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世界クラシックパワーリフティング選手権大会参戦記③ (試合編)

皆様いつもご覧いただき有難う御座います。

SBDコラムニストの佐名木宗貴です。

暑いですね!それしか口から発せられないほど暑いです。

 

もしかすると皆様がこのコラムをご覧になる頃には少し涼しくなり始めているのかも知れませんが、今はもの凄く暑いです(この部分はお盆前に書いています)。

 

競技スポーツの現場でも近頃では熱中症について様々対策が講じられるようになってきましたが、ここまで暑いともう何をやっても危険な事には変わりなく、気温のあがる日中に練習をしないようにするか、暑さを避ける事の出来る場所つまり避暑地に行くしか方法は無いように思います。

 

という分けで今年も私は八月の中旬はラグビー部に帯同して長野県上田市の菅平高原、下旬はアイスホッケー部に帯同して北海道の苫小牧市へ参りますので、もう少しすると暑さからは逃れられるのですが、その反面合宿生活が続くと自分自身のトレーニングが全くと言って良いほど出来なくなってしまうので9月中旬に出場を予定しているジャパンクラシックマスターズ(以下JCMP)に向けての調整は殆ど出来ないという事になってしまうので、競技者としてはもどかしいところではあるのですが、万全の準備をして発揮するのもベストパフォーマンスですが、万全では無い状況で最善を尽くすのもある意味ベストパフォーマンスだと思いますので、いつもとは違う目的を持って今出来るベストに挑戦したいと思います。

 

 

【ご報告】

 

さてそれでは今月も最初にご報告からです。

7月28日に和歌山県にて開催されました近畿ベンチプレス選手権大会に私が代表を務めておりますJPA加盟団体、関西大学S&Cより2名の選手が出場しました。

 

中西正樹(関西大学レスリング部コーチ)

一般男子105kg級 2位

中西選手は恐らく私が関大で一緒にトレーニングするようになった仲間第一号でレスリング部のOBとして身体を張って学生達をコーチする傍らジムでも学生達と共に汗を流し、常に越えられない壁として君臨しています。

 

ボディビルに出場していた時期もありますが今はレスリングのコーチングが忙しいので年に1~2回ベンチプレス大会に出るに留まっています。

 

昨年この大会で初の三振を経験してしまったのですが今年は見事にリベンジを果たし念願のジャパンクラシックベンチ(以後JCBP)の標準記録もゲットしました。

 

パワーリフティング的視点から見ればまだまだ余りある筋量を生かし切れていない感はあるのですが、そもそもボディビル志向が強くトレーニングの目的も筋肥大に重点を置いているため「筋肥大目的のトレーニングでも突き詰めればこのぐらい筋力は向上する」という楽しみ方も「アリ」だと思います。

 

和久憲三(関西大学アメリカンフットボール部アシスタントヘッドコーチ)

一般男子120kg級 2位

関西大学が誇る超アスリート、元アメリカンフットボール日本代表でボブスレーの日本代表候補でもあった和久憲三選手が今年の春いきなり「ベンチの試合に出たいんですが何キロぐらいあげれば優勝できますか?」とベンチプレス大会へ興味を示したので選手登録し、小手調べに近畿大会へエントリーしました。

動画を見て頂ければ分かる通り、競技ベンチプレスに特化したフォームなどはまだ練習しておらず「ただ寝転がって押しただけ」という単なる力持ち状態のまま出場したわけですが見事に3試技成功させ205kgという記録を残しました。

普段は大学のジムが開いている時間にトレーニングする時間がなかなか取れないため24時間OPENのフィットネスクラブでトレーニングしています。そのためか公式ベンチ台を使うと10kg伸びると喜んでいました。まだまだ本気でトレーニングを開始して数ヶ月なのでここからどれだけ伸びていくのか楽しみです。ベンチが上手くなっていくのも面白いですが、それよりもこのまま「超素人」としてJCBPに出場して「なんであれであがるんだ⁉」というフォームで勝った方が面白いような気もします。色んな意味で期待しています。

 

因みに私もこの大会に審判として参加させていただき主審もさせて頂きましたので、私の審判経験は丁度1年間で合計7試合、4試合が3種パワー、3試合がシングルベンチプレス、そのうち4試合で主審を経験しているため、残り11ヶ月で1試合を経験すれば二級審判への昇級試験を受験するための条件を満たす事になります。

この1年かなりハイペースで審判経験を積んできた事になりますがまだまだミスや判断の難しい試技がありますので今年も引き続き積極的に審判としての経験値を積んでいきたいと思います。

 

最後に、私がポージングとコンテストへ向けたダイエットなどを教えているマグナムフィットネスセンター所属の村上勝英選手が西日本ボディビル選手権で優勝しました。

同じくポージングやコンテストへ向けたコンディション作りなどを教えているZIPスポーツクラブ所属の沖田大輝選手も大阪クラス別ボディビル選手権の75kg級で準優勝、Mr大阪ボディビル選手権大会では初出場ながら見事に予選を突破し10位に入賞しました。

 

村上選手は昨年のMr大阪とMr関西に続いてオーバーオール三連勝となります。次は9月8日に北九州市で行われるジャパンオープン、そして9月22日に神戸で行われる日本クラス別選手権に出場いたしますので応援宜しくお願いいたします。

沖田選手は今年からサポートする事になった選手ですがポージングセンス抜群で特にフリーは非凡なセンスを感じます。来年はタイトルを獲れるようオフ中も課題克服のためのアドバイスを継続しようと思います。

 

 

【世界クラシックパワーリフティング選手権参戦記:試合編】

 

それでは今月もようやく本題に入ります。

先月先々月から続けてまいりました世界クラシックパワーリフティング選手権参戦記の最終章としまして試合当日から帰国までの模様をお伝えしたいと思います。

ここから先は試合当時(スウェーデン時間で6月7日)の朝から帰国して2週間(日本時間で6月23日)までに書いた内容となりますので皆様がご覧になるまでにかなりの時差がある事をご了承ください。

 

 

【6月7日:試合当日、朝食・体重測定・移動】

 

いよいよ自分の試合です。結局この日も4時に目が覚めてしまったのですが6時までは目を閉じて何も考えないようにしていたので眠っていたのも同然とカウントします。

6時に起きて軽くストレッチしてから今日の試合前・中に飲む水分も用意して

コスチュームチェック用のバッグに道具を詰めるなど、ある程度の支度を済ませたらホテルから歩いて30秒ほどの大会公式ホテルの地下にあるジムに行き、設置されている体重計(検量会場と同じもの)で体重を計ります。

体重は89.35kgと前日と全く同じでリミットまでまだ3.65kgもあるので朝食は気にせずいつも通り食べようと考えました。

ところがさすがにホテル滞在6日目で5回目の朝食ともなると最初は目新しかった洋朝食もかなり飽きてしまって試合前の緊張も相まって全く食欲が湧かず、特にたんぱく源として頑張って食べていたハムやソーセージ、チーズや魚の酢漬けのようなもの等が全く食べられなくなってしまいました。

 

しかし試合前に「頑張って食べなきゃ」と考え過ぎて逆に気持ち悪くなったりナーバスになる方が良くないと考えて「まぁ体重も減ってないんだし炭水化物さえ取っておけば問題無いか。食べたくないものは今日はいらないって身体が言ってるんだよ」と都合よく解釈して少なめに食べてレストランを後にしました。

 

試合後のまとめで書きますが、この判断が最終的に命取りとなる事にこの時は気づきませんでした。

 

 

【コスチュームチェック・検量・セコンドとの打ち合わせ】

 

10時検量だったのでセコンドを務めてくださる安倉さん平松さんと一緒に9時のバスで会場へ移動しました。到着後まずはアップ会場の場所取りです。

 

先に女子M1の-78kg級と78kg超級の試合が行われていたのでアップ会場は丁度デッドリフトの最終アップを行っているタイミングでした。アメリカ代表が中心に使っているプラットフォームが比較的空いていたので一緒に使わせてくれと言うと快く受け入れてくれました。

 

アップ会場は試合会場と全く同じ新品のラックとバーとプレートとプラットフォームが8セット用意されていました。

 

コスチュームチェックは昨年とても厳しかった(ルール上OKなはずのモノでも何故か却下されて慌ててSBDやTITAN、ELEIKO等のブースで新品を購入する選手もいた)のですが今年は特にそのようなトラブルはありませんでした。

 

この辺が国際大会の恐い所でもあるので試合前に余計なストレスを受けないよう、国際大会に出場される場合はなるべくSBD等「パワーリフターなら世界中どこでも誰でも知っている公認ブランド」のもので揃えていく事をお勧めします。

 

検量部屋の前に行くと既に同じ階級の選手達が集まっていてフレンドリーに話しかけてくる選手もいればギラギラした目で音楽を聴いている選手もいて色々です。

 

M1-93kg級は14名がエントリーしていて私はロットナンバーが7番でしたので丁度真ん中ぐらいでこの緊張からは解放されました。

 

これも国際大会あるあるなのですが検量室には選手1人しか入れないため最低限で良いので英語でのコミュニケーションがとれないとモタついてしまう事があります。(聞き取り辛い英語を話す人も沢山います)

 

またパスポートの提示を求められるので持って来ていないと取りに帰らなければなりません。これから参加する人は注意してください。

 

検量体重は90.80kgで勿論一発パス。

 

この階級で自分より軽い選手はあまりいないだろうと軽く考えていたのですがノミネーションの持ち記録から考えて順位争いをする可能性のあるエクアドルの選手が86.80kgとかなり軽かったので最後に被せ合いになった場合注意が必要です。

 

メインセコンドの安倉さんと情報を共有して彼との重量差をチェックしておいて欲しいとお願いしておきました。

 

国際大会は日本選手団の中の選手同士でセコンドをし合うのでこの辺の細かいコミュニケーションを事前に行っておく事が必要です。

 

メインセコンドの安倉さんには重量申請と他の選手との重量差などの計算をお願いし、サブセコンドの平松さんには試技の順番など時間に纏わる事をお願いしました。

 

スクワットのウォーミングアップを行いながら安倉さんにゲームプランを説明します。

今回はとにかくスクワットが最重点で、スクワットの結果次第でその先のプランを決めるといった感じです。

 

スクワットの第一試技は既に検量時に235kgを申請してあります。

 

これは日本での最終調整でも軽くあがっている重量なので恐らく問題ないと思いますが、スクワットで失敗した昨年のリベンジのためにも100%白3本あがる深さで第一試技は行こうと考えていました。

 

その後のプランは以下の通りです。

 

第一試技235kg 第二試技240kg or 245kg 第三試技245kg or 250kg or 252.5kg

第一試技が軽ければ第二は245kgを申請するつもりですが、重く感じたり審判が異常に厳しかったり順位争いをする可能性のある選手が第一試技を落とした場合等は確実に240kgを選択して刻んでいく可能性もあると伝え、第三試技の上限は252.5kgとも伝えました。

 

これはマスターズ1-93kg級アジア記録が250kgなので、本当にもの凄く調子が良いと感じた場合は挑戦する可能性もあると伝えました。

 

ベンチプレスは良くても悪くても140㎏-145㎏-147.5kgです。現地に入ってからの最終調整でも145kgがギリギリだったのでこれ以上は無いと想定していました。

 

スクワットで最低限245kgまでとれていればベンチプレスが145kgだったとしてもサブトータルで390kgとなります。

 

そうなるとM1-93kg級のトータルのアジア記録が652.5kgなのでデッドリフトはこれを超えるための265kgを第三試技の目標として第一試技は250kgを確実にとって第二で260kgというプランでいました。

 

もしも万が一スクワットで245kgが取れなかった場合はこれらのプランは全て捨てて去年と同じく順位だけを狙った試合に切り替えると伝えました。

 

 

 

【スクワット】

 

ウォーミングアップは20kg-75kg-125kg-175kgとここまではニースリーブ無しでパンパンパンっとやって10分ほど休憩をしてからニースリーブを着けて205kgと225kgをやって終わりです。

痛み止めを飲んだおかげか膝の痛みもマシになっていてお腹の調子も良くて腹圧のかかりも悪くありません。

 

第一試技の申請重量を見ると私の重量は14人中4番目でした。上位の3人(エストニア、メキシコ、カナダの選手)は270kg台をあげる選手なので勝ち目はありませんが誰か一人でも失格すればスクワットのメダルがもらえる可能性もあるので何が何でも4位に入ろうと思いました。

 

第一試技:235㎏ 〇〇〇

 

軽かったです。

少ししゃがみ過ぎた感はありましたが昨年の悪夢を払拭する為にも完全な白3本を取りに行きました。

スタートのコールも若干遅くて呼吸が合わなかったのですが、咄嗟に口を閉じたまま少しだけ鼻で吸い足したら丁度良かったのでこのまま行こうと思いました。

第二試技は迷いましたが240㎏を申請しました。

 

見ていた人からは245kgでも良いのではないかと言われましたが順位を争う事が予想されたエクアドルの選手とドイツの選手が第一試技を落としたのでここは確実に240㎏を取って差を広げようと考えました。また優勝候補のエストニアの選手も第一試技を落としたので銅メダルの可能性も見えた事から少し保守的な思考が勝っていきました。

 

第二試技:240kg 〇〇×

 

 

軽かったです。というか軽すぎて腹圧が勝ってボトムで少し高く切り返してしまい赤が一本つきました。恐らく左側の審判かなと思います。

 

目標を白9本と掲げていたので悔しかったのですが気持ちを切り替えて3本取りを目指します。

第三試技の申請は245kg。とても軽かったので250㎏或いは252.5kgを狙おうかとも思いましたが、副審から赤が1本ついていたので次は主審も深さをより厳しく見てくる可能性があるなと考えました。

 

ただでさえ深さの厳しい審判が更に厳しく見てくる可能性がある。

 

また順位を争うと予想していたエクアドルの選手とドイツの選手が共に第二試技も落とし、更に私より上位につけると予想していた地元スウェーデンの選手2人も第二試技を落としたので余計に「確実にとって確実にリードしておこう」という気持ちが勝ってしまいました。因みに第一試技を落としていた優勝候補のエストニアの選手は第二試技を難なくとったためメダルの可能性はこの時点で消えました。

 

第三試技:245kg 〇×〇

 

少し左膝がニーインしてしまい若干バーが傾いてしまいましたが、なんとか粘って上げ切りました。主審が赤判定でしたが恐らくは深さではなくバーの傾き(下がり)をとったのだと思います。

 

何はともあれ昨年あれほど苦しんだスクワットを三本取り出来た事は本当に嬉しくて「このために1年間頑張ってきたんや」と感慨深い思いが過りました。

 

出来れば252.5kgとは思っていましたがミニマム目標の245kgはとれたのでまだトータルのアジア記録の可能性も残す展開となりました。

 

 

 

International Powerlifting Federation – IPFさんの投稿 2019年6月12日水曜日

因みに順位争いをすると思っていたドイツの選手は第三試技で負傷してしまい残念ながらそのまま棄権となってしまいました。

 

エクアドルの選手は230kgを2回失敗しているのに第三試技で235kgを申請してなんと成功!生き残りました。去年の自分と重なって敵だけどすごく嬉しい気持ちになりました。

 

スウェーデンの2人は第二で落とした同重量、240kgと242.5kgを第三でしっかりとってこちらも息を吹き返してきました。さすがに地元の選手だけあって気迫が違います。

 

スクワットの1位は去年の優勝者のメキシコの選手、2位は2年前にオープンクラスでフルギアのヨーロッパチャンピオンにもなっているエストニアの選手、3位は2年前のチャンピオンで昨年2位のカナダの選手。そして4位が私という結果となりました。

 

 

【ベンチプレス】

 

種目間の休憩は20分しかありません。

スクワットで後ろから4番目だった私はベンチが弱いのでベンチの第一試技重量は14人中11番…つまりベンチプレスは4人目です。

要するにスクワットの終わりが遅くてベンチの始まりが早いので休憩もウォーミングアップの時間も短いという事です。

自分のスクワットが終わってエネルギーゼリーとお粥パックで栄養補給しながらセコンドのお二人と少し会話をしてトイレに行って帰って来てニースリーブを脱いでシューズを履き替えたらもうベンチプレス開始まで16分しかありません。

 

そんな訳でウォーミングアップも最小限で行いたいところですが肩が悪く身体も堅い私はベンチの準備には時間がかかります。

 

フォームローラーでアーチを作りながら

 

20kg×3reps 75kg×2reps 125kg×1rep 130kg×1rep

とやったところで時間切れ。もう行くしかないと腹を決めてステージ裏に椅子ごと移動してイメージを作りながらアンモニアを嗅いでメンタルを奮い立たせます。

 

第一試技:140kg 〇〇〇

 

軽いです。空気かと思いました。

しかし調子に乗ってはいけないのでまずは想定通りの145kgを確実にとろうと申請しました。

 

第二試技:145kg 〇〇〇

 

軽っ!普段の練習で重く感じていた145kgは一体何だったんだ?」そう思えるぐらい軽かったのでここで予定していた147.5kgではなく150kgを申請しました。

 

スクワットは手堅く行き過ぎた感がありましたし、もう既にベンチプレスのミニマム目標の145kgは達成していたのでここは挑戦しても良いだろう、更には150kgをあげておけば目標とする655kgを出すのにデッドで260kgあげれば良いのでデッドの第三試技で270kgに挑戦できる。そんな事を考えていました。

 

第三試技:150kg ×〇×

 

 

やってしまいました。

 

赤二本で失敗です。ナンバーカードは両サイドとも2番なのでバーの傾き(下がり)をとったのだと思いますが動画をよく見ると足も滑っているのでどっちにしろ失敗試技です。

 

よくやる失敗で私は左の肩が悪いので可動域が狭いのですがそのため左右均等にバーを下ろせず右側の方が下がった状態で下ろしてしまい結果右側が重くなってしまうという事が良くあります。今回はラックアップでしっかり安定出来なかった事でこの悪い癖が出てしまいました。

大失敗です。

またバーイズローデッドのコールがかかる直前、リストラップを巻いている時に何故か右手の薬指と小指が攣ってしまいましたが「まぁ別にええか、攣っとった方がしっかり握ってくれるからええやろ」と特に気にもせずベンチが終わった後は元に戻っていたのでその後は忘れていたのですが、この僅かな身体の変化を見落としていた事が後々大きな問題となって降りかかってきました。

 

ベンチプレスは13人中(1人棄権)10位という結果でした。この時点でサブトータル6位です。5位のスウェーデンの選手とは35kg差をつけられているので少し逆転は難しく、逆に7位のエクアドルの選手が10kg差、8位のフランスの選手が20kg差で追ってきていました。

 

なんとか6位をキープしたいという思いとトータルのアジア記録も更新したいという思いでデッドリフトのアップにうつりました。

 

 

【デッドリフト】

 

ベンチプレスの第三試技は13人中(1人棄権)8番目だったので私の後ろには7人もいました。

そのためゼリーで栄養補給をしてトイレに行って戻ってきてもまだベンチの最終試技者の1人手前ぐらいだったので大凡デッドリフトのスタートまで23分ぐらいはあったと思います。

私のデッドリフト第一試技の250kgは13人中(1人棄権)5番目の重量だったので試技の順番で言えば9番目でした。

このぐらいの場合はいつも最初の試技者が呼ばれる2~3分前ぐらいに私は最終アップの重量を引くようにしています。

まずはアップに入る前に十分に水分補給をします。これはあまり直前に水分を摂るとベルトを締めた時に吐きそうになるから時間に余裕があるうちに多めに摂ろうという考えからです。

また少しボーっとする気がしたのでカフェインを入れました。

試合の日はだいたいスクワットのアップ前ぐらいにハレオのハイパードライブエナジー2.0というカフェインが含まれた商品を規定量飲むのですが、この日はデッドリフトの前に規定量の半分の量をもう一度入れました。

飲み過ぎかとも思いましたが「もうこれで最後なんだから」と思って飲みました。

ウォームアップは75kg3reps 125kg3reps 175kg1rep とここまではベルト無しで行い

225kg1rep 235kg1rep はベルトを締めて行いました。

この時点で「ちょっと疲れたな」「気持ちはのっているのに何となく倦怠感がありボーっとする」と感じましたがネガティブな気持ちにはなりたくないので「緊張のせいだ」「もうすぐさっきのカフェインが効いてくる」「あと3回引くだけだ集中しろ」と自分に言い聞かせ試技を待ちました。

 

第一試技:250㎏ 〇〇〇

 

 

少し重い気もしましたが、何も考えずに260kgを申請しました。

練習でも最初のセットは重く感じる事はあるので次は軽く感じるだろうと集中しました。

 

第二試技:260㎏ ×××

 

 

浮かすのに時間がかかってしまい膝下まで浮きましたが引ききれませんでした。

練習では余裕であがっていた重量なので「なんで?なんで?」と自分でも訳が分からず困惑してしまったのですが、ここで260kgに再挑戦してもアジア新記録にはならないので「どうせなら」と265kgを申請しました。

バーイズローデッドの直前にベルトを締めるのですがいつもと同じ長さで締めようとしたら異常にキツくて吐きそうになってしまいました。

そのため息が十分に吸えずボトムで腹圧がかからなかったのでは?と考え第三試技はベルトの穴を1つ緩めてやる事にしました。

265kgを申請して数分経ってから自分以外の選手の重量を全く気にしていなかった事に気付きモニターを見てみるとエクアドルの選手が10kg差でついてきており第三試技で10kgアップしてきていたので私が失敗して彼が成功させるとトータル640kgで並び検量体重の軽い彼に抜かれてしまう事に気付きました。

しかし6位を死守するための集中力とアジア記録を塗り替えるための集中力ならアジア記録の方が高いに決まっています。

腰が折れても構わない」「もう一度集中すれば絶対にあがる重量なんだ」と言い聞かせ最後の試技に臨みました。

 

第三試技:265kg ×××

 

浮きませんでした。

と言うより…

ステージ裏でちょうど自分の2人前の選手の試技が始まる頃、急に右の上腕が攣ってしまいました。「なんで今!?」と思っても全然治まりません。

1人前の選手がコールされます。前腕まで攣ってきました。「えっ!?どうしよ!?どうしよ!?」そうこうしているうちに肘が伸ばせなくなり掌も開けなくなりました。

でももうここで引き返す事は出来ません。攣っている感覚と痛みを無視するように呼吸を整えてルーティンを守ろうとしましたが…

肘は勝手に曲がろうとするし掌も前腕も勝手に収縮します。

駄目でした。

 

 

International Powerlifting Federation – IPFさんの投稿 2019年6月12日水曜日

【結果】

幸い7位のエクアドルの選手も第三試技を失敗したため私の6位が確定しましたが、終わってみれば自己ベストにも届かない640kgと悔しい内容でした。

冷静になってから攣ってしまった原因を考えたのですが、3つあって

1つは朝食でたんぱく源を食べなかったことです。

前記した通り現地入りしてからのメインの食事はブッフェ形式の朝食だったのですがハムやソーセージ、ベーコン、チーズ、魚の酢漬け等、とにかくたんぱく質の取れそうなものが加工食品ばかりで塩っ辛いものばかりを食べていました。そんな塩っ辛い食事を5日間も続けて当日の朝だけ食欲が無くてほとんど食べなかったためにそのギャップから一時的に低ナトリウムな状態になってしまったのではないかと思います。

ベンチの第三試技で指が攣っていたのが身体からの異変のサインだったにもかかわらず、その後ナトリウムの補給などケアをしなかった事が最大の失敗でした。

 

2つ目はベンチ後にとったカフェインです。

カフェインに対する耐性は人それぞれだと思いますが、現地入りしてからは朝のコーヒーぐらいしかカフェインを摂取していなかったのに試合前に急に200㎎も入れて更にベンチ後に100㎎入れてしまった事も原因ではないかと思います。

デッドリフトの試技開始直後ぐらいから尿意を感じるのが早くなり第一・第二・第三と全ての試技前にトイレに行ったのですがしっかり尿が出たのにベルトはキツく吐きそうで水分はそこまで摂れなかった事も影響したと思われます。

 

3つ目は三種目通した通し練習の不足です。

普段からスクワット⇒ベンチプレスやベンチプレス⇒デッドリフトといった1日に二種目を続けて行う練習は良くしているのですが三種目を通して行う練習は試合直前に第二試技までを想定して行った練習のみで、普段は三種目やったとしてもスクワットとベンチは複数セットやるけどデッドは1セットだけとかで終えてしまっていました。

勿論仕事や他の予定との兼ね合いもあるのですが、試合に向けた準備を考えると1日に三種目を少なくとも3セットずつ行う練習をもっとやれば良かったと思います。更にこの20分しか種目間インターバルの無いペースにもついて行けず疲労した結果、攣ってしまった可能性もあると思います。勿論MAXを更新するためにはしっかりと休息をとったトレーニングが必要なのですが試合へ向けた準備と考えると短い休息でもパフォーマンスが発揮できる準備をしておかねばならなかったと反省しています。

 

もちろん攣ってしまう事の原因はこれだけではなく過度の緊張もそうだと思います。1年間かけて準備してきた集大成として、また日本を代表して戦うという事に対してプレッシャーを自分自身にかけ過ぎてしまったのだと思います。しかしこれは世界大会に来る選手であれば全員乗り越えなければならない事なので自分自身の中では原因であるとは考えていません。

 

 

【一緒に戦ったライバル達とセコンドを務めて下さった大先輩】

 

どんなスポーツでも同じだと思いますが、試合が終われば一緒に戦ったライバルは友達でありブロウでありアミーゴでありヴァン(スウェーデン語で友達らしい)でありヴェン(デンマーク語で友達らしい)でありスォブラ(エストニア語で友達らしい)でありドゥラウギ(ラトビア語で友達らしい)でありヴリンツゥ(アフリカーンス語で友達らしい)である。

 

最後まで順位を争ったエクアドル代表のSanchez Marcos選手

 

優勝者のエストニア代表Silbaum Margus選手

 

 

左から準優勝のメキシコ代表Garcia Gabriel選手

右から2人目は5位の地元スウェーデン代表Edvinsson Thomas選手

一番右は4位の同じく地元スウェーデン代表Bjorkhaug Ronny選手

 

 

ベンチプレスで銀メダルを獲得したUAE代表のAlzaabi Faisal選手

 

Alzaabi選手とは2012年のアジア大会(インドのコインバトゥール)で一般83kg級で対戦して以来の再開でした。「お前と一緒に撮った写真、まだ携帯に保存してるよ!」「おぉ!どれどれ?

 

 

そしてセコンドとサブセコンドを務めて下さった大先輩のお二人

 

経験豊富なお二人のお陰で何とか最後まで戦う事が出来ました。本当に有難う御座いました。

 

 

【バンケット】

 

表彰式が終わるとそのまま着替えてヘルシングボリアリーナの二階に用意されているバンケット会場へ移動します。

バンケットのドレスコードは特に決まりはないようですが通常女子の選手はドレスなどで奇麗に着飾り、男子はジャージでそのまま来る選手もいれば正装で来る選手もいて、中間ぐらいで多いのがポロシャツにチノパンと言った感じです。

私はなるべく荷物を軽くしたかったのでYシャツにネクタイと夏用生地のパンツを選択しました。

今まで参加した国際大会は100%ビュッフェスタイルだったのですが今回は違ってコース料理でした。

味はとても美味しかったのですが、量が男子選手にとっては「これだけ?」という量で逆に女子選手にとっては「多いわよ」という量だったようで、やはりスポーツ選手を集めてやる食事会はビュッフェスタイルでないと難しいと思いました。

少し歓談した後は国別の表彰やベストリフターの表彰などがあるのですが

ちょうど痛み止めが切れてきたのか、狭いテーブル席で曲げたままだったのが悪かったのか、分かりませんが猛烈に膝が痛くなってきて座っている事に耐えられなくなってしまい、食事をサッと済ませて殆どの時間を立って過ごす事になってしまいました。

バンケットは自由参加なので大人数で来ているアメリカやカナダ、そして開催国であるスウェーデンは基本的に全選手が出席しているのですが少人数で来ている国の選手は必ずしも積極的に参加しているわけではなくて今回は会場も去年ほど広くなく時間も遅かった事から一緒に試合をした選手と交流する事はあまりありませんでした。

そんな中でも声をかけてくれたのが

去年83kg級で順位を競った南アフリカのマーロンダニエル選手

 

私は93kg級へ階級を上げ、彼は74kg級に階級を下げての出場だったので試合日も異なりバンケットまではゆっくり話す事は出来ませんでした。

彼は試合の前日に来てバンケットの翌朝早朝の飛行機で帰ると言っていました。日本もある程度自分で移動の出来る人は個人で航空券を取って迷惑のかからない範囲で日程を調整できるようになれば良いと思いますが、現状では難しいようです。

 

帰り際にSBDブースの皆さんと

 

本当はもう10日ぐらい残って一般の試合を観戦して帰りたいのですがなかなかそういうわけにもいきませんので少し後ろ髪を引かれる気持ちでしたが6日間お世話になったヘルシングボリアリーナを後にしました。

 

 

 

 

【最終日:6月8日 デンマーク観光】

 

あっという間に帰国日の朝を迎えてしまいました。

昨夜も全然眠れず(カフェインの影響もありますが)結局昨年と変わらなかったなと思いながらも「もうどんだけ体調悪くても帰るだけだからどうでもいいや」と開き直り身支度を済ませチェックアウトしてからレストランで朝食を食べました。

レストランにはこの日から試合の始まるジュニア・サブジュニアの日本代表が沢山いて何人かの選手が声をかけてくれました。

普段は大学で同じ年頃の学生達を教えているので「いつか自分も代表選手を育ててコーチとして大会に参加したいな」と思いました。

 

朝食を食べ終えるとそのままバスに乗り込み来た時と同じルートで国境を越えコペンハーゲンへ移動します。

それではここからは三時間の弾丸バスツアーのレポートです。

 

コペンハーゲンに着くとまずは「世界三大ガッカリ」と呼ばれる有名な人魚姫の像を見に行きました。

どうしてガッカリなのかは分かりませんがガイドさんがバスの中でしきりに「ガッカリしますからね」と言っていたので「どんだけしょぼいねん」と逆に期待していたのですが…

ガッカリするほどでもなかったのでちゃんと写真撮りました。人魚像の周りは観光客でいっぱいで足を滑らせて海に落ちそうになる人が続出していました。

 

 

アメリエンボー宮殿というロイヤルファミリーが住む宮殿です。

兵隊さんにこれ以上近づくのはナシです。時間が来て勤務交代する瞬間がメチャ格好良かったです。

 

ニューハウンという運河に沿ってカラフルな建物が並ぶ港町です。

建物の中には童話作家アンデルセンの旧居が三件もあります。

 

 

ストロイエというショッピングストリートでお買い物タイムです。

 

当日は何故かサンバのカーニバルが練り歩いていて歩くこともままならないほどの混雑で、ガイドさんからも「スリに注意してください」と再三注意がありました。

ロイヤルコペンハーゲンをはじめとするデンマークの有名ブランド店が並び

1kmにわたるストリートのちょうど中央地点にはコペンハーゲンで最も古いとされる聖霊教会が立っています。

 

教会の中は外の騒がしさが嘘のように静寂さが広がっていて、静かに祈りを捧げる人や聖書を読む人が何人かいました。私はキリスト教徒ではないのですが教会の雰囲気が好きで一度はこういう本場の歴史ある教会に行ってみたいと思っていたので今回の旅で一番嬉しく心が洗われる時間でした。

 

お世話になった中村団長

※注意:佐々木健介ではありません。

 

 

 

【帰路】

あっという間に三時間の観光タイムは過ぎ去りコペンハーゲン空港へ移動しました。

チェックインを済ませてお世話になったガイドさんとHISの佐藤さんにお別れをして保安検査場を通り搭乗ゲートへ向かいます。

途中のTAXFREEでゆっくりお土産を買いこんで余っているデンマーククローネを使い切ろうと思いましたが

空港は何故か大混雑、いまだに理由は良くわかりませんがユーロ圏以外のパスポートを持つ人用の出国ゲートが長蛇の列で数十メートル?いや100m以上あったかも知れない渋滞でした。

30分前には搭乗ゲートの前で集合しましょうね」なんて言ってた日本選手団も大慌てで列に並ぶのですがどう考えても出発までに間に合いません。

みんな焦ってグループLINEで

〇〇と〇〇はまだゲートを通過していません。

〇〇と〇〇は一緒に居ますがまだレストランの前ぐらいです!

〇〇さんと〇〇さんはまだお土産ショップにいたので知らせてあげて下さい!

誰か搭乗ゲートの向こうに入っている人いますか?状況説明してください!

っていう感じで連絡を取りながら一向に進まない行列の中で不安なひと時を過ごしました。

私はというと元々もう少しヨーロッパを味わいたいと思っていたので

これで乗れなかったらもう開き直ってバスでドイツまで行ってみようかな?

直行便じゃなくてバンコクやシンガポール経由で遊んで帰りたいな

なんてアホな事を考えていたのですが、これだけ混雑していると他にも沢山の乗客が出発時刻に間に合っていなかったようで結局飛行機の出発時刻を送らせて飛ぶ事となり日本選手団は無事に全員が搭乗する事が出来ました。

 

機内では寝不足を取り戻すかのように死んだように眠ってやろうと思っていたのですが、とにかく膝が痛くて、痛くて耐えられなくて30分座ったら一回腰を起こして膝を伸ばす。みたいな事を繰り返していたので結局一睡も出来ませんでした。

その代わり映画は行きと同じく4本も見る事が出来て、どうでも良い話ですが帰りのフライトで見た映画の私個人の評価は以下の通りでした。

1位:A Star is Born

アリー/スター誕生、行きの飛行機でも1位は音楽ものでしたが帰りも一番はコレでした。レディガガの歌も素晴らしいですがラブストーリーとしても魅力的で良い映画でした。

 

2位:Holmes & Watson

名探偵シャーロックホームズの物語を徹底的にコメディタッチで描いた作品ですが日本では劇場公開されていないようです。退屈な機内では音楽ものの次に良いのはコメディです。

 

3位:The Favourite

女王陛下のお気に入り、18世紀のイングランドを舞台とした女王の寵愛を奪い合う宮廷ドラマのような話です。歴史コメディとしてこちらも機内向きといえるでしょう。

 

4位:Going in Style

ジーサンズはじめての強盗、3人のお年寄りが銀行強盗をして年金を取り返すといったこちらもコメディ映画なので機内向きですが、キャストが豪華な割に内容が若干チープだったので最下位です。

皆さんも長時間フライトで眠れない時は開き直って普段見れない映画を徹底的に楽しんでみて下さいね。

 

そんなこんなで約11時間のフライトを終え、なんとか成田へ到着、ここでようやく日本選手団は解散となりました。

 

今回の日本選手団は兵庫・大阪・三重・岐阜・愛知・東京・千葉・群馬・北海道と全国各地から集結し初めて会う選手も多かったのですが中村団長を中心に皆纏まって特にトラブルも無く非常に良い雰囲気で全日程を終える事が出来ました。これぞ大人の集団「マスターズチーム」といった感じでした

M1-120kg級の宮本選手が岐阜県なので「みんなで9月のJCMP前に宮本さんのお寺に泊まろうか」なんて事を言ってお別れしました。

 

私は成田から羽田にバスで移動して羽田で北海道へ帰る皆さんと一緒に久々の日本食を楽しんでから安倉さんと再合流して伊丹へと帰りました。

 

 

【まとめ】

 

 

昨年初めて出場したカルガリーでの世界大会では、判定の厳しさを味わいスクワットで三振しかけた事から保守的な試合運びしかできず順位を守るための戦いしか出来ませんでした。

その悔しさを晴らすために1年間頑張って準備をしてきたつもりでしたが、それでも今年も完全燃焼したとは言えない内容で終わってしまいました。

最重点として取り組んできたスクワットでは三本とって自己ベストを出す事が出来たので、この部分では去年の悔しさは晴らす事が出来たと思いますが、ベンチプレスは簡単なミスで赤判定をもらい「あげられる重量を取りこぼした」という悔しさが残ります。そしてデッドリフトではスタミナ切れとコンディショニングミスで情けない記録に終わってしまいました。

全力を出し切れなかったという去年の感覚とは違い、これが自分の全力だったと思う事は出来ますが、準備段階でまだまだ改善点があったのに十分に準備しきれていなかった、完璧な準備をやりきれなったという気持ちが残りました。

特に今回は拘りのあった83kg級から階級を上げてまで「力を出し切る」ということを優先してやってきました。それは体重コントロールや水分調整からくる攣りなど不安要素を出来る限り取り除く、つまり「準備しなければならない事を減らしてパフォーマンスにフォーカスする」という決断だったわけですが、逆にそれが気持ちの緩み産み、出来る準備を怠り、予期できたトラブルを見落としたのだと思います。

どんなスポーツでも同じだとは思いますが「これで完璧だ」と思ってもやるべき事に終わりは無く「十分準備した」など決してない、最後の最後まで準備し尽くす事が重要なのだと痛感致しました。

 

さてこれで本来ならば「次こそは!」と先の目標に向かわねばならないところではあるのですが、現在(帰国後2週間の6月23日)も今回の調整中に痛めた両膝の痛みは変わっておらず、病院での検査である程度の原因はわかったものの長期的に治療していく必要があるため十分なトレーニングが出来ない状態です。

今回ばかりは少し休んで膝の回復を待ってから9月のジャパンクラシックマスターズに出場するのかどうか、つまり来年以降も国際レベルでの競技活動を継続するかどうかを考えたいと思います。

 

最後になりましたがこんな自分の競技活動を理解し支えてくれている家族、丈夫な体に産んでくれた両親、頑丈なDNAをくれた御先祖様。

大会に参加する事でいつも迷惑をかけている職場の皆さん、あと1kgあと1回を引き出してくれたトレーニング仲間・学生達、その他にも大会に向けた日々の練習や仕事で多くのサポートを頂いた皆さん、そしてSBD JAPAN関係者の皆様、読者の皆様、本当に有難う御座いました。

この場を借りて感謝の気持ちをお伝えし今回はコラムを終えたいと思います。

 

 

■コラム執筆者

佐名木宗貴
ベスト記録(ノーギア)
スクワット 245kg
ベンチプレス 160kg
デッドリフト 260kg

戦跡
パワーリフティング
・全日本教職員パワーリフティング選手権 90kg級 優勝
・2009~2012年 近畿パワーリフティング選手権 4連覇 75・82.5・83・90kg級4階級制覇

・一般男子83㎏級スクワット日本記録樹立
・ジャパンクラッシクパワーリフティング選手権大会 83kg級 準優勝
・アジアクラッシクパワーリフティング選手権大会 83kg級 優勝
・東海パワーリフティング選手権大会 93kg級 優勝

・2018年世界クラッシクパワーリフティング選手権大会 マスターズⅠ83㎏級 5位
・2018年日本クラシックマスターズ83㎏優勝
・2018年香港国際クラッシクインヴィテーショナル大会 マスターズⅠ83㎏級 優勝
・マスターズⅠ83㎏級スクワットアジア記録樹立
・2019年世界クラシックマスターズ93㎏6位

ボディビルディング
2000~2001年  関東学生ボディビル選手権 2連覇
2000年     全日本学生ボディビル選手権 3位
2011年     日本体重別ボディビル選手権70kg級 3位
2011年     関西体重別ボディビル選手権70kg級 優勝

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