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エブリベンチプレス 導入編

皆さんこんにちは。ベンチプレッサー鈴木佑輔です。

第二回目となる今回のコラムですが、自分の実践しているエブリベンチの導入について書かせていただきたいと思います。

前回のコラムでも少し触れましたが、過去の自分のトレーニング頻度からエブリベンチに至るまでに、さほど大きな障害はありませんでした。
しかし、多くの皆さんは高頻度のトレーニングを導入するにあたって様々な角度からアプローチし、精神的、肉体的に慣らしていく必要があるかと思います。

エブリベンチの目的と練習時間

まず、一般的に言われる超回復理論ですが、ボディメイクの観点から言えば休息の必要がありますので、理論に間違いはないと思います。
ですが、我々ベンチプレッサーにはベンチプレスにおける競技能力の向上という目的がある以上、高頻度での練習は避けようのない道であるはずです。

つまり、一般的なウェイトトレーニングとエブリベンチの目的は全く別のものであるという認識を持ってください。
さらに、エブリベンチを行いたくても、時間が足りないという方もたくさんいらっしゃると思います。
ですが、エブリベンチを導入することによって実際のトレーニング時間が2倍、3倍に増えるわけではありません。

1回のトレーニング時間が2時間、週2回行っている場合、トータルで4時間ですね。
それを週6回に増やせば単純計算で12時間になります。
さすがにそこまで時間を割いていくことは難しいであろうと予想できます。
そこでエブリベンチ導入に二の足を踏んでしまう人もいるかもしれません。
しかし、エブリベンチで必要なのは長時間のトレーニングではありません。
肉体的にも長時間のトレーニングでは消耗してしまうことが多く、エブリベンチのメリットが生かせません。当然慣れてくれば長時間のトレーニングが可能になりますが、導入時期であれば、下記のことを実践してもらうだけです。

① 出来るだけジムに行く。10分でもOK
② テーマを絞る。
③ 様々なバリエーションを用意する。

以上です。

③ ~③まで逆順で説明していきます。

バリエーションについて

まず③バリエーションについてですが、例えば下記のようなバリエーションが考えられます。
A.5×5ルーティン
B.グリップ幅や速度変化のベンチプレス
C.バンドやチェーンなどを用いた荷重変化
D.伸張反射トレーニング
E.長く止める試合形式
F.その日の気分で行うFUNベンチ

これだけでも6通りのベンチプレスが出来ますね。
従来通りの週2回2時間時間が取れる場合にはA.5×5、E.試合形式など、インターバルを長く取る必要のあるトレーニングパターンを当てはめていけば良いでしょう。
30分くらいの時間であればB.変化型、C.荷重変化、F.FUNベンチのいずれか。10分程度ならばD.伸張反射トレーニングが十分に行えます。
もちろん週6回が無理であれば4回でも良いと思いますし、全てのバリエーションを実践する必要もないと思います。
二か月程度のサイクルで2~3個ずつバリエーションを試してみるのも良いと思います。

テーマについて

次に②テーマについてになります。
これは課題の克服と言っても良いでしょう。
・軽い重量を使ってより洗練されたフォームを作る。
・重たい重量の時に出てくる悪い癖を発見する。
・試合運びを想定した練習をする。
etc…高頻度で行っているからこそ見えてくる課題があります。

課題として表面に出てくることの代表的なものとしては、偏った身体の使い方による癖、それによる痛みなどです。
それから体力面。短い時間で練習するということでいつもよりインターバルが短くなると、扱える重量が極端に落ちてしまったりしますが、それも訓練で克服できます。

80%1RM程度の重量を1回×5セット~7セット、インターバルを1分に決めてやってみるのも良いでしょう。アップも含めて10分で終わります。
体力がつけばより濃度の高い練習が今後可能になります。

スティッキングポイントの攻略なども、前述のCパターンをその日の始めから行うようにすれば明確に鍛えることが出来ます。

低頻度で行うと、どうしても課題克服を一度に行いがちですので、エブリベンチで分散させてその日に挑戦する課題を明確にしましょう。

とにかくジムに行く

最後に、①ジムに行く、ですが言葉通りです。
ジムに行ってベンチ台に寝てシャフトを握ってください。
一回あたりの時間は本当に短くても大丈夫です。
逆に導入初期は早めに切り上げるくらいの心構えで良いです。
ベンチプレスが大好きであれば普段からベンチプレスで頭がいっぱいのはずですよね 笑

これはどうかな、この動きはどうだろう、などと思うことが日常生活ではたくさんあると思いますので、思い立ったら即実行できるように、ジムに行く癖をつけておくことが何より大事です。
日常生活に組み込んでしまえば、そんなに難しいことではないはずですから。

以上、エブリベンチの導入についてお話しさせていただきました。

次回は実践編

次回は実践編です。自分の練習内容にも触れながら、重量設定などのお話を書かせていただきたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。

■コラム執筆者
鈴木佑輔
長野県パワーリフティング協会副理事長
所属 B.A.D.
http://www.bodyartdesign.net/
ジャパンクラシックベンチプレス選手権5連覇
2010年~2015年
2014年アジア・オセアニア選手権MVP
66㎏級ベンチプレス ベスト記録 190.5㎏
日本記録・アジア記録保持
74㎏級ベンチプレス ベスト記録 192.5㎏
アジア記録保持

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