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自宅で出来るベンチプレス練習(2)

読者の皆様、こちらのコラムに足を運んで頂きありがとうございます。SBDコラムニストの福村彩です。

体の変化

今年の1月に開催されたジャパンクラシックベンチプレス選手権が終わってから、体への負担が大きかったのか、右手首の痛みや全身の筋肉が固くなるなどで、しばらくの間自分の思い描く動きが出来ませんでした。

今このタイミングで家でのトレーニングということになり、手首の痛みの軽減や全身の筋肉の柔らかさ、そして心の柔らかさも出てきて良い状態に戻ってきているように思います。

よく怪我する場所の改善はMAX重量につながる?


上記でもお話しましたが、大会前後など練習量が多くなってくると右手首が痛くなってきます。
必ずといってもいいほど痛くなるので何故だろうと痛くなるたび考えていたのですが、今感じている要因として2点あります。

①重さをのせる位置
私は左利きで、生活面でも左足に重さをかけて立っていたり、ご飯を食べる時も左顎で噛んでいることが多く、体の左半分ばかり使っています。

無意識の中では体の左側をよく使っているからなのか、左手は右手に比べると感じとれる感覚が鋭く、ベンチプレスでも重さをのせる位置や押す方向がスムーズです。

右手はシャフトを持った時から感覚が鈍く、持った瞬間に重さが乗る位置の“ココ”という位置が感じ取れず、細かいところまで意識を常にもっていないと重さが乗らない位置で持ってしまいます。

②シャフトを押す方向
シャフトを押す方向も、力を伝えるには上に押すことが理想の方向と思っているのですが、私の場合はストロークを短くしたいという理由から81cmライン人差し指にかけてギリギリに持つことと、低身長(151cm)で腕(両腕を広げた長さ151cn)が短いので、男性よりも押す方向がどうしても上ではなく斜めに働きやすいのも要因の1つと思われます。

これらのことから

・重さをのせる手の位置の意識強化
・シャフトを押す方向

を練習することにより
“手首の痛みが軽減する=体に重さをしっかりのせて正しい方向へ押せている=MAX挙上重量が上がる”のではないかなと仮定し実践しています。

ベンチプレスの重さをのせる手の位置とシャフトを押す方向の意識強化


◆重さをのせる手の位置
 私の場合、手首は寝かしています。
理由として肩甲骨が使いやすい事と、ストロークが短くなるので行っています。
手首を寝かして持つことにメリットを感じているのですが、手首に負担がかかるため、シャフトを持つ位置を意識することと、特に女子は男子に比べ手が小さいので繊細に感じることがより重要なのかなと思っています。

のせる位置として
① は重さがしっかり乗っていいのですが、手首の不自由さがあり肩甲骨を上手く使えない事と、手首が寝づらい感覚があります。

③ は手首の自由さがあり肩甲骨が使いやすかったり、寝かしやすいのですが、重さが腕の骨に乗らず肩甲骨までしっかり重さをのせられないので、高回数、高重量を行うとすぐに手首が痛くなったり、筋肉を痛めやすいです。

② は手首にある程度の自由さと、腕の骨に重さが乗り肩甲骨までしっかり重さが乗る感覚があるので良い場所だと感じています。

大まかに3つの場所に分類しましたが、人により骨格、身長、体の癖、フォーム、など異なってくるので、のせるポイントは人それぞれ変わってくると思っています。一つの例としてみて頂けると幸いです。

◆シャフトを押す方向


▲81㎝ラインに人差し指をかける手幅

手幅が広いとストロークを削れて良いのですが、広くなればなるほど、どうしても力が上ではなく斜め上に逃げやすいです。


▲ナロー:81㎝ラインから指5本ほど内側にいれている手幅

同じ場所、機材ではなく比較しづらい写真で申し訳ないのですが、
ナローの時の方が上に力が働きやすいので、上に押している感覚はとても感じられます。

理想としては、ナローの練習をやりこんで上に押せる感覚を癖付けし、
81㎝ラインに人差し指をかける手幅の時でも上に押せる感覚が常にあることが、ストロークも削れ押す力も発揮できて良いかなと考えています。

今回はこれらの意識を自重でおこなっていきます。

◆腕立て


(ノーマル)


(アイテムとして本使用…厚さ1.5㎝)

◆ポイント
・ 手幅はシャフトを持った時に重さを預けたい手の位置にすることと、押す方向が真上になる手幅を探ってみます。私の場合は肩幅より少し広めです。

・ 腕立てするときも筋肉への意識というよりかは、常に重さをのせている位置に意識すること、その位置で真上に押す力を意識することが重要だと思います。

・ さらに意識しやすいアイテムとして、少し厚みのあるものを押したいポイントに添えるのも良いと思います。例えばコースターや薄めの本を2個用意します。これらを押したい点に挟むと、のせたいポイントに重さが乗りやすくなるので、より意識をかけやすい練習が出来ると思います。今回は本を使用しました。

最後に

 
先月
・ブリッジ強化
・脚の蹴り

今月
・重さをのせる手の位置の意識
・シャフトを押す方向

ベンチプレスをより理解するために、今意識するポイントはこの4点なのだとこのコラムを通し改めて勉強になりました。ありがとうございます。

■コラム執筆者

福村 彩
埼玉県ストロングライン所属
B.T.S.L FITNESS

ベスト記録(ノーギア)
・スクワット 102.5kg
・ベンチプレス 82.5kg
・デッドリフト 137.5kg
・シングルベンチプレス 82.5kg

戦歴
【2017年】
さいたま市パワーリフティング選手権大会一般47kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス大会一般47kg級1位
【2018年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
世界クラシックベンチプレス大会一般47kg級5位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2019年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
アジアパシフィック大会パワーリフティング部門一般47kg級2位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2020年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会一般47kg級3位

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