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SBDベルトレビュー・ノーギアパワーリフティング公認品まとめ

この度SBD Apparelより新しいリフティングベルトが発売されました、全てのパワーリフティング公式試合で使用可能なIPF(国際パワーリフティング連盟)公認品で、画期的な機構を備えた全く新しいレバーアクションベルトとして私の周りではパワーリフターのみならず一般のトレーニーの間でも大きな話題となっています。

今回のコラムでは前半で新型SBDベルトのレビューを、そして後半では最近選手や審判員の間で若干の混乱が見られ認識不足が原因のトラブルの話も聞くノーギアパワーリフティングの装具(ウェアやギア類)について、一度現在のルールをまとめてみようと思います。

【SBDベルトレビュー】

こちらはSBDベルトの紹介動画になります。

動画に登場する白髭の男性はビル・カズマイヤー氏、ベンチシャツが無かった時代にトータル1100kgの世界記録を樹立しストロンゲストマンコンテストでも三連覇を達成した伝説のパワーリフターです。

一時期プロレスラーとして来日していたので昔からのプロレスファンの方はよくご存知かもしれません。

デザイン・素材・製造

製革所

鋳造所

製造工場

それではSBDベルトを部分毎に見ていこうと思います。

画像01

《革部分》

まず、ベルトの革部分から。

革はイギリス製の皮革が使用されており表はツヤのある黒革(オイルレザー)、裏地は赤いスウェード、バックにはSBDのロゴが刻印されています。

メジャーでサイズを測ってみました。

画像02

幅10cm
厚み1.3cm

この幅と厚みはどちらもパワーリフティングの国際ルールで定められた最大のサイズになりますので、パワー競技用ベルトでこれを上回る幅と厚みを持つものはありません。

《バックル部分》

何と言ってもSBDベルトの最大の特徴となるのがこのアルミ合金製のバックルです。

私もこのバックルを初めて見た時は驚いたのですが、下の動画のようにレバーアクションタイプでありながらピンタイプのように好きな位置で固定可能というこれまでになかった全く新しい機構を備えています。

従来のレバーアクションベルトには『ワンタッチでキツく締められ、外すのも楽』という利点の反面、『穴を調整するのに工具を使いバックルを分解する必要がある』という大きな欠点がありました。

この為、種目によってベルトの締め具合を変えたい選手や、増量や減量で体重の変動の多い選手にはやや使い辛い部分もありました。

SBDベルトのバックルは、レバータイプでありながらピンタイプのベルトのように締め具合を簡単に調整可能で、このようにレバータイプの欠点を克服したベルトは私の知る限り初めてです。

《サイズ選び》

サイズは9サイズとスーパーヘビー級の選手にも対応しています。

サイズ選びで一つ注意して欲しいのがサイジングガイドの説明にもあるように、『今お持ちのベルトを最もきつく締め、その時に締め付けに使っているベルト長を測定します。』と言う点です。

私はウエストが93cmありますが、ベルトをキツく締めた状態だと83cm程度になりますので、この場合MかLが適正サイズとなります。

私はLサイズを使用していますが、少し余裕を持って締めた状態で外側に穴が4つ余る状態(丁度真ん中)、かなりキツく締めて外側に穴が3つ余りました。

私の場合もうワンサイズ小さいMサイズでも問題なく使用出来そうです、ベルトは短めの方が使いやすいという選手もいるかと思いますのでそういう方は適正サイズの範囲でやや小さめを選ぶといいかもしれません。

ウェストの数値が同じでも、お腹の脂肪の量等によってキツく締めた時の数値は変わってくると考えられますのでご注意下さい。

《実際に使用してみて》

やはりまず第一にバックルが非常に便利です、締め具合を簡単に変えられるピンタイプとワンタッチで着脱可能なレバーアクションタイプのいいとこ取りと言っていいと思います。

これまでに無かった機構で従来のレバーアクションベルトと比べ複雑な構造になっているので何かデメリットもあるのではないだろうかと色々触ってみたのですが、動きは滑らかで軽い力でガッチリ固定でき従来型のものと比べて特にデメリットは見当たりませんでした。

このバックルがある限りSBDベルトは他社のレバーアクションベルトに対して絶対的なアドバンテージがあると言っていいのではないでしょうか。

皮革部分は前述のように厚さ幅ともにパワーリフティングのルールで定められた上限のサイズとなっており、かなり堅牢な作りになっています、その分身体に馴染むには少し時間がかかるかもしれません。

このルール上限サイズのがっしりした革がワンタッチでキツく締められるレバータイプのバックルと相まって固定力は非常に高いです、スクワットやデッドリフトでの怪我の防止や記録向上にも大きな効果が期待できそうです。

更に、皮革部分もバックル部分もデザインや素材に高級感があり質感が非常に高いです、こちらに慣れると以前使っていた一般的なレバーアクションベルトがチープに感じてしまう程でした、SBDベルトの価格はIPF公認ベルトの中でも比較的高価な部類に入りますが、ベルトは一度買えば10年や20年は使えるものですし、他にない革新的な機構や高い質感を考えれば値段以上の価値があるのではないでしょうか。

レバーアクションタイプのベルトをお探しの方は勿論、これまでレバーアクションは穴調節が面倒くさいという理由で敬遠していた方にもSBDベルトは文句無しでオススメできます。

SBDベルトを着用してのスクワット225kg4レップ、先日東京のTXPへお伺いした際に動画を撮らせて頂きました。

以前使用していたベルトよりも厚み幅共に大きい為特にボトムでの安定感が増したと感じます。

【ノーギアコスチュームのルールについて】

近年ノーギア大会に出場する選手が増加傾向にありますが、コスチュームのルールについてはまだ周知徹底がされていないようで、選手や審判員で誤った認識を持っている人が度々見受けられます。

パワーリフティングの大会で身につける事のできる装具類はルールで定められており、特にベルト・リストラップ・ニースリーブ・シングレットの4点は大会によってはIPFの公認品しか使用できない場合があります。

また、靴・ソックス・Tシャツといったその他の装具類も自由に選べるわけではなく、細かい規定があります。

今回はノーギア大会で使用できる装具のルールについて解説してみようと思います。

(ルールについてここで全てを書く事は出来ませんので重要と思われる部分の抜粋です、特に初めて試合に出る選手は必ず一度はルールブックに目を通しておいて下さい、ルールブックの購入についてはJPAにお問い合わせ下さい)

《ベルト・リストラップ・ニースリーブ・シングレット(ツリパン)》

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まず、ベルト・リストラップ・ニースリーブ・シングレット(ツリパン)の4点について、2016年9月現在ノーギアの大会で使用出来る物を図にまとめてみました。

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※注1(地方大会であっても各ブロック大会で日本記録に挑戦する際は、IPF公認品のニースリーブとリストラップ以外着用出来ません。
また、スパッツや短パンは認められず必ずシングレット (規格内の非公認品も可)を着ている必要があります。)

このように、世界大会やアジア大会のようなノーギアの国際大会に出場する選手は上記の4点セット全てをIPF公認品で揃える必要があります。

『規格内の非公認品』の『規格』については多岐にわたる為ルールブックを参照してほしいのですが、主な内容としては
ベルト→ベルト部分の厚さ13mm幅10cm以内、パッド入りやマジックテープタイプは使用不可。

リストラップ→幅8cm、長さ1m以内。

ニースリーブ→長さ30cm以内、厚さ7mm以内、ストラップ・紐・マジックテープの付いていないもの。

シングレット→股下の長さは3cm~25cmまで、ゆるゆるで無いもの。

といったものになります。

国内の大会にしか出場しない選手の場合はニースリーブとリストラップがIPF公認品であればシングレットとベルトは規格内の非公認品でも全国大会への出場が可能です、ただし将来的にはIPF非公認のシングレットとベルトが国内大会で使用できなくなる可能性も考えられますので、私個人の意見としてはIPF公認品を選択しておくのが無難かなと思います。

《Tシャツ、シューズ、ソックス》

画像05

Tシャツ、シューズ、ソックスについてはIPF公認品という物は無く、特に国内大会であればルールの範囲内で自由に選べます、これらについても注意したいルールを抜粋して書いていこうと思います。

国際大会ではこれに加えTシャツのロゴ等にも制約がありますので国際試合に出場する選手はIPFのHPに掲載された国際ルールに目を通しておきましょう。

・Tシャツ
綿や合成繊維のような一般的な素材で出来た普通のTシャツであれば基本的に問題ありません。

ただし、ポケット・ボタン・チャック・襟があるもの、Vネック、ゴムのような反発のある生地を使ったもの、サイズが合わずぶかぶかのもの、コンプレッションウェア、ノースリーブ、ロングTシャツは使用不可です。

規格を満たしていても不快、不評をかうようなものは審判の判断で認められない可能性があります。

・シューズ
室内用のスポーツシューズのみとなります。

ビジネスシューズ、ブーツのような非スポーツシューズは使用不可、スポーツシューズであってもアウトドアスポーツ用のシューズであったり五本指シューズのように指が分かれているものは使用できません。

日本のパワーリフターに人気のある靴底の薄い作業靴は厳密に言うとスポーツシューズではありませんが、国内大会でも国際大会でもコスチュームチェックを通っている為、現状問題無いと判断されているようです。

・ハイソックス
デッドリフトでは怪我や感染症予防等の理由で必ずヒザ下まであるハイソックスを着用していなければなりません。

ハイソックスを忘れると試合には出場出来ませんので注意して下さい、スクワットとベンチプレスは短いソックスやソックス無しでも問題ありません。

・アンダーウェア(パンツ)
反発があったり伸縮性の無い生地の物は全て使用不可です。

国際大会ではブリーフ型の物のみ使用可能、国内大会ではボクサーブリーフのような大腿部まで生地のある形の物も着用が認められています。

・スパッツ、短パン
地方大会ではロングスパッツを含むスパッツや短パン着用での出場が認められています。

ロングスパッツを着用していた場合ニースリーブは着用出来ません(スパッツとニースリーブが接触していてはならない為)この点注意して下さい。

また、反発のあるコンプレッションタイプのスパッツは反則と考えられます。

短パンはぶかぶかのものやデニム地のように反発のある生地のものは使用できません。

《IPF公認品について》

IPF公認品というのはIPFの定める規格を満たしており尚且つIPFに認可を受けたものであって、ただ規格を満たしているだけのものは公認品ではありません。

IPF公認品はIPFホームページの最新公認品リストで確認する事が出来ます

特にノーギア用品については最近認可の動きが活発になっていますので、国際大会等に参加される方は定期的にチェックされる事をおすすめします。

 

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コラム用メールアドレス: column@sbdapparel.jp

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※お送りいただいたメールの内容は、コラムで取り上げられる事があります。

■コラム執筆者

神野亮司
愛知県 MBC POWER所属 ( http://mbcpower.web.fc2.com/ )
ベスト記録(ノーギア)
・93kg級
スクワット240kg
ベンチプレス165kg
デッドリフト267.5kg
トータル662.5kg
・83kg級
スクワット212.5kg
ベンチプレス157.5kg
デッドリフト255kg
トータル612.5kg
実績
ジャパンクラシックパワー(旧ジャパンオープンパワー)出場10回、最高2位
2012年アジアクラシックパワー男子一般83kg級2位
2014年世界クラシックパワー男子一般83kg級11位

 

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