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スクワット前に実施すべき重要なActivateドリルの紹介

皆さま、今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

暑さが本格化し、猛暑が各地で続いておりますので体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

さて、今回はスクワットを行う前に必ずやった方が良いと考えているActivateドリルをいくつかご紹介させて頂きます。

ぜひトレーニングの前に取り入れて、更なる成果を獲得して頂ければ幸いです。

【クラムシェル】

一般の方のボディメイクから、競技アスリートのトレーニングまで広く活用できるエクササイズです。

主に大臀筋を鍛える種目になります。

目的は、

⑴『大臀筋の強化(+Activate)』
⑵『体幹部を固定した状態で股関節外転動作(外側に開く)を行える様にする』

の2点が主なものになります。

特に⑵の目的は、多くの場合意識されていないと感じますが、競技動作やスクワット動作などでは重要な要素になります。ここが上手くできないことで、スクワット時にはニーインし易かったり、股関節のつまり感が強くなったりもします。加えて、代償的な骨盤から体幹部の回旋動作を余計にしなければいけなくなったり、大臀筋の収縮感が鈍くなったりもします。

もし、その様な事がある場合はぜひ取り入れて頂きたい種目です。

大臀筋のトレーニング前に緩めた方が良い部位:内転筋群、腸脛靭帯、腸腰筋、大腿直筋など

チューブやバンドなどを膝上あたりに巻きます。
写真の様に横向きになり、両足を揃えた状態で膝を曲げます。
膝は90度より少し曲がる程度、股関節は45度程度屈曲させます。目安は、足が身体の背面の延長線上にくる程度が良いスタート位置です。

【クラムシェル:スタート位置】

その状態から、下の写真の様に上の脚(写真:左脚)を開いて閉じます。
動きはこれだけでとてもシンプルな動作です。

ですが、代償動作として脚を開く時に上体や骨盤が後ろ側へ開く事が多いです。
しっかりと体幹部を固定して、脚のみ大臀筋を使って開閉しなければいけません。

正しく行えると、小さい動作でとても強い大臀筋の収縮感が得られるはずです。
逆に、間違っている(開いている)場合は、股関節や太もも、脛などが疲れたりして、大臀筋の収縮をあまり感じる事ができません。

【クラムシェル:収縮ポジション】

下の写真は、一見するとしっかり脚が開いていて正しそうですが、上体の回旋動作が入っている、間違ったフォームです。

動きを大きくすることではなく、正しい動きとターゲットの筋肉の収縮感を大切にして行ってみてください。

目安は15〜20回を1〜3セット行うのが良いです。
メイン種目の前であれば1〜2セットで十分ですし、補助トレーニングとして行う場合はしっかりと3セット行うのがおすすめです。

【クラムシェル:間違ったフォーム】

【ヒップアブダクション】

主に中臀筋を鍛える種目になります。

目的は、

⑴『中臀筋の強化(+Activate)』
⑵『股関節伸展位での股関節外転動作(外側に開く)を行える様にする』

の2点が主なものになります。

中臀筋は、立っている時や歩行時に骨盤の傾きを補助・維持し、足の踏み込み時やスクワット時にニーインするのを防いでくれます。
中臀筋は特に弱くなっている、抑制がかかっている場合が多いので、とても重要なエクササイズになります。

中臀筋のトレーニング前に緩めた方が良い部位:内転筋群、大腿筋膜張筋、腸腰筋、腰方形筋など

下の写真の様に横向きから上体をうつ伏せにし、上の脚(写真:左脚)を後ろへできるだけ引いた姿勢を作ります。これがスタート、フィニッシュの姿勢です。

この時に、クラムシェル同様上体や骨盤が開かない様に気をつけてください。
また、膝もできる限り曲がらない方がより効果的になります。

【ヒップアブダクション:スタートポジション】

その姿勢から、下の写真の様に脚が前に出ない様(股関節屈曲しない)にしながら、しっかりと上へ上げていきます。

中臀筋が上手く使えていない方や脚が前に出てしまっている方は、お尻ではなく太ももの側面や股関節周辺、脛の外側などが疲労してきます。

また、腹圧が抜けたり、股関節が硬い人は腰を反って脚を引いたり上下動させる事もあるので、腰に張りを感じやすくなります。その場合は、腹圧を抜かない様に意識する事と、事前に腸腰筋、大腿直筋などを緩めておく事が重要です。

【ヒップアブダクション:収縮ポジション】

しっかりと脚を引いた状態で上下に動かせれば、中臀筋の強い収縮感が得られます。

回数は10〜15回2〜3セットを目安に、クラムシェル同様にトレーニング前、後で目的によって調整をしてください。

【梨状筋エクササイズ】

その名の通り、梨状筋を鍛える種目になります。

目的は、

⑴『梨状筋の強化(+Activate)』
⑵『代償動作なしで股関節外旋動作(外側に捻る)を行える様にする』

の2点が主なものになります。

梨状筋は一般の方にはイマイチ馴染みのない筋肉かと思いますが、坐骨神経痛や梨状筋症候群などと言われる腰痛にあたる項目で耳にする事もあるかと思います。

図:梨状筋

梨状筋は非常に小さな筋肉ですが、多くの方が苦手な股関節の回旋動作に携わっている重要な筋肉です。作用は主に股関節の外旋動作(外側に捻る)ですが、中臀筋同様に上手く機能していない方もしばしば見受けられます。

特にニーインしやすい方や、外反母趾気味、所謂X脚気味の方は弱化しているケースが多いと考えられますので、当てはまる方はぜひ取り組んでみてください。

梨状筋のトレーニング前に緩めた方が良い部位:内転筋群、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、腸腰筋など

下の写真の場合は、右の梨状筋のトレーニングになります。
まず、チューブやバンドをパートナーに持ってもらうか、ラックなどのくくりつけられる場所に固定し写真の様に足首に引っ掛けます。

足首が外側にある状態(内旋状態)から、写真の様にできるところまで内側へ引っ張ります。この時、しっかりとお尻の奥(エクボができるあたり)を使って股関節外旋(外側に捻る)のイメージを作る事が重要になります。
力で引っ張ると、上手く外旋動作ができずにハムストリングや腓腹筋が疲労してしまい、梨状筋の疲労感を感じる事ができません。

やはり動きは小さく、丁寧に行ってみてください。

回数の目安は15〜20回を2〜3セットです。
先記の2種目と同様に、トレーニング前、後に目的によって実施してください。

【梨状筋エクササイズ:収縮ポジション】

まとめ

いかがだったでしょうか?

スクワットで深くしゃがめない方、股関節や膝、足首などに違和感やつまりを感じている方、上手く大臀筋やハムストリングに効かせられないという方は、ぜひお試し頂き継続して行くと、変化を感じられると思います。

次回のコラムでも皆さまのお役に立てる情報をお出しできる様に準備しておりますので、ぜひお読み頂ければ幸いです。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。

 

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コラム用メールアドレス: column@sbdapparel.jp

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■コラム執筆者

栗原 弘教

Training-studio“Master Mind”:https://mastermind85.com
Twitter:@kuririn_h
instagram:hirokurihara
:mastermind2012ebisu

東京都 Training-studio“Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
ベスト記録(ノーギア)
93kg級
スクワット  240kg
ベンチプレス 150kg
デッドリフト 250kg
トータル   635kg

105kg級
シングルベンチプレス 170kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場4回 最高8位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位

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