を高めたい方、特に胸・背・僧帽筋・ハムストリングス・臀部が弱点の方は是非、オフシーズンにパワーリフティングの大会に出場してみて下さい。

きっと新しい世界が広がると思いますよ‼

 

コラムニストやコラム内容についてのメッセージは下記のアドレスまでお送りください。

コラム用メールアドレス: column@sbdapparel.jp

※どのコラム宛かを明記してください。
※お送りいただいたメールの内容は、コラムで取り上げられる事があります。

 

■コラム執筆者

佐名木宗貴
ベスト記録(ノーギア)
スクワット 241kg
ベンチプレス 160kg
デッドリフト 260kg

戦跡
パワーリフティング
・全日本教職員パワーリフティング選手権 90kg級 優勝
・2009~2012年 近畿パワーリフティング選手権 4連覇 75・82.5・83・90kg級4階級制覇

・一般男子83㎏級スクワット日本記録樹立
・ジャパンクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 準優勝
・アジアクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 優勝
・東海パワーリフティング選手権大会 93kg級 優勝

・2018年世界クラッシックパワーリフティング選手権大会 マスターズⅠ83㎏級 5位

・2018年香港国際クラッシックインヴィテーショナル大会 マスターズⅠ83㎏級 優勝
・マスターズⅠ83㎏級スクワットアジア記録樹立

・2018年ジャパンマスターズクラッシック M1 83㎏級 優勝

ボディビルディング
2000~2001年  関東学生ボディビル選手権 2連覇
2000年     全日本学生ボディビル選手権 3位
2011年     日本体重別ボディビル選手権70kg級 3位
2011年     関西体重別ボディビル選手権70kg級 優勝

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する記事