このエントリーをはてなブックマークに追加

ステージに上がる直前の1週間で気を付けること (半年間の努力を台無しにしないために…)

【はじめに】

読者の皆様こんにちは、いつもご覧頂き有難う御座います。

長かった残暑もようやく終わり、一雨毎に気温が下がり一気に秋めいてまいりましたが皆様如何お過ごしでしょうか?

私の身の回りでは、寝冷えをしてしまい夏風邪ならぬ秋風邪をひいてしまう学生が沢山いて、大切なシーズン直前の練習に参加出来なくなってしまうケースもありました。

また食欲の秋という事もあり、少し食べ過ぎてしまい体重のコントロールが難しくなる選手もいる季節です。

私事ですが、既に前回のコラムでご報告させていただいた通り、北海道での地震の影響で9月上旬に予定されていた試合が11月末に延期になり、12週間も間が空いてしまう事になったので、この機会に以前から抱えている故障個所のメンテナンスを優先してトレーニング量を制限していたところ、気持ちの緩みからか体重があっという間に80kg台後半に飛び上がってしまい。

83kg級に留まりたい気持ちと「93㎏級でもいいんじゃねぇの?体重増えた方が記録も伸びるし楽しいぜ!」という自分の心の中の悪魔の囁きとの間で揺れている日々であります。

また嬉しい事にアジア協会から先日の香港での大会の時に認定されたM1-83kg級スクワットのアジア記録の認定証が届きました。

過去に日本記録の認定証は頂いた事はありましたがアジアは初めてで、そこまで実感はなかったのですが、こうして認定証を発行していただくとようやく「俺の記録が認められたんだ」と本当に嬉しい気持ちになりました。

美味しいものを食べまくって階級を上げたい気持ちもありますが83kgでいられるうちはもう一度ぐらいはこのような認定証が頂けるように頑張ろうと思います。

 

 

【ご報告】

それでは今回もコラムの本題に入る前にご報告からです。

日頃から私と一緒に大学内で活動する関西大学S&Cクラブから各種大会に出場した選手が2名おりますのでご紹介させていただきます。

まずはS&Cクラブの主将でもあります法学部3回生の藤井崇彰が9月24日に行われましたサマースタイルアワードのカレッジクラスにて7位に入り

昨年の9位から順位を上げる事が出来ました。

藤井君は6月のNPCJ TOURNAMENT OF KINGS CHAMPIONSHIPSにも出場し、メンズアスリートモデルショートマンクラス4位、フィジークノービス-168㎝クラス12位と今年も精力的にコンテストに参加しました。

厳しい減量やトレーニングを行いながらもクラブの主将としての役割を果たし、学業成績も優秀な男です。

来年は最終学年です。更なる活躍に期待します。

 

もう1人は10月7日に行われました、全日本ジュニアボディビル選手権で11位入賞を果たした化学生命工学部4回生の高山生弥です。

昨年は大阪オープンクラッシック-171㎝クラスに出場し5位でしたが今年は大きくジャンプアップ‼

最終学年である今年は、就職活動や教育実習のためにトレーニングや減量を思うように継続する事が出来ず、また理系の学部であるため研究室での実験や発表のための準備など、苦しい減量後期でも頭を使う事が多かったため学業に支障が出ないようにカーボをコントロールするなど本当に厳しい条件の中でよく頑張ってくれたと思います。

クラブの中では後輩達から慕われる良き兄貴分ですので、残りの大学生活で少しでも後輩達に学んだ事を伝え、伝統の1ページ目を作って欲しいと思います。

 

 

【コンテストの準備を完成させるために】

 

さてそれでは本題に入らせていただきます。

このところの数ヶ月間、コラムの内容がパワーリフティング一辺倒でしたので今回は趣向を変えて、ボディビルやフィジークなど所謂ボディメイク系のコンテストのための準備についてのお話です。

 

先月・今月と前置きで書きましたように、私のところには学内外からボディメイク系のアスリートが相談や指導を求めてやってきます。

その中で共通して選手達が

”必要以上に考えてしまっている事”または

“過剰な期待をしてしまっている事”について

今回はお話ししようと思います。

本来はコンテスト直前に知りたい情報なのかも知れませんが、今回は敢えてシーズンが終了した今、お話ししたいと思います。それはコンテスト直前というのは過酷な減量生活の最終局面で、肉体的にも精神的にも追い込まれた状態で、藁をも掴む気持ちで情報を収集しようとする中で、なかなか正常な判断が出来なかったり、都合の悪い情報を受け入れられなかったりする事があるからです。

しかしコンテストが終わり、一通り美味しいものを食べ、気持ちも身体も落ち着いて次の事を考えられるようになった今であれば各々が御自分の胸の中に落とし込み、振り返りながら理解していただけると思い、書かせていただきます。

 

※この時点でボディビルなどの減量を経験した事の無い方は「何言ってんだろう?」と思うかも知れませんが、経験している方は「そうだよな…」と言ってくれていると思いますのでこのまま次に進みます(笑)

また何でもそうですが、トレーニングやダイエット、コンディショニングなどの身体の反応については個人差がありますので、全ての選手を一概にこうであると決め付けるものでは決して御座いません。

減量末期でも正常な判断が出来る人、若しくは減量自体が殆ど必要なくコンテストに臨める人もいるという事も先に述べさせていただいたうえで話を進めさせていただきます。

 

 

【過大評価されている三種の神器?】

 

コンテストの最終調整で選手たちが血眼になって探しているのは次の3つの情報ではないでしょうか?

①水抜き

②塩抜き

③カーボローディング

ジムで「〇〇選手は試合前に〇〇を食べてカーボアップしていた」

「〇〇選手は〇日前から水を抜いて〇日前から無塩の食事に切り替えてる」

「コンテストの前日は〇〇を〇〇〇g食べて、当日の朝は〇〇〇g食べる」

このような会話はよく聞かれると思います。

そんな中で若手の経験の少ない選手は、最後の数日で調整が遅れていた身体にミラクルが起こると勘違いしてしまいます。

しかしハッキリ言って追い込まれた選手達が期待するほどの変化はこの数日では起きません。

恐らく1週間前に選手を並べて順位をつけたとして、コンテスト当日その順位が変わる事は殆どないでしょう。

1週間で順位に影響するほど変わるとしたら日焼けによる肌の黒さぐらいです。

それどころか、この過剰な期待感から最後の数日間で極端なチャレンジを行った結果、逆に順位を下げてしまったり最悪の場合、調整前より悪くなった身体を見て絶望感に打ちひしがれてコンテスト会場に現れなかったりする選手もいるぐらいです。

ですので、まず最初に理解してもらいたいのは2つです。

①最終調整で極端な事をしても調整の遅れは取り戻せない。

②最終調整は失敗するリスクもあるので、やらずに出られるならやらなくても良い。

 

つまりコンテストの1週間前、既に全身バキバキに仕上がっているのなら最後に悪くなる可能性のあるようなギャンブルはする必要が無いのです。

 

 

【なぜ最終調整をやりたくなるのか?】

 

コンテストのための減量期間は人によって様々で、オフの過ごし方や普段の節制度合いでも大きく変わりますが、平均的には半年ぐらいは食事制限を続けていると思います。

減量幅も人それぞれですが、私は「減量幅が10㎏を超えないようにオフを過ごしましょう」と選手達にはお勧めしています。

因みに私の初めてのコンテスト出場は5ヶ月で43㎏の減量をする壮絶なものでしたが(苦笑)結局全く仕上がりませんでした。

※関東学生新人戦4位

 

減量のペースも人それぞれですが、筋肉を大きく失わずに脂肪を落としていけるペースは1週間に500g~1㎏、1ヶ月に2㎏~4㎏程度かと思います。

※脂肪の付き方や太っていた期間にもよりますが。

 

そんな長期間の節制生活を送ってきた選手達が何故最終調整をやりたくなるのでしょうか?

これも個別の事情があるのでしょうが大きく分けると2つ

①普段の自分を鏡で見て、満足いく仕上がりではないと思っているから。

②食べたいから。食べられる話だから。(カーボアップ)

でしょう。

①は誰でも1つでも順位を上げたいと思っているので仕方が無い事ですが、②は実はコンテストまでの道のりがマラソンだとするとゴールの前100mぐらいのところに落とし穴があるようなものです。

 

 

【カーボローディング】

 

私の知る限り少なくとも20年以上前からボディビル界ではカーボローディングが行われていました。

私の先輩達も様々なテクニックを持っていたので、もっともっと前から行われていたと思われます。

当時コンテストに出場している選手の大凡半分がコンテスト後にこう言っていました。

「カーボアップが足りなくてパンプしなかった」

「カーボアップが足りなかった。その証拠に翌日の月曜日の方が良い身体だった」

そして不思議な事にもう半分の選手がこう言っていました。

「カーボを入れ過ぎて浮腫んでしまった」

「プレジャッジまではキレていたのに、カーボを入れ過ぎて午後は甘くなった」

新喜劇のようですが本当に皆真面目な顔でこう言っていました。

 

昔は皆カーボをローディングする前にディプリートするのが一般的でした。例えば日曜日にコンテストがあるなら月・火・水と炭水化物摂取量を減らして木・金・土は逆に増やしてコンテストに望む事で筋肉がパンパンに張ったコンディションを作る事が出来ると言われていました。

しかし実際には失敗する人が多く、なかなかドンピシャで成功するのは稀でした。

幸い私にボディビルを教えてくれた師匠2人は「余計な事はしなくていい」と教えてくれていましたので私は直前であまり極端な事をすることはありませんでしたが、周りで失敗する人を見ながらその原因を考えるようになりました。

 

カーボローディングの計算を狂わせる要因として考えられるのは大まかにいうと以下の4点です。

①ディプリートのし過ぎ

②ローディングのし過ぎ

③疲労で内臓が正常に機能しない状態になっている

④水抜き・塩抜きとのタイミングをミスっている

 

この中でも一番の問題は①のディプリートのし過ぎでした。

それによって調整に失敗するばかりか、直前に体調を崩して台無しになる選手もいたのです。

私が最後にコンテストに出場した2011年頃にはディプリートを行う選手は私の周りでは少なくなっていましたが、昨年今年と久々にコンテストに出場する選手を数人指導するようになると皆一様に「カーボディプリートはいつからいつまでですか?」と聞いてきたので昨今のフィットネスブームでまた色んな情報が飛び交っているのだなと想像しました。

 

 

【カーボディプリート、いる?いらない??】

 

コンテストに向けた最終調整を行う前提として、コンテスト1週間前の時点で完璧に仕上がっているかどうかという問題があります。

分かりやすい目安で言うと、コンテストの1週間前、朝起きて鏡の前に立ち下腹部に血管が走り、臀部にカットが走り、ハムストリングスの皮膚の薄さが手の甲と同じぐらい薄くなっているならば大凡準備万端と言えます。

しかし私が今まで自分も含めて身体をチェックしてきた選手で、1週間前にこの状態を作れていた選手は10人に満たない程度です。

そしてそうでない選手ほど、この最後の一週間に奇跡の逆転劇を期待して低血糖の回らない頭で無茶なプランを考えてしまいます。

 

私の考えですが、1週間前に仕上がっていないのであればディプリートとかそういう問題以前に金曜日までは頑張って通常のダイエットとハードトレーニングを継続するべきです。

 

次に1週間前の時点で仕上がっているけど、ギリギリなんとか仕上がったという場合、つまり1ヵ月前は甘かったけど、3週間必死のパッチで追い込んで何とか間に合ったが、既に瀕死の状態という場合です。

この場合も金曜日まではこのまま頑張った方が良いでしょう。

何故ならこの場合、既にカーボを極限まで減らして頑張ってきた可能性が高いので、今更ディプリートなどせずとも既にカラカラに枯渇している状態だからです。

またあまりにも疲労してしまっている場合は(疲労していない選手など殆どいませんが)身体が真っ当な反応をしてくれるかどうか計算がたちませんので、外してしまう可能性が高いのです。

 

最後に、1ヵ月前に既にいつでもステージに上がれる状態で、ある程度余裕をもって3週間調整を進めてきて、コンテスト1週間前なのに元気満々の場合。

この場合で普段から1日200g近く(毎食とトレ前におにぎり1個以上)カーボをとっている場合なら比較的リスクの少ないディプリートを行う事が可能だと思われますが、大抵その場合は「このまま何もしなくても勝てるよ」という選手ですし、選手も冷静に考えられる状態である場合が多いです。

しかしバルク的に格上の大会にチャレンジする場合などは、ディプリートしてからのローディングを試してみては?とアドバイスする場合もあります。

その際はその選手の筋肉量にもよりますが、この1週間前までに平均して摂っていた一日の炭水化物量を2日間だけ半分にするように指示します。

例えば日曜日が大会であれば水曜日と木曜日に半分にします。

そして金曜日に今度は1.25倍~1.5倍程度に増やします

(金曜日をどう過ごすかによって量を調節する。仕事をするかしないか?トレーニングをするかしないか?など)

(実際には1.5倍まで増やす事は稀で1.25倍で十分。ディプリートしていないなら最大でも1.25倍で十分)

そして土曜日の朝に身体をチェックしていて前日より良くなっていれば同じ量かやや少ない量を土曜日も摂取します。

しかしもしも悪くなっていたら土曜日は元の摂取量に戻します。

そしてコンテスト当日の朝もチェックしてベストコンディションならばそのままプレジャッジ前のパンプまで、なるべく筋肉を使わないように過ごさせます。

お腹が空いて辛いのであれば普段食べているカーボを必要なだけ入れるように指示します。

悪くなっているのであれば汗をかくように指示し、膨らみが足りないのであればフルーツなどを食べるように指示する場合もあります。

この辺は本当に微調整なので文字にするのは本当に難しいテクニックです。やってる本人の感覚も大切なのでキャリア5年未満の素人が手を出す領域ではないと思います。

もしもキャリアの浅い人がやるのであればカーボを入れる量を減らすのではなくて、消費する量を増やす方がリスクが少ないと思います。

つまりこの場合だと水曜日と木曜日のトレーニングや有酸素運動のボリュームを増やすという事です。

もちろん疲労が残るというリスクはありますが、しくじって浮腫んでしまうよりはよっぽどマシですし多少筋肉痛が残っていた方がハードに見える場合もあります。

コンテストは要するに審査員席からどう見えているかが問題なので、筋肉痛が有ろうと無かろうと、疲れていようがいまいが関係ありません。

ステージ裏では立っていられないぐらいでもライトの下で輝いて見えればそれで良いのです。

 

カーボアップのために入れるカーボの種類は?という質問も多く受けました。

答えは「いつも食べているもの」です。

つまり普段の炭水化物源が白米ならば白米。パスタならばパスタ。オートミールならばオートミールで良いと思います。

何ヶ月も何ヶ月も同じものを食べて精神的に限界で、みんな何か違うものを食べても良いと言って欲しそうな顔をするものですが、普段通りのものを食べるのが一番です。

「よく考えてみろ。終わったら何でも食べられるんだぞ!だからあと3日我慢しなさい」

「ドライフルーツ?バナナ?羊羹?おはぎ?そんなもんコンテストの翌日には食べたくなくなってるから(笑)ここまでの努力を無駄にするような馬鹿なこと考えるんじゃない」

こういう会話を何度もしてきました(笑)

 

 

【水抜き・塩抜き】

 

水抜きと塩抜き(ナトリウムカット)も良く受ける質問ですが、これもカーボアップと同じく“やらなくて済むならやらない方が良いもの“です。

ただでさえコンテスト直前は炭水化物の摂取量が少なく、特に夜はあまり摂らないようにしている選手が多いので起床時は身体から水分が抜けきっていて、ちゃんと仕上がっている選手ならば既にバリバリにカットが走りまくっているはずです。

もしもそうでないのに「このブニョブニョした皮膚が最後の1週間でピシャッとなるはず」と思っているなら無理な話です。

残念ながらそれは脂肪です。

また短い間隔で何度もコンテストに出場し、そのたびに体重を増減させてしまい(打ち上げで暴飲暴食しちゃうとか)、その影響で既に仕上がっているのに少し浮腫んだような状態になっている場合は、水抜きや塩抜きのテクニックを上手く使う事で元のバリバリ状態に戻る事はありますが、それでも何度か繰り返すたびにどんどん仕上がりは甘くなっていくので、頑張っても頑張ってもどんどん仕上がらなくなっていくという負のスパイラルに陥ります。

例えばMr大阪の翌週、または2週後にMr関西があるとか、そのまた1週間後に西日本があるなど、このような場合はよほど注意して調整しないと外してしまう事が多いのです。

こういう場合は2~3つのコンテストがセットであると考え、1つ目のコンテストでは少し緩めの調整で臨むと良いでしょう(例えばカーボアップはするけど水抜き塩抜きは殆どしないなど)。最初からすべてやってしまうと後でどんどん行き詰って打つ手が無くなってしまいます。

 

さて水抜きですが、これも大切なのは“普段からどれだけの水分を摂取しているか?”という事です。

例えば私はダイエット中は通常2リットルのペットボトルを一日に3本は必ず開けるように水分摂取を行っていました。それ以外にも朝食時に1リットル以上は水分を摂りますので1日合計7ℓは下らなかったと思います。

そしてコンテストの2週間前からはこれに更に2ℓペットボトルを2本追加していましたので合計11ℓを目標に水分を摂っていました。

しかしこれは、その人の生活スタイルや仕事・日常生活での発汗量、そして体質(内臓の強さや元々浮腫みやすい体質かどうかなど)によっても大きく変わると思いますので個人差が大きくあります。

例えば今年大阪クラス別・Mr大阪・関西と3つのコンテストを制した村上君は仕事がとてもハードで汗をもの凄くかいてしまうため水分のコントロールが非常に難しい選手でした。

このような選手がコンテスト前の金曜日ぐらいから調整のために有休などを使って仕事を休む場合、いつもと比べて消費する水分量が大きく減っていますので水抜きの調整も難しいのです。

 

水抜きを開始する時期ですが、特に内臓に問題の無い場合はプレジャッジの開始時間から逆算して36時間前ぐらいで十分だと思います。

日曜日の9時からプレジャッジが開始であれば金曜日の夜9時という事です。

この場合だと金曜日は殆どいつも通りで、恐らく土曜の朝もいつも通りでしょう。若しくはカーボアップを金曜日から行っているので、いつもよりも元気な朝を迎えているはずです。

朝のチェックで身体が順調であれば、この日はトレーニングもせずに時間が来たら一定量のカーボを入れていきます。

もしも喉の渇きを感じたら入れるカーボに水分の多いフルーツを加えます。季節的にスイカやメロンが美味しい季節なのでお勧めしますが、嫌いであればトマトをかじっていれば良いと思います。排尿も促してくれますし便通も止まる事が無いでしょう。

前記した村上君の場合は梨を3つぐらい食べていました。

究極にカリカリに仕上げたい場合は木曜日から水抜きをするなんて人もいましたが大抵小さくなったうえにステージで攣ってせっかくの舞台で思いっきりポーズを決める事が出来なくなっていました。

ですので私はあまりにも早く水抜きをすることはお勧めしません。

更に言うと水抜きをあまりにも早くすると逆にコンテスト当日に浮腫んでしまう事があります。ですので絶対に浮腫みたくないなら逆に水抜きは最長でも48時間までにするのがお勧めです。

私が36時間と言う理由は水を摂りながらの方がカーボアップの効果が高いからです。当たり前ですがカーボアップとはグリコーゲンが枯渇し水分の抜けてしまった筋肉内に再びグリコーゲンと共に水分を摂り込む行為ですから水をカットしている状態では成功し辛いです。

つまり前記したように水もカーボも摂る金曜日が一番効果的なカーボアップデーで土曜日はちょっと追加するかキープ程度、日曜日は必要な分だけ(減った分だけ)というイメージになります。

この方法だと土曜日の朝・昼・夕方とチェックする中で、もしも「ヤバい」と思ったらカーボアップを中断して取り返す事が出来ます。

消極的だと思われるかも知れませんが、最初に書いた通り“やらなくても良い事”ですので頼り過ぎない程度に留める方が良いと思います。

 

最後に塩抜きですが、私はあまりお勧めしていません。

減量中も完璧に摂取するナトリウム量を記録しているのならば出来るかも知れませんが、食材や飲み水にも含まれ産地によって量も微妙に異なる成分ですので完璧にコントロールする事は難しいものです。

完璧にコントロール出来ない以上は何が起こるか分かりませんのでやるべきではない。

一番の理由はこれです。

ただでさえ水抜きをして体に負担をかけているのに、更にナトリウムカットまでしてしまうと水が抜け過ぎて小さくなってしまったり、パンプしなくなってしまうリスクの方が高いのです。

ですのでよっぽどの場合以外(ナトリウムもカットして水を絞り出さないと検量にパス出来ない等)は水抜きだけにしておいた方が良いでしょう。

何度も持ち出しますが村上君も塩抜きはしていません。しかしMr大阪・Mr関西レベルだと一番絞れていたはずです。

要するにしっかり準備が出来ていればここまでのレベルであれば必要ないのです。(今後更に上位レベルのコンテストに出場する場合はやるかも知れませんが)

ナトリウムカットが駄目なら逆にカリウムを入れるのはどうか?という質問も多いのですが、そもそもダイエット中に食べている食材はカリウムが豊富に含まれているものが多いですよね。

カーボアップする際に食べるものもカリウムが豊富です。なのに何故か態々サプリメントでポタシウムの錠剤を摂りたがります。

何度も言いますがコンテスト前は今までの努力を水の泡にしない事を考え余計なリスクは避けるべきです。もしもポタシウムの錠剤を使うのであれば普段から摂るようにしましょう。

電解質のバランスというのは本当に繊細です。この最後の最後、大事な時に普段飲んでもいないサプリを入れるなんて事は避けましょう。

また全てに通じる事ですが、普段の食事でどれだけのナトリウムを摂取しているのかによって個人差のある話です。通常考えられるダイエット食を継続していていれば、普通は既に塩分控えめな食事内容になっていると思われますが、稀に濃い味付けのまま減量を続けている場合もありますので、その場合はほんの少し薄味にするだけで見違えるように絞れて見えることもあります。

ただしそういう人ほど普段とのギャップが激しくて身体が攣ってしまったりパンプしなかったり、浮腫みが早く訪れたりしますのであまり計算がたちません。

 

失敗しないためにはいつも通り、普通でいる事がベストだと私は考えます。

それでも何かしないと気が済まない人がいるとしたら(笑)

疲労回復も兼ねてビタミンCやB群を多めに摂ると良いと思います。水溶性ビタミンを多めに摂ると多少は身体が余分に水分を排出してくれます。疲れも取れて一石二鳥です。

 

 

【まとめ】

 

毎度毎度長文になってしまい申し訳御座いませんが書き進めていくうちにどんどんマニアックな方向に行ってしまいました。

繰り返しますがコンテストの勝敗の99.9%は1週間前までに決まっています。

ですので0.1%をゲットする為にミスをするリスクを負うのであればそのまま出た方が賢いと私は思います。

カーボアップ・水抜き・塩抜きと色々試してみたい気持ちはわかりますが、特にキャリアの浅い選手は一気に全てに手を出す事はやめて、一つ一つ自分に合っているかどうかを確かめながら試してみる事をお勧めします。

そしてその前提として1ヵ月前に「いつでも出れるわ」という状態を作るために準備を早めに進めていきましょう。

減量中に冷静な判断を失いそうになったら信頼できる人に客観的な目で見てもらい、素直に意見を受け入れましょう。

自分にとって都合の良い意見を言ってくれる人を捜し求めるのではなくて、忖度無しで厳しい事を言ってくれる人のところに通いましょう(笑)

 

私も散々苦い経験がありますのでコンテスト直前の選手の気持ちは良くわかります。

言って欲しい事、言われたくない事、色々あるので、是非オフの冷静な頭のうちにしっかりとしたプランを立てて苦しくなってもやり通すようにしてみて下さい。

夏の準備は既に始まっていますよ‼

 

コラムニストやコラム内容についてのメッセージは下記のアドレスまでお送りください。

コラム用メールアドレス: column@sbdapparel.jp

※どのコラム宛かを明記してください。
※お送りいただいたメールの内容は、コラムで取り上げられる事があります。

 

■コラム執筆者

佐名木宗貴
ベスト記録(ノーギア)
スクワット 241kg
ベンチプレス 160kg
デッドリフト 260kg

戦跡
パワーリフティング
・全日本教職員パワーリフティング選手権 90kg級 優勝
・2009~2012年 近畿パワーリフティング選手権 4連覇 75・82.5・83・90kg級4階級制覇

・一般男子83㎏級スクワット日本記録樹立
・ジャパンクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 準優勝
・アジアクラッシックパワーリフティング選手権大会 83kg級 優勝
・東海パワーリフティング選手権大会 93kg級 優勝

・2018年世界クラッシックパワーリフティング選手権大会 マスターズⅠ83㎏級 5位

・2018年香港国際クラッシックインヴィテーショナル大会 マスターズⅠ83㎏級 優勝
・マスターズⅠ83㎏級スクワットアジア記録樹立

ボディビルディング
2000~2001年  関東学生ボディビル選手権 2連覇
2000年     全日本学生ボディビル選手権 3位
2011年     日本体重別ボディビル選手権70kg級 3位
2011年     関西体重別ボディビル選手権70kg級 優勝

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する記事