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鍛える前に着目して欲しい大切な事

【ご挨拶】

読者の皆さま、初めまして。
都内恵比寿にありますTraining-studio“Master Mind”というパーソナルトレーニング、パワーリフティングジムにて活動をしております、栗原弘教(くりはら ひろのり)と申します。

店舗では代表兼パーソナルトレーナーとして活動をしており、また、パワーリフターとしても日々練習を行っております。

この度、SBD コラムの執筆をさせて頂く事になり、私のトレーナーとしての経験や日頃行っているトレーニング、コンディショニング方法等をご紹介させて頂ければと思っております。

皆さまの日々のトレーニングやコンディショニングにお役立て頂ける情報を発信できれば大変嬉しく思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

【鍛える前に着目して欲しい大切な事】

日頃トレーニングをハードに行っているトレーニーや選手には、トレーニング前に特に意識してみて頂きたい事があります。

それは、「身体のバランスを整え、筋の出力を最大化させる事」です。

どういう事かというと、関節の可動域が狭ければ筋肉は円滑に収縮や伸張をする事ができませんし、逆を言えば筋肉が固ければ関節の可動域に対して制限をかけてしまいます。

どちらの場合にせよ、結果としては筋出力に対して「制限=抑制」をかけてしまう大きな要因になります。

この抑制がかかった状態でも当然身体は動きますし、トレーニングも可能です。

ですが、「抑制がかかっている=上手く働かなくなっている部分がある」
という事になるので、その上手く働かなくなっている部分の働きや負荷を、どこか別の筋肉や関節でカバーする事になります。

これを「代償動作」と呼びますが、この代償動作が大きくなったり、代償動作の結果、慢性的に負荷のかかる部位が出ると、そこが怪我や動作不良の原因となる事が多々あります。

【抑制を取り、筋出力を改善させる】

スクワット動作を例に挙げると、フルスクワットをしようとした場合、多くの方に現れる事として「ニー・イン、トゥー・アウト」という状態があります。
膝が内側に入り、つま先が外を向く形です。

ニー・イン、トゥー・アウトが絶対に悪いという事はありませんが(高重量を挙げるためのテクニックとして使う場合があります)、関節への負担や、筋肉に満遍なく刺激を入れるという観点で言えばあまりその状態、動作が出ない方が良いと思います。

なぜニー・イン、トゥー・アウトという動作が出るかというと、様々な原因が考えられるのですが、大きな原因は大臀筋、中臀筋の弱化(=弱くなっている、抑制が掛っている状態)や内転筋群、大腿筋膜張筋、腸脛靱帯などの硬さから起こります。

また、足底や足関節のバランスの悪さ(後々コラムにて書く予定です)、などから起こる事も多いです。

このケースの場合は、内転筋群、大腿筋膜張筋、腸脛靱帯などの硬さが原因で大臀筋や中臀筋といった筋肉に抑制が掛っている事が多いので、先ずはそれらの筋肉を緩めて大臀筋や中臀筋に掛っている抑制を取っていく事が大切になります。

【股関節のつまりの原因にもなる】

股関節につまりや違和感などを感じたり、痛みを感じながらスクワット動作を行っている方もかなり多くいらっしゃるかと思いますが、上記の事が原因で慢性的に股関節前や内側にその様な症状が出ている事もあります。

※不安な方は一度整形外科の受診をおすすめします。

ニー・イン、トゥー・アウトの動作が強く出ている方は特に股関節のつまり感が強いと思いますので、先に記した筋肉をしっかりと緩める事をおすすめします。

【緩めて終わり、ではない】

少し難しく書いていますが、簡単に言えば「硬いところを緩める」という事になるので、普段から行っている方が殆どかと思います。

ですが、なぜそのストレッチやリリースを行うのか?という理由を少し深く知っていくとより成果に繋がりますし、トレーニング自体も楽しくなって行きますので、ご自身に置き換えてぜひ考えてみてください。

さて、固くなり抑制をかけている部位を緩めて可動域の改善などをしたらそれで終わりでしょうか?しかし、これだけではいけません。

なぜかというと、「抑制をかけなければいけない状態にあった」という事、「抑制状態を身体が覚えている」事など、が考えられるからです。
つまり、抑制状態にあったので、その状態での動作を覚えている訳ですね。

歩行動作などからスクワット動作まで全てです。

一時的に抑制が改善されても、また元の動きやすい動作(癖の様なものですね)に戻ってしまうので、抑制が取れた状態で弱化していた部位に刺激を入れたり、苦手だった動作を練習したりして、新たな身体のバランスでの運動回路を構築していく事が必要です。

この

抑制部位リリース


弱化部位のトレーニング

苦手動作のトレーニング


というサイクルを反復していくと、徐々に筋出力や可動域が改善され、動作も安定してくると思います。

多くの方が、「緩めて終わり」となっているので、その状態でActivateドリルやMobilityドリル、Collectiveエクササイズなどを行った後に、メイン種目(BIG3)に入る事をおすすめします。

また、補助種目としてそれらの部位や動作の改善を行うのもとても良いと思います。

【まとめ】

いかがだったでしょうか?

普段トレーニングだけでなく、いかに良い状態でトレーニングに入るのか?という事を重要視しているので、まず初稿ではその様な事を書かせて頂きました。

このコンディショニングという考え方はまだあまり浸透していないと感じるので、ぜひこの機会に知って頂ければと思っています。

次回は実際のストレッチ方法やリリース方法などをご紹介しようと思います。

 

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コラム用メールアドレス: column@sbdapparel.jp

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■コラム執筆者

栗原 弘教

Training-studio“Master Mind” HP:https://mastermind85.com/

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