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ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会の結果報告

今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

今回は、3月12-13日に行われたジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会(以下JCP)の結果などについて書いて行こうと思います。

<目次>
・大会結果
・ピーキングについて
・今後の試合予定
・まとめ

大会結果

まず今回のJCPの結果から。

スクワット 第3試技 290kg

ベンチプレス 第3試技 192.5kg

デッドリフト 第3試技 280kg

記録 トータル:762.5kg 優勝

という結果になりました。

今回は昨年の大会と同様に優勝、そして2連覇を目標にしていました。
上記の結果の通り優勝という最高の結果になりましたが、それ以上にとても濃い内容の試合が経験出来た事が自分にとっては大変プラスになったと思います。

2位の田野選手とは2.5kg差と僅差。私がデッドリフトの第3試技を引けば逆転優勝、引けなければ2位という大変緊迫した状況で、280kgを引き切れた事が大変自信になりました。
強いライバルの存在が記録を伸ばす原動力の一つになっているので、来年も良い結果を出せるようにまたしっかりと練習に取り組みたいと思います。

ピーキングについて

今回のピーキングブロックでは、種目全体として後半疲労感は強く出たものの、順調に練習を進める事が出来ていました。ピーキングにおいて、「疲労感は強くなるが、動きは良くなり重量も扱える様になっている。」という流れや感覚が、ピーキングが順調に進んでいるか否かを判定するのには大切です。

ピーキングはいつもと変わらず4週間というブロックで行いました。
大会前のベスト記録が745kgでしたが、ライバルの動向もあり750〜770kg前後の競り合いになると予想をしてピーキングに入りました。

この時点での3種目の目標重量の内訳は、

スクワット:290〜300kg
ベンチプレス:190〜195kg
デッドリフト:280〜285kg
トータル:760〜780kg

と大幅なベスト更新を狙っていました。
私の場合、ある程度上限の幅を持たせた状態でないと競り合いになると後手に回って負けると考えているので、敢えて高めの目標設定にしています。

練習メニューはRPE(Rate of Perceived Exertion/主観的運動強度)をベースに組み立ています。加えて、RPEの主観的な評価にVBT(Velocity Based Training)デバイスを利用した客観的な速度評価を組み合わせてより正確な負荷や強度の設定、疲労の管理を行っています。

VBTの有用性などについてはまた機会をみて説明できればと思います。

ピーキングの大まかな内容は

練習頻度:週6回
スクワット:週2回
ベンチプレス:週4回
デッドリフト:週2回

といった内容になります。
それぞれの日のメニューは、メイン種目後に補助種目を3〜4種目行うといった感じです。

スクワットはフォームの変更をした関係で、今までの感覚としゃがみの深さや切り返しのタイミングがズレていて試合直前までかなり苦労しましたが、なんとか試合でベストタイの290kgという記録を出せてホッとしました。(試合中にも調整をかなりしました。)

ベンチプレスは、前回記事に書いたJCBで得た課題の克服に取り組み、短期間ですが成果は着実に出ていたのを実感していました。納得のいく状態まで仕上げる事は出来ませんでしたが、ベスト+2.5kgの192.5kgを成功させる事が出来たのでよかったです。

デッドリフトは自分の弱点種目でもあったので、ここ数年力を入れて強化している種目です。フォームのバランスやグリップなどが漸くまとまってきて、最終ピーキングでは285kgまでは狙える状態に持っていけた事が今回優勝出来た一番の勝因だったと、振り返ると思います。

第2試技で初のグリップアウトを経験し、追い込まれましたがピーキング重量の自信と、グリップ幅を広げて握るという対策が功を奏し、ベスト+4.5kg更新の280kgを成功させる事が出来ました。

3種通して感じた事は、RPEベースのトレーニングの重要性と、VBTの有用性です。

RPEベースのトレーニングをされている方は何となくわかるのではと思いますが、e1RM(estimated 1RM)がどうすれば伸びていくのか、e1RMの正確性を高め、そこからどのように試技重量を決定していくのか、という事が試合で成功試技やベスト記録を更新していく為には大変重要です。それを更に高めるツールとしてVBTなども活用出来ると更に安定して記録が伸びていくのではと思います。

大会会場の雰囲気

W-up場

今後の試合予定

今後は6月に南アフリカで開催される世界大会へ出場します。
初の国際大会でどこまで記録を伸ばす事が出来るのか、自分を信じて更に練習に励みたいと思っています。

また、先日行われた東京都パワーリフティング選手権大会で無事優勝し、国体2次予選に駒を進める事が出来ました。世界大会後は、2次予選の通過、国体での優勝を目指していく予定です。

スクワット245kgの日本記録を更新した渋谷優輝さんと

まとめ

いかがだったでしょうか?
今後も試合が続きますが、良い記録を出し続けられるように頑張りたいと思います。

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最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

文:栗原 弘教

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東京都 Training-studio“Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
公式大会ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  300kg
ベンチプレス 192.5kg
デッドリフト 285kg
トータル   770kg

シングルベンチプレス 190kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 出場7回 優勝2回
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場3回 最高位 8位

2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立(当時)
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位
2021 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝

2021 東京都パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット280.5kg、デッドリフト275.5kg  東京都記録樹立
2021 東京都ベンチプレス選手権大会 105kg級 優勝

2022 東京都パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット300kg、デッドリフト285kg、トータル770kg 東京都記録樹立

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